「フランス人は謝らない」は本当か
Bonjour ! みなさま こんにちは。😊💕
オンライン日仏学校 巴里舎 です。
突然ですが、みなさんはフランス人に対してどのようなイメージをお持ちですか?
上品?冷たい?プライドが高い?英語を話すと嫌な顔をされる?🙄
などなど、人によって抱くイメージは異なるかもしれませんね。
その中でも、「フランス人は謝らない」と言われることがあります。
これは果たして真実なのか?
検証していきたいと思います!
1.「フランス人は謝らない」を検討してみた。
①SNCF(交通機関)でメトロが遅れて到着しても、謝らない。
これは、確かにそうですね。
ちなみにストライキのせいで電車そのものがそもそも動いていない
などということは、日常的によく起こります。
でも、それで車掌さんだとか駅のスタッフさんが謝っている場面には
一度も出くわしたことがありません。
5分でも電車が遅刻したら「大変申し訳ございません…」と謝ってくれる 日本の交通機関とは雲泥の差ですね。😅
②《C'est pas ma faute. (私のせいじゃない)》を連発する。
これはフランス人の口癖か?と思うくらいよく耳にする表現です。
以前は「こんな小さなことで我を張るなんて大人げない。自分のせい
じゃなくてもひとこと『すみません』って言えば丸く収まるのに」
と思っていましたが、フランス人の方にとっては
「謝罪」=「自分の非を認める」=「負け」
という図式であるらしく、自分のせいではないのに安易に謝るという
ことはないようです。(個人差はあるかもしれませんが)
🐥上記の表現、本来は Ce n'est pas ma faute. ですが、話し言葉ではよく
否定の《ne》 (エリズィオンする場合は《n'》)が脱落します。
③教室を間違えても謝らない。なんなら間違えられた方が恐縮する。
現地の大学に通っていた時の話。
あるフランス人の女性が、始業時間ぎりぎりに私たちの教室に駆け込んできました。
が、どうやら教室を間違えてしまったようです。
彼女は一瞬、大きく目を見開くと、《Oh, putain …》(注)とつぶやき、
謝るでもなくまたバタバタと去っていきました。
それをご覧になっていた担当の先生が、《Là, c'est très français.》
(今のはすごくフランスっぽい感じね)とひとこと。
私たちはまた何事もなく授業に戻りました。
🐥(注)《Oh, putain …》について。
あまり美しい言葉ではないので、ここではあえて訳を割愛させていただきます。意味が気になる方は調べてみてくださいね。(;^_^
④《Je suis désolé(e), mais …》(ごめんなさい、でもね…)は単なる前振り
《Je suis désolé(e), mais …》を直訳すると「ごめんなさい、でも…」となりますが、この言葉を発言する人の憤り、鼻息の荒さ、語調の強さなどを顧みるに、ニュアンスとしては「あのさあ、ちょっと言わせてもらうけどぉ」に
限りなく近い気がします。😅
なので前半の《Je suis désolé(e)》は必ずしも相手に対する謝罪ではなく、「これからネガティブなことを言いますよ」という前振りですね。
このフレーズの後に、クレーム・批判などの否定的な意見が続きます。
なお、目の前にいる相手に文句を言う時だけではなく、第三者に対する批判などをする場合にも使えます。
例 : Je suis désolé, mais on ne peut pas dire que cette femme est intelligente.
「悪いけど、この女性は頭がいいとはいえないね」😒
2.謝るときに使える表現
では、フランス人はまったく謝らないのかというと、
そういうわけではありません。
もちろん、誰かにぶつかってしまったり、ミスをしてしまったり
といった場面では、よほどの頑固者ではない限り
謝ってくれるひとが大半です。
ただ、日本社会で求められるような「何事においてもとにかく腰を低く…」というような態度ではないので、それがもしかすると
「フランス人は冷たい」という印象につながるのかもしれません。
では、以下、謝るときに使える表現を見ていきましょう。
Pardon. (失礼、すみません)
Excusez-moi. (すみません)
Je suis désolé (e). (ごめんなさい)
Je suis vraiment désolé(e). (本当にごめんなさい)
Je suis navré (e). (遺憾に思います)
Toutes mes excuses. (謝罪します)
Je vous présente mes excuses. (謝罪の気持ちを表明します)
Je vous prie de m'excuser. (誠に申し訳ございません)
🐥ちなみに、一番上の《Pardon》がもっとも軽く、誰かにぶつかったときに「失礼!」というようなニュアンスで使います。
🐥《Excusez-moi.》は謝るときだけではなく、レストランで注文する際に
店員さんを呼び止めるときにも使えます。
日本語の「ちょっとすみません」に近いニュアンスですね。
🐥《Je suis désolé (e)》 (ごめんなさい)と《Je suis navré (e)》 (遺憾に思います)に関しては、男性が言う場合には最後の (e)がつかず、女性が言う場合に
は最後に(e)をつけます。発音は同じです。
3.番外編 謝らずに上手に物事を進める表現
上述の通り、フランス人にとっては「自分に非がないのに謝る」というのはもってのほかです。
ということは逆に言うと、「この場を収めるために、自分は悪くないけど
とにかく謝っておこう」という態度は(日本人にとってはサービス精神のつもりでも)、彼らからするとマイナスに映ります。
ですので、尊大になりすぎず、卑屈になりすぎず、スムーズに物事を進めるために、以下のような表現をご紹介させていただきます。😊
《Je voudrais juste confirmer … 》(ちょっと確認させていただきたいのですが) →これを枕詞につけると柔らかい印象になります。
《…, sauf erreur de ma part. 》「もし、私の間違いでなければ」
《…, sauf erreur de notre part. 》「もし、私どもの間違いでなければ」
ビジネス上でのメールのやりとりなどにおいて、相手の非を責めることなく、やんわりと何かを確認したいときに使う表現です。
例 : Malheureusement, nous n'avons pas pu confirmer votre versement, sauf erreur de notre part.
(私どもの間違いではなければ、残念ながらあなた様のお支払いを確認することが出来ませんでした。)
いかがでしたでしょうか。
また、おいおいフランス生活やフランス人の考え方あれこれなど
お伝えさせていただければと思っています。
Merci beaucoup ! 😊
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
【後日談】
この記事を書いてから数日後、スーパーマーケットに行ったところ
心なしか他の買い物客の方たちがすごく丁寧に接してくださったような気がしました。
行く方向がかぶってしまったり、列の前を横切らなくちゃいけない場面があったりすると、みなさんすごく親切に《Pardon. Allez-y.》(すみません。どうぞ)と道を譲ってくださいました。
というわけで、フランス人の方々の名誉にかけて申しますが、
大体の皆さんは、とても親切で礼儀正しいです。😊
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