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パラリアの二次会 第22夜 これまでとこれからの「日本社会のしくみ」 の解説



おはようございます。パラリアの二次会の解説も、いよいよ22回目です。

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【内容の解説】

 今回は、小熊英二(用語解説参照)の著作、『日本社会のしくみ』について、話を進めています。
 この本の中では、現代日本の雇用状況は、3種類に分けられると言われています。
①大企業型は、大都市近郊に住むサラリーマンで、収入はそれなりに多いものの、子供の教育にお金をかけたり何なりとおかなげかかります。
②地元型は、地元での密なネットワークがあり、近隣住民や親戚との助け合いが見られます。収入は少ないですが、支出も少ないです。また、家業を子供に引き継げますし、生活にかかる費用も少ないです。
③残余型は、大企業型でも地元型でもない人々で、例えば非正規雇用の労働者などはここに入ります。収入も高くないし、人間関係もない、謂わば悪いとこどりです。

 平成で日本型雇用(一括採用、年功序列、終身雇用)が終わったとはいえ、大企業型は減っていません。減ったのは地元型で、その分非正規雇用(残余型)が増えています。大企業型は、システムとしては破綻していますが、こうした非正規労働者から賃金をピンハネすることで延命しています。

 こうした流れの中、高卒では就職できなくなるので、大学進学率が上がります。しかし、結局あぶれることになり、非正規労働者の増加につながっています。

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【用語の解説】

1分ごろ「小熊英二の『日本社会のしくみ』」
歴史社会学者。『単一民族国家の起源』『民主と愛国』など、分厚い本を何冊も書いている。最近では、東大全共闘と三島由紀夫の討論を題材とした映画に登場し、(評価は分かれるが)コメントを残していた。

1分ごろ「野原ひろし」
漫画・アニメ「クレヨンしんちゃん」の登場人物で、主人公のしんちゃんの父。平成の核家族の典型的なサラリーマンといったキャラクター。

17分ごろ「ガーファ」
GAFA。IT 系の巨大独占企業の総称で、グーグルGoogle、アマゾンAmazon、フェイスブックFacebook、アップルAppleの頭文字をとったもの。

22分ごろ「斜陽」
沈みかけているころの太陽のこと。転じて、没落、衰退を意味する。

28分ごろ「レンズ磨き」「王様に養ってもらう」
レンズ磨きは、17世紀の哲学者スピノザの職業。同じく17世紀の哲学者でいえば、デカルトは王宮に仕えていたこともあり、ホッブズは貴族の家で住み込みの家庭教師をやっていた。この頃の哲学者は、必ずしも大学に勤めていたわけではない。

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以上になります。次回もよろしくお願いします。

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