教育の限界?:論理的思考について
子供の時の思い込み・勘違い
信州大学・菊池聡(きくちさとる)教授が大学1年生を対象に行った、子供の時の勘違いや誤った思い込みに関するアンケート調査(RikaTan2017年10月号、SAMA企画)。
「レタスは千切りにするとキャベツになると思っていた」
「『アルプス一万尺こやりの上で‥』を『‥子ヤギの上で‥』と思っていた」
「高校生になったら彼女が自然にできると思っていた」
「タヌキは架空の動物だと思っていた」
「血液型で性格が分かると思っていた」
などなど
個人的に一番ウケたのは、「駅中の売店の人は、電車の中で切符をなくし、一生出られなくなった人だと思っていた」。
本当にそんな風に思えるのか?
あなたも1つや2つ思い出すのでは?子供時代の勘違い。
私の大学院時代の地方出身の友人は、東京はどこでも新宿みたいに高層ビルだらけ、と思っていたそうです。
私にももちろんありますよ。
上の例に出ているアルプス一万尺の歌の奴、私もそうでした。
カニカマが本物の蟹だと、高校生くらいまで思っていました(アホ過ぎる(笑))。
こういった子供時代の勘違いは単に内発的な妄想によるものではなく、その多くが子供なりの日常体験の中で形成されるものです。
幼少期、私は虫歯菌とかいわゆるバイ菌は、槍を持った小さい小人みたいなやつだと思っていました。
これは5歳のころの私の絵
‥ウソです。さっき描きました(涙)。
多分これは当時の歯磨きのTVコマーシャルの影響でしょう。
科学教育では解決できない「我流の世界観」
こういった子供ならではの誤った世界観は、大人へと成長する中で学校教育や思考の成熟を経て変化し、論理的思考や科学的世界観に修正されていくかというと、一概にそうとも言えません。
冒頭のアンケートの例でも挙がっている血液型性格判断、これ大人でも信じている人大勢いますよね。
オカルトや疑似科学にのめり込んでいる大人なんて、本当に大勢います。
中には大学教授や博士号持っているような人も(なぜか工学博士が多いような気がするのは気のせい?)。
例えば2020年2月、コロナ禍が始まったばかりのころ、5Gの携帯電波がコロナのヒゲ(Sタンパクのこと)に「共鳴」し、コロナを活性化しているなどと、一般向け講演で堂々とデマを吹聴する元大学教授がいました。
「天の扉開き」はタイの洞窟で僧侶がマントラを唱えると、天井部分に火花が散りその部分から宝石や仏像の形をした物体が降り注ぐ、という現象(検索して見てください)。
「小規模なビッグバンがそこで起こっている」との能力者の解説をそのまま信奉し熱心に説く工学博士がいます。
特殊相対論の知識として、エネルギーと質量の等価性というのが広く知られています。
一都市を壊滅させた広島型原爆のあのエネルギーは0.7グラムの質量の変換で生じました。
我々の感覚的には、わずかな量の質量が莫大なエネルギーに相当するわけです。
洞窟の天井から次々に舞い落ちる宝石やら金属の塊やら、私も見せてもらいましたが相当な質量があります。
どれだけのエネルギーが変換されたというのでしょうか。
原爆の何千何万倍ものエネルギーはどこから供給されたのか?
なぜその博士氏はそこに疑問を抱かないのでしょうか?
太陽表面の温度が摂氏26度などとのたまう(これまた)工学博士もいます。
論理的科学的思考は後天的に養われるものですが、勉強したからと言って身につくとは限らない。
それを求める独自の努力が必要なのかも。
だとすると、そもそもその重要性を認識し追い求める姿勢が生じない人は、疑似科学信奉予備軍の資格十分、と言えるのかも知れません。
○Kindle本
「再会 -最新物理学説で読み解く『あの世』の科学」
https://www.amazon.co.jp/dp/B0973XR53P
○ブログ“Beyond Visibility”
不思議現象を「根拠をもって」科学する
科学は、ホンモノこそが面白い
https://parasitefermion.com/blog/
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