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【parkERsの中のヒト】 なぜか惹かれる植物の魅力。「好き」を仕事に、地域に愛される空間を届ける/クリエイティブ室 花田美晴

バトンをつなぎお届けしているparkERs(パーカーズ)のnoteオリジナル企画「parkERsの中のヒト」

「日常に公園のようなここちよさを。」をコンセプトに空間デザインを行なうparkERsのスタッフ、一人ひとりにクローズアップするシリーズ企画です。

前回のプロデューサー井上さんからリクエストを受けて、今回はプランツコーディネートチームの花田美晴(はなだ みはる)さんに注目。※このシリーズでは、親しみを込めて敬称ありでご紹介させていただいています。

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3年前からアシスタントを卒業しプランツコーディネーターとして、住まいや商業施設など人が集う空間の植栽デザインを多く手がける花田さんは、東京農業大学の造園学科に進学するなど、学生時代から植物への興味が強かったよう。どのような経験を経て、 parkERsで人と植物が共存する空間デザインを手がけるようになったのか、早速深堀りしていきます。


“道端に咲く草花”に惹かれた幼少期

東京の下町・日暮里で育った花田さん。日暮里というとあまり緑豊かなイメージはない印象ですが、どのようにして植物に興味を持つようになったのでしょうか?

「保育園では園庭が広くない代わりに散歩によく出かけ、いろんな公園で過ごすことが多い幼少期だったと思います。また家族とも海やキャンプ、旅行にはよく行っていました。

でも海に行っても、泳いだり砂浜で遊ぶよりも、そこら辺に生えている草花を摘んで遊ぶような子だったんです。本能だったのか自分でもよくわかりません(笑)」

花摘み

旅行先のスイスでも、花を摘んで遊んでいた幼少期

ご両親が植物関連の仕事や趣味を持っていたわけでもなく、しいて言えば祖父母の玄関先で育てている植物の名前を教えてもらった経験があるくらい...と語る花田さんは、幼い頃から知らず知らずのうちに植物に惹かれていったようです。

摘んだ道草2

様々な土地に行く度に、草花や実物などを収集する癖は今でも健在

昨年ヨーロッパを巡る旅に出た時は、小さなベース(花瓶)を持ち歩き、行く先々で出会った草花を集め、宿泊していたホテルに飾って楽しんでいたという、何ともほのぼのするエピソードも教えてくれました。

旅行 道草2

オランダのヘールレンで採集した、どんぐりや木の実、落ち葉

旅行 道草3

ドイツのハンブルクでは、道端に咲いていた小花を

そんな花田さんは高校は普通科に進み、写真部に入部。撮影から現像まで自分で行ない、本格的にモノクロ写真を楽しんでいました。

主に何を撮影していたかを伺うと、返ってきたのは「植物につく露の写真、大きい木の下にたたずむ人の写真とか...」と、こちらも花田さんらしい回答でした。


大学では「(土地)らしさ」の研究に没頭

将来は漠然と植物に関わる仕事に就きたいと思っていました。その中でも、玄関先の植物一鉢に関する狭義の世界から、公園や庭園の緑、都市や農村から地球環境といった広域な内容まで、幅広く実学で学べることが大きな決め手となり、東京農業大学 地域環境科学部 造園科学科に進学。

大学課題3

実在する邸宅と庭園の「地形を生かした改修」を計画した際の資料

4年生では「景観」を研究する研究室に入り、地域の景観について研究。具体的には、現在の“まち”の景観を作り出した地域の歴史や人の営み、環境による影響などを調べ、分析していくというもの。まち特有の「(土地)らしさ」を発見することが楽しくなり、どんどんのめり込んでいきました。

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岡山県にある倉敷美観地区のまち並み

「中でも印象に残っているのが、夏のゼミ合宿で訪れた岡山県の倉敷美観地区。窓の格子、壁の作り、建物の高さ、植物の配置、建物に使われている色味、看板に使われている字体など、景観の構成要素をとにかく抽出していきました。

そこから、なぜ現在のまちがその形・姿になっていったのかを深堀するんです。地域らしさや人の営みが、町に反映されている点に興味が湧きました。」


自身が育った「地域」にフォーカス。

大学で「景観」を学ぶのと並行して、プライベートでも地域の公園に花壇を作るボランティアをしていた花田さん。植える花を自分たちで選んで、花壇に植えて水やりしながら地域のみんなで育てていくというものです。

地元の風景1

花田さんの地元の風景

「一人で家の庭でやるのとは違う地域の人との関わり合いがあったり、街並みができていく過程に貢献できるところ、街の景観がよくなっていくのも面白かったんです。」

人との関わりが希薄になってきた時代に、お店の人と人が界隈でつながっていることが魅力だったそう。そこで選んだ卒業論文のテーマは『谷中根津千駄木の店と人の関わり』

「界隈にあるお店 数百件を全て洗い出して、地図にプロットし分析をしました。お客さんと店の人の距離感の近い店、気さくな会話の多い店、入りにくさもありながら惹かれる店..。

