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パラリアの3次会 第11夜

おはようございます。パラリアの二次会、第11夜の解説記事です。

音声はこちらで聞けます。

なお、「パラリアの二次会」マガジンで更新の順序がずれていますが、「三次会」の方は正規の順番で進めていくつもりです。

【内容の紹介】

今回は、投資家の瀧本哲史氏(リンクは今回の話と関連するインタヴューです)が亡くなったとの報を受けて、彼の仕事から教育を検討します。
彼は、コモディティ化(取り替えが効く様になってしまうこと)を回避せよと主張しています。他の人と取り替えが効いてしまうと、安く買い叩かれ、低賃金に甘んじることになってしまいます。
このように、取り替えが効く=個性がないということは、価値がないということになってしまいます。そこで彼は、オリジナリティの発見や、売れてないジャンルないし落ち目の業界に入ることなどを勧めています。
このような主張は教育であるとともに学生に危機感を煽ること(扇動)にもなっています。そのため、教育・扇動・投資の三位一体が彼の特質だったのでは、という話がなされています。

後半はディヴェートの功罪について語っています。強制的に学ぶことになったり、資料収集をしたりと教育効果はありますが、議論そのものの面白さが、勝つこと=論破することの楽しさにすり替えられているという問題もあります。また、議論の内容よりも手段に焦点が当たるので、技術を磨き上げることに焦点が当たることになります。


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【用語の解説】

4分ごろ「自主ゼミ」
学生による自主運営のゼミで、学生自ら講師を招いて行う。大学側に申請すれば単位がもらえる場合もある。学生の自主性を象徴する制度であり、(瀧本ゼミもその一つであろうが)現場に携わる講師による個性的なゼミが開講されている一方、(肩書きに「東京大学講師」を加えるためか何なのか)うさんくさい政治家や評論家崩れが信者の学生を利用して自主ゼミを開講させることもあり、問題視されてもいる。

6分ごろ「野矢先生」
分析哲学を専門とし、一般読者向けの論理(学)の書籍を多く出している哲学研究者。今は立正大学の教授だが、2年前まで東大教養学部の教授だった。現代文や課題図書などで高校生にもお馴染みになっているからか、東大1,2年生向けの講義は、文系向けの「記号論理学」(しかも1限)というあまり人気がなさそうな科目にもかかわらず、非常に人気があった。


9分ごろ「オワコン」
「終わったコンテンツ」の略。流行が過ぎ去った物や人を揶揄する言葉。


9分ごろ「ブルーオーシャン」

競争相手がいない(少ない)分野・領域のこと。自分以外に誰もいない青い大海原が眼前に開かれている、というイメージか。対義語(=競争の激しい分野)はレッドオーシャンらしい。こちらは血のイメージ(血で血を洗う争い!)らしい。

13分ごろ「エンジェル投資家」
起業を始めたいが資金もノウハウもない人に対し、主に新しくできた会社の株と引き換えに、資金や知識を提供する投資家のこと。名前の由来は、ハリウッドの映画業界で、事業を支援する人のことを「エンジェル」と呼んでいたことらしい。

17分ごろ「見田宗介」
日本を代表する社会学者で、東大教養学部の元教授。真木悠介も彼と同一人物。詩的な文体と独特の視点が魅力的。
「ロジスティック曲線」を現代社会の分析に用いており、現代は急成長が終わった後の時代(下の図でいうと、t=7くらいの、100に差しかかりつつあるころ)であり、さらなる成長を目指すか、低成長(100を維持する)か、はたまた転落するかの分岐点にあるという。音声で言われる「高原」とは、グラフが高い状態で横ばいになること(100を維持すること)。

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40分ごろ「功利主義」「最大多数の最大幸福」
行為の良し悪しを判断するのに、その結果がどれくらい多くの幸福をもたらしたかで評価する考え方。平等(一人を一人以上に数えない)というのも特徴。「功利」というと印象が悪いので、「大福主義」という訳語を提案している人もいる。
音声で問題点として指摘されていたのは、評価の基準となる幸福が何を指すのか(快楽なのか、目標の達成なのか、など)、またその計算をどの様に行うのかについて合意がない、という点だったように思える。このあたりは色々議論があるので、関心がある方はまずこちらをご覧になるといいと思います。


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今回は以上になります。次回もよろしくお願いします。


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