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育児休暇の葛藤

開き直ることが大事だ。
これは私に言い聞かせるためにも記事を書いている。
私は今子供が2人おり、育休取得中だ。
私の会社には女性社員が少ない。
なので、結婚出産をしている女性社員の数も少ない。
なので私が1人目の出産に伴い産休・育休を取得したことにより復職後は就職説明会などで広告塔のように紹介され続けた。

この社員は産休育休を取得し現在復職しイキイキ働いてます。うちの会社では女性が働きやすい環境が整っていますよ!と。

確かにその通りだった。子供が熱発したら早退させてもらえたし、復職後も温かく迎えていただいた。

2人目を妊娠している時新型コロナウイルスが流行し始めた。妊娠8ヶ月でも当たり前のように出社し、仕事をしたが、私の仕事は一般事務。専門性は低い。全くもってその仕事は私である必要はないのだ。

周りの部署からは「まだ働いてるの?」「俺が旦那さんなら絶対働かせないけどね..」「早く休んだら?」「こんな状況で働いてるのおかしくない?」
などど引かれていた。

私自体怖かった、未知のウイルス、志村けんさんの死の報道後は尚更、まだ死にたくない..と思いながら出勤していた。

なので予定より2週間早く産休を取ることにした。その報告を上司にすると、「え?急に?まだ先でしょ?」というリアクションであった。

その時ハッと気づいた。
自分の身は自分で守るんだ。
何でこんな簡単なことにもっと早く気がつかなかったんだろう。

私はずっと上司が「少し早めに休んだら?」と声をかけてくれるのを待っていたのだ。

上司は私がこんな思いで出社していることなんて微塵も感じ取っていないんだ!

だから私が規定の2週間前まで頑張って働いても、2週間も前まで働いたではなく、2週間も前から休むという印象しか持っていないんだ。

そう感じた。

私は報告した通り2週間前から有休を消化し
、産休に入ることにした。

それから約1年、もうすぐ復職である。


そんなとき、手続きで会社を訪れると直属の上司から声をかけられた。

「子育てそんなに大変じゃないでしょ!早く復帰しなよ〜」と。

上司はきっと、復職するのを待ってるよ!という意味を含んで伝えてくれたのかもしれない。しけし私には、大変じゃないでしょ という言葉のインパクトが強く、頭をガーンと殴られたような気がした。

大変とは一体何なのだろうか..?

海外で何も分からず子育てをしている人より大変ではないだろう。

頼れる実家が近くにない人より大変ではないだろう。

悩みを相談できる友達がいない人より大変ではないだろう。

一瞬で色々な思いが巡り、私は、そうですね!と笑いながら肯定することしかできなかった。

大変ってなんだろう。分からない。
しかし、大変じゃないよね?という言葉は絶対に言ってはいけない言葉だと思った。

あなたには簡単なことも私には難しいかもしれない。
逆にあなたが難しいと思っていることは私には簡単かもしれない。

難しいと思っていることを簡単にしている人を凄い!と褒めてもいいかもしれない。
けれども簡単だと思っていることに手こずっている人を見下してはいけない。

人それぞれ感じ方やキャパが異なるのは当たり前のことで、それが視覚化できないのも当たり前のことなのだ。

その上司は育児のことがあまり分からなかったのかもしれない。
その上司の身近にいる子育て世代の方が大変そうに見えなかっただけかもしれない。
それでも、その大変じゃないでしょ?
というセリフが私にとってとても居心地が悪く、ずっと心の中で重く沈んだまま動かなくなってしまったのだ。

保育園に入れなかったらどうしよう。
予定通り復職できず延伸してしまったらどうしよう。認可外に入れて復職すべきなのか?

会社からみたら在籍だけして迷惑な存在なのかもしれない。
育休延伸するぐらいなら退職した方がいいのか..。

暗い考えに支配されたまま過ごしていた時に
女性社員の先輩からLINEが来た。
業務連絡ついでにいつから復職?と言う風に尋ねられたのだ。

私は

6月復職予定ですが、保育園に入れなかった場合は認可外に入れるか、延伸するか悩んでいます。

と返信した。

少しでも延伸したら?と賛同して欲しかったのだ。

すると思っていた通りの返事。

「私なら迷わず延伸するよ!」

心強い..。私もこの先輩みたいになりたい、そう思った。

別に育休を延ばしたっていいじゃない。
退職まで働くならあと30年以上会社に在籍するんだ。

そこ1年いないことがそんなに悪か?

制度を利用することが悪か?

後ろめたいことなんてない。
この先管理職になり女性の後輩ができたら、目一杯休みな!と言ってあげたい。

人生でこんな日はもうないんだから!

育休は迷惑かもしれない。けれども人間助け合いながら生きていかねばならない。
育児出産だけではない、もっと個人の生きる上での何かで仕事以上に優先すべきことはある。

育児してるからえらい!とは思っていない。
みんなそれぞれの家庭や生活の事情があって折り合いをつけて会社に来ている。
折り合いがつかない時は、休んだっていい。

休んでいることは悪ではない。
言い聞かせながら、保育園に入れますようにと祈る自分もいたりする。

自分の中の折り合いは、なかなかつけられない。

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