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小説

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ノスタルジックな小説(短編) を不定期に少しずつ書いていこうと思います。 よんだあとに寂しさ(余韻)が残るようなものが多いですが、 短文をかさねているので読みやすいです。 よけれ… もっと読む
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記事一覧

東京

美恵子は東京駅にいた。ミドリと会うためだ。美恵子が大阪で一人暮らしを していた頃、ロック…

koucha
7か月前
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(小説)夏の思い出(第三話)

第三話 句会 「月橋さん、武佐波さん、天密さん・・・」よばれた人から、選句を言わな けれ…

koucha
9か月前
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小説 夏の思い出(第四話)

第四話 鬱の方向性 二週間が経つ頃、美恵子が詠んだ俳句を先生が理解していないことがあっ …

koucha
9か月前
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夏の思い出(第五話)

HEART BEAT 今日も佐野元春のハートビートが流れている。 美恵子は自分の就職先を…

koucha
8か月前
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(小説)夏の思い出(第一話)

指輪の内側を眺める。くすんだプラチナの銀色に、砂埃にかすんだ景色が映る。 第一話 大…

koucha
9か月前
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(小説)夏の思い出(第二話)

第二話 壁のなか みしみしと足音がする。暗い教室の中、ワックスの塗られた古い濃い茶色の …

koucha
9か月前
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(小説)白鶏の喉

#創作大賞2023 第一話 デパートの上にすんでいた。 専門店が多く入る昔ながらのデパート、その上に賃貸の室が三階と四階にあったのだった。二階には広い駐車場と専門店の十件ほどの倉庫、それから書道教室、理髪店も入っている。 見晴らしのよいといえばよい四階に、私たち家族はすんでいた。前には、当時人気を博した総合団地が遠くまで続いていた。ベランダは、団地の方向へ向いていたのではなