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カレー屋さん日記。#4 〜卒業式の次の日〜
”春から大学生”が現実味を帯びてきました。どうもコーシです。
私はとうとう卒業してしまった。
明日目覚めてしまったらおそらく私はその事実を再確認し、とんでもなく絶望するのだろうな、と考え眠りについた私は卒業式の翌日、予想をはるかに上回る絶望感とともに目を覚ました。重い、体が重すぎる。
昨日、友人と別れたあの瞬間から思い出のフラッシュバックが止まらない。思い出し笑いが止まらず、ただの変質者のようである。
このような”区切り”はたった18年の人生の中でも幾度となく経験してきた。十九を幼稚園、小中学校の卒業、野球チームからの引退など。もちろんいずれの区切りにも別れを惜しむ悲しみがあった。しかしどこかスッキリした気持ちがあり、区切りを超えた先の足取りは軽かった。
今回は重たすぎる。もうあの教室に入れないのだ。もうあの先生には会えないのだ。もうあの友人たちと過ごした空気感は味わえないのだ。スッキリした気持ちなど本当に僅かである。
まってやばくね。
あまりにも絶望がすぎる。このままではいけない。このままだと「春から大学生☆」なんてどころではない。
どうにかして立ち直らなくてはならない。切り替えなければならない。
インスタのストーリーに目をやると、同級生たちは髪を染めたり、バイトの面接に行ったり、大学に向けた準備を本格化させたりしている。
ここで置いていかれるわけにもいかない。何か私にもないか。とりあえず執筆を始めるか。アートを描くか。いや後々のことを考えて英単語を一旦総復習するべきか。いやとりあえず、音楽でも流して気分を落ち着かせるが吉か。いや本屋さんに行って好きな時間を堪能する方が気紛らわしになるのではないか。やっぱり筋トレをして汗を流してっ、、、、。
腹が、、減ったなぁ、、、。
落ち着いて考えてみよう。私にはカレーがある。私に今必要なのはガソリンである。3年間、割と常に走り続けてきた私はもうガス欠状態なのだ。
ここで一発。インドカレー屋さんというガソリンスタンドに向かおうではないか。話はそこからである。
そんなこんなで今回私が訪れたのは「インド・ネパール創作料理 スリスティ」である。
私自身は2度目の来店である。
注文したのはバターチキンカレーとチーズナン。それとチキンティッカとシークカバブを追加した。辛さは少ないものにした。今の私に刺激は酷である。
注文してもしばらく、私の心は穏やかではなかった。しかしもう仕方がない。このインドカレーを平らげたら必ず、次のステップを踏み出そう。これは決意と勇気のインドカレーだ。もはや”最後の晩餐”である。
![](https://assets.st-note.com/img/1677801590347-l5Ufx6UgiC.jpg?width=800)
チキンティッカにかぶりつく。柔らかい。味付けが優しく、チキンそのものの風味が私を襲う。
クラスメートは本当に優しかった。
一瞬でチキンティッカを平らげた私はチーズナンをちぎり、バターチキンカレーにかぶりついた。甘い、しかしその奥にはスパイスをしっかりと感じる。”刺激”という言葉を使うと辛さが思い浮かぶが、甘くても刺激がある。甘口カレーの気分の時には最高の逸品である。
クラスメートは本当に刺激的な人物ばかりであった。彼ら彼女らから受けた影響は計り知れない。
おっとシークカバブを忘れていた。ガブリとかぶりつ、、、。うまっ!!えなにこれうまい!!シークカバブがこんなに美味い店は初めてです!!ええええ。
ちょっとこれは普通に感動している。本当にクラスメートには申し訳ないのだが、一瞬だけ卒業の悲しみを超えた。
私は食べた。瞼の裏に映るクラスメートとの思い出をスパイスと共に噛み締めながら。
みんな、3年間本当にありがとう。どうか元気でいてください。
完食。
私の気分は晴れやかである。楽しい思い出は楽しいままでいてもらおう。
本屋さんにでも行きますか。
コーシ しそとツナ缶。
Instagram @kohhhhhshi.f (アート投稿中!)
Twitter @kohhhhhshi_f
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