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転職の思考法② 伸びる市場を見つける方法

前回のnoteでは、転職ではマーケットバリューが大切であること、そしてそのためには「産業の生産性」を意識するのが良いと説明しました。

では、「産業の生産性」の高い業界、つまり伸びている業界はどう見分ければ良いのでしょうか。仕事がどのように誕生して消滅していくのか、そのサイクルを前提に考えていこうと思います。

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□仕事のライフサイクル

そもそも仕事は生まれて、消えるもの。

例えば、プログラミングという技術は100年前には存在しませんでした。広告代理業の仕事は、新聞や雑誌の印刷技術の発展によって生まれました。そして新聞や雑誌の発行部数が減るにつれて紙の広告代理業は消えつつあります。このように、仕事とは生まれて消えてを繰り返します。

全ての仕事には賞味期限があり、それを表したのが以下の図です。

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①が新しく、④が古いものです。
①『ニッチ』と呼ばれる「イス(雇用)の数は少ないが、替えがきかない仕事」から始まり、「イス(雇用)の数も少なく、誰でもできる仕事」となって④『消滅』していきます。

①『ニッチ』とは、誰かが最初にやり始める状態です。他に誰もやり始めてないため、替えがきかず代替可能性は低いです。しかし、やがてその仕事が儲かるとなるとどんどん同じ仕事をする人が増えていき②『スター』と呼ばれる状態になります。

こうなると仕事は汎用化されていき、プロセスは誰でも模倣できるレベルまで分解され、再現性のある形でシステム化されます。こうやって限られた人しかできなかったことが、代替可能な③『ルーティンワーク』という状態になります。すると今度は④『消滅』に向かいます。経営者は代替可能なものに人件費を割くよりも機械によって代替するからです。


□仕事のライフサイクルを自分の仕事に当てはめる

このライフサイクルを自分の仕事に当てはめて考えることで、自分の技術資産の価値を考えることができます。自分の仕事が①なら伸びていく産業、③なら落ちていく産業だと考えられます。

【ぱりかんのメモ】
印刷、デジタル業界③×法人向けソリューション営業(有形と無形)②

大事なのは、伸びている業界で働くことです。
業界を間違えれば、経験を積んでいても無効化してしまいます。逆に伸びている業界であればその価値は何倍にも膨れ上がります。例えば、2010年から5年間はスマホゲーム業界が伸びました。この時期にこの産業で働いた経験は貴重な「技術資産」になりました。

もし仮に人事責任者として新規事業を立ち上げる時、同じ技術を持っている「成長している産業の経験者」と「消滅しつつある産業の経験者」のどちらを雇いたいと思うかと言えば、後者であることは明らかです。逆に消滅しつつある産業の経験者を新たに雇いたいと思う人はほとんどいないはずです。


□強みが死ぬ前に伸びる市場にピボットする

ピボットとは、方向転換や路線を変えるという意味。キャリアの文脈で言えば、自分の強みに軸足を残しながら、もう片足を今後強くなる部分に少しずつずらしていくという考えです。

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【ぱりかんのメモ】
③『印刷、デジタル業界』の賞味期限が切れる前に、①『伸びていく業界』に移行していき②『法人ソリューション営業』と組み合わせる。

人は乗っている船が危ないとなったら、逆に動こうとしなくなります。この会社にしがみつきたいと考えるようになります。そうならないための方法がピボット方キャリアです。


□伸びるマーケットを見つける2つの方法

伸びる業界を見つける方法論は2つあります。

①複数のベンチャーが参入して、各社が伸びているサービスに注目する。
②既存業界の非効率を突くロジックに着目する。

それぞれの理由を説明します。

①複数のベンチャーが参入して、各社が伸びているサービスに注目する。

強いベンチャー企業の戦い方は大方決まっており、世の中の流れに乗ることです。資本や人数で勝てないからこそ、世の中の流れを味方にして勝つというのが定石です。伸びるマーケットには、いずれ大企業の競合となるような急成長中のベンチャーが複数います。

具体的には、検索サイトで『〇〇業界 ベンチャー』と調べてみる。出てきた企業をかたっぱしから調べて、「設立年度が若い」「投資が集まっている」と分かればそれは『伸びているマーケットに人と金が群がっている証拠』であることが多いです。


②既存業界の非効率を突くロジックに着目する。

成長する会社は、創業の時から独自のロジックを持っていて、伸びるサービスは、業界の非効率を必ず突いてきます。

業界が30年以上続いていて、その業界の中に非効率があり、全く違うアプローチで攻めている事業を持つ会社。そのロジックさえ正しければ、遅かれ早かれその企業は成長します。

例えば、教育は30年以上前からほとんど変わっていません。インターネットが普及している中でも『毎年同じ授業をする教師がいる』というのは明らかな非効率です。

価値のあるものと価値のないものは長い目で見ると逆転することが多々あります。若い頃に馬鹿にされてきたが、それでも価値のあることをやり続けた人間はいずれ輝き出します。一方で若い頃にすごいと呼ばれていた人間ほど、良い会社に入り楽しそうにするが、いずれは会社の愚痴ばかり語るようになります。

本当のダイヤモンドは、周りは馬鹿にするが、理屈から考えると正しいことにこそ眠っているんです。


▼まとめると

そもそも仕事は誕生しては消滅するもの。
だから誕生してこれから伸びるマーケットに足を移していくことがポイントであり、そのための考え方が「ピボット型キャリア」です。

伸びるマーケットを見つける方法は2つあります。

①複数のベンチャーが参入して、各社が伸びているサービスに注目する。
②既存業界の非効率を突くロジックに着目する。


では、伸びる市場を見つけたとして、その中からベストな会社をどのように見つけていけば良いのでしょうか?

次回のnoteでそこを深掘りしていきます。




▼資料引用的


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