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本とエッセイ

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私が読んだ本の紹介を私なりにさせていただきます。本を知るきっかけになれば何よりです。
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演じている。自分が見ている。#本とエッセイ『舞台』

そろそろ気合いを入れ直しときましょう。 どうも、コーシです。 ”10代の頃”と言う言葉を使えるようになったので、使ってみる。 10代の頃、というか思春期の頃、自分の声がとても嫌いだった。それは声質や、声の高さではない。自分の声の変幻自在さが嫌いだった。 特に声変わりをしてきた時はとても聴いていられなかった。 家族といる時は、少し高い声が出る。 友人といる時の声は、まぁうるさく無い程度の声。 先生と話す時は、ちょっと透き通ったような声。 好きな人や気になっている人と話す時

【祝】過去、やっと現在を救う。

 こんなの初めて!!  どうも、コーシです。  その三日間、私は信じられないくらいネガティブだった。結構危ないんじゃないの、ってレベルで人生を見失っていた。  厄介なのが原因があるわけでは無い、ということ。心の中で常に一人で会話をしている私は、ふとした気づきや思い出したことに心をえぐられることがある。ゆえに明確なきっかけはわからない。  気がついたら頭の中のトークテーマが”人生”になっていた。何が楽しいのか、いつ満足するのか、いつ大人らしくなるのか、何が目的なのか。  

努力とか、運とか、綺麗事とか。#読書感想エッセイ『運転者』

 毎度のこと、ネタバレはないです。  どうも、コーシです。  さぁ!本を読もう!  春休みに入って開口一番である。読みたい本が溜まりに溜まっていた。  私の場合、本も映画も大っ好きなんだけど、心の余裕が必要なのだ。疲れていると、物語が自分の世界とあまりにも乖離してしまって、感情が全く動かなくなってしまう。  ようやくその余裕ができた。  手始めに、失礼ながら気軽に読めそうだなと思った本から手をつけることに決めた。しかしこの男、次の日の夜にはその本を片手に号泣することと

人生があるって怖いね。(読書感想エッセイ『ケインとアベル』)

 通勤ラッシュという困難に直面しつつあります。どうも、コーシです。   先日、twitterを意味も無く眺めていると、とあるツイートが私の目に飛び込んできた。一語一句を記憶してはいないが、こんな内容である。  ”すれ違った人やTLのツイートの投稿者とか全員に人生があるの怖すぎる。”  間違いない。私は改めてこの事実を確認し、この投稿者と同じく恐怖を感じた。  私が通っていた高校の私が通っていたコースは特徴的な教育理念を抱いており、その内容は一言では表し難い。うまくまと

多様性という言葉の重み 〜読書感想文#1〜

 若干だけど、活字病な節があります。こんばんはしそツナです。  『正欲』朝井リョウ著 を読みました。  実は完読してから少し時間が経っているのですが、読み終えてから未だかつて無い余韻に浸ってしまい、自分の感情を言語化するのに時間がかかってしまいました。というより言語化できていない。  というよりこの作品で得た感情を言語化することが、人にわざわざ共有しようとすることが自分にとってナンセンスな気がしてきた。うん。  ただまず初めに思ったこと。私は、この本が世に出されること