ウクライナのトランスジェンダー ①ロシア侵攻下で、同じウクライナ人にジェンダーを否定される人権問題。
ウクライナは、ロシアやギリシアなどと同様に、キリスト教の東方正教会が主流の国です。
トランスジェンダー(ないしGID性同一性障害)の人々の、医療へのアクセス、法的な立場は、どうなっているのでしょうか。
その前に、ロシア侵攻下のトランスジェンダーの記事の紹介です。
1.Trans People Stranded and Alone in Ukraine Following Russia’s Invasion www.vice.com
トランスジェンダー女性ですが、身分証明証に「男」と書かれ「男性の名前(出生時につけられた名前)」が記載されているため、ウクライナを離れることができないという話。
数百人のトランスジェンダー女性が、「男性として」ウクライナ軍に加わることを余儀なくされることを恐れているということです。
というのも、ウクライナ当局が「18〜60歳の男性」の出国を阻止しているためです。
また、慣れない地に行って、トランスフォビアに遭遇することを恐れているということです。ポーランドやハンガリーやルーマニアに行ったとしても、トランスフォビアがされる可能性を恐れているというわけですね。
ウクライナでは決まったプロセスをとれば、望みの性別の法的地位を得られます。
ただ、「自身のジェンダーを証明するために精神的および肉体的検査を行い、精神病院に数か月滞在しなければならない」ということで、性別変更手続きを取らない人が多いよう、と書かれています。はたして、「数か月の滞在」とは⋯。
(が、これは後述の2013年の記事に依拠しています。古い情報に基づいて書かれた記事かもしれないということです。2017年には入院要件が無くなったというような情報もあります。ときにはこのようなファクトチェックも必要ですね汗。もっとも、実際の運用上は、2013年の頃から変わっていない、ということが考えられますが⋯法治国家じゃないですね。。)
2.‘I will not be held prisoner’: the trans women turned back at Ukraine’s borders www.theguardian.com
ウクライナの国境警備隊が、トランスジェンダー女性の髪や体を触ったりしていることが書かれています。恐怖ですね。。法的な性別を女性に変更した人であっても、ということです。
想像ですが、喉仏なり、声なりで、リードされてしまったとき、このようなことが起きているのでしょう。怒りがわきますね。当然、このようなことは日本のメディアでは報道されません。
また、医薬品の不足や薬局の閉鎖で、性ホルモンが摂取できなくなっているといいます。
3.ウクライナでの法定性別の変更プロセスについて
別の記事にまとめたいと思います。
「1,2か月、精神病院で観察される」は狂気ですね。。
そんなのあれば、私も乗り越えられるか自信がありません。それこそ、精神病になってしまいそうです。
が、これは2013年記事の情報です。
2017年の記事では、そのような「入院・観察」は必要なくなったというようなことも書いてあります。
これはまたの機会に。
4.最後に
ウクライナ、早々にロシア軍が撤退することを願っています。
しかし、トランスジェンダー女性に対し、「お前は男だからウクライナのために兵士として戦え」というのはカ、許されざるべきことと考えます。
タイの徴兵で「カトゥーイは軍隊に入れませーん」とやってるのすら、まだマシに思えます。(本当は、それも国家によるアウティングです。)
ロシアは国を挙げてトランスフォビアです。それが目の前に迫っていても、「身内」のはずのウクライナ人たちに存在を否定されてしまうという現実。
絶望ですね。
自分が同様の立場に置かれたらと思うと、胸が張裂けそうです。
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