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オンライン授業と「合理的」配慮の問題。

平成28年4/1より「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(いわゆる「障害者差別解消法」)が施行され、教育機関においても障害者から「申し出があれば」なんらかの対応をすることが義務付けられている。

ADHDのある大学生にどんな困りごとが出るのかすらまだまだあやふやな状況のなかで、では、どんなことが「合理的配慮」なのかというのはなかなか難しい(個人的には、面白い!)問題である。ADHD大学生に関する合理的配慮の例は、日本学生支援機構のHPで確認できるのだけど、(平成だったら32年)9月現在で事例14件とめちゃくちゃ少ない。

ということで、以前から私は「〇〇という事例があるらしいけど、そのような配慮の可能性はありますか?無理だよね〜、でも、ひょっとしてできるんじゃない?」みたいなスタンスで折に触れて、学生相談室やいわゆる教務課に聞いてみたりする。たいてい却下になるが、いわゆる「前例」を作っていっている段階なので、その他のことに比べると、学校側も保護者側も生徒も、結構本気でああだこうだと考える余地があって、毎回建設的議論になる。ある種の心地よさが残るので、これ、みんな、ダメ元でどんどんお願いしてみて、相手の言い分を聞いて理解するととてもいいと思う。赤ちゃんが泣く、犬が吠えたりおすわりしたりするように、黙っていては配慮してもらえないので何らかのアクションをすることが大切。まあこれ、全てにおいて生きる上で必要だよね。以下、合理的配慮の定義。

「合理的配慮は、障害のある人から、社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられたときに、負担が重すぎない範囲で対応すること(事業者においては、対応に務めること)が求められるものです。重すぎる負担があるときでも、障害のある人に、なぜ負担が重すぎるのか理由を説明し、別のやり方を提案することも含め、話し合い、理解を得るように努めることが大切です。……その内容は、障害特性やそれぞれの場面・状況に応じて異なります。」(内閣府リーフレット:https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/pdf/gouriteki_hairyo/print.pdf)

さて、今回我が家の息子は、14単位分履修し、10単位取得というまあまあ予想通りの結果。そもそもコロナを言い訳に14単位分しか履修していないということがすでに問題であるが、今期はすべて自分でできるようサポートを手放したのでまあ仕方ない。また、対面授業でないため頼れる友達がすぐ近くにおらず、ノーサポートで10単位いけたというのはある意味快挙!このレベルの低さには目をつぶり、単位の取得状況を分析してみるとオンラインのZoom等を利用したリアルタイム授業は落としておらず、好きな時間にビデオや資料を見るというオンデマンドタイプの授業を一回もアクセスすることなく落としていた。

この結果を元に、息子の大学では履修選抜があるので秋の履修登録に関してどの程度までを「合理的配慮」と考えるのかを大学側にたずねてみた。

1.リアルタイム授業を優先的に履修は可能か?→シラバスに授業形態を掲載することになったので自分で確認し、選んでもらうしかない。

2. 今回落とした科目を後期に取らないと進級できないので、優先的履修は可能か?(友人と同じ科目を履修するというような優先措置はできるか?)→公平の観点から特別配慮はできないが、必要以上に多くの科目を希望し当選後キャンセルしたとしても罰則はない……。という含みをもたせたアドバイスをいただく。

ということで、まだまだ多くの大学では自力で友達を頼ったり、先生に直談判というのが現状での正攻法という感じですね。この場合、友人にバイト代を払ってお願いするというのも一つの案かも。(ADHDは、家事代行とかこういうところにお金を使うべきと私は考えている。)

保護者のサポートとしては、学生相談室との相談では、コロナで状況が変化しているので、課題の締め切りや履修など、手放しかけていた部分のサポートを再開しましょうという形になった。コーチングの手法はぜひ取り入れるといいのではとのこと。ということで、どうせやるならADHDコーチングの実験をおこないつつ進めていく予定。なかなか前途多難ですが、有効情報はまたシェアしていきます。




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