例えば“入りにくさ”を作り出している要素に注目して、「外壁の色」「ドアの割合」「植物があるのかないのか」といった視点で要素を抽出していきます。またお店の人にインタビューをして、「なぜ谷中根津千駄木付近で店をやっているのか」「店同士の交流はあるのか」をヒアリングしていました。」

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ここで花田さんの性格が表れていると感じたのが、卒論論文の進め方。

「もともと人に話しかけたりするのが得意でなかったので、あえてヒアリング調査を選びました。興味のあることならできるかなと思って。おかげで前よりは初対面の人とのコミュニケーションに抵抗がなくなった気がします。もっと町が好きになった経験でしたね。」

「苦手を克服」しながら好きなものに全力で打ち込む姿勢は、花田さんの人柄をよく表しているエピソードでした。


そしてparkERsと出会ったアルバイト時代

小さい頃の「お花屋さんになりたい」という夢を実現して、大学3年生から青山フラワーマーケットのアルバイトをスタート。しばらくして、parkERsが立ち上がったことを知りました。

「parkERsについて調べているうちにどんどん惹かれるようになり、ある時「parkERsに移動したい」と相談したんです。それがparkERsブランドマネージャー梅澤さんの耳に届き、店舗の近くでお茶しながらお話しました。何度か面談を経て、2014年からプランツコーディネーターのアシスタントとして働き始めました。」

parkERsバイト施工

学生アルバイト時代に施工現場を手伝う様子

「アシスタントをしながら同時にメンテナンスにも入っていて、本当に様々な物件を回れるので、日々面白みを感じていました。施工現場では空間に緑が入る前と後の変化がすごく印象的で、初めて緑が入った空間を見たときのお客さまの反応も伝わってきて、次第に「面白い」から「やりたい」に変わっていきました。」

当時は新卒採用をしていなかったparkERsですが、どうしても続けていきたい!という強い気持ちがあったため、大学を卒業した後もアルバイトとしてparkERsで働き続けました。

オンライン1

当時担当していた、オンライン販売事業のイメージ写真

「オンライン販売を担当し、わたしが植え込んで発送した植物を受けとった人が、豊かな時間を過ごしてくれたら嬉しい、そんな気持ちで取り組んでいました。オンライン事業を手がけながらも、植物一鉢にとどまらず空間として、“そこで人がどう過ごすか”(=空間デザインの分野)に関わりたいという気持ちがずっとありました。」

その後受けた社員登用試験では、筆記試験や面接はもちろん、さらに企画書を作って挑みました。当時課題だった目標売上を見事達成し、プランツコーディネーターのアシスタントに。そこからアシスタントとして経験を積み、2019年からプランツコーディネーターとして活躍しています。


プランツコーディネーターとして描く、
これからの「地域に愛される」空間づくり

今後、花田さんはどのような展望を持っているのかも伺って見ました。

「地域のものを使って、地域に馴染むような空間を作りたいです。大学時代に「地域らしさ」を研究してきた経験を生かして、地域の人に愛される空間を世の中にもっと生み出していきたい。」

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また、外(屋外)と中(室内)の垣根を超えた空間を作っていきたいんです。地面に根っこを張りめぐらせるというのが、植物にとっては生きやすい環境ですし、人にとっても昔から見てきた自然の風景なので。そんな風景のある空間づくりを手がけ、地域に豊かさが届けていきたいです。


最後に投げかけた「花田さんにとって植物の魅力とは?」という質問には、
「植物の魅力....いっぱいあって難しいですね(笑)。
何億年も前から生きている大先輩におこがましいですが...、“力強くて、美しくて、時に儚くて、戦略的に生きているところ”ですかね。」
と、最後まで植物へのリスペクトが感じられる、温かい想いを教えていただきました。

* * *


農大一本、parkERs一本、これだと決めたらいろんな角度で調べ、深堀し、突き進んでいく個性を持つ花田さん。穏やかながら内に秘めるエネルギッシュな熱が、話しているとじんわりと伝わってくるようでした。

華奢ながら男性陣にも負けず劣らず、よく食べる花田さん(多分男性陣よりよく食べる)。意外な一面が、掘れば掘るほど出てくる彼女の、今後の活躍にもご注目ください!

さて次回の「parkERsの中のヒト」。
どのメンバーにバトンが渡るのでしょうか?


この記事を書いた人は

parkERs ブランドコミュニケーションチーム
森み
parkERsではコロナ以降もっぱらオンライン飲み会で集まっていますが
「オンライン飲み会やったことある人は7%」
というアンケート結果もあるとか。
まだまだ浸透しているのは一部のようです。

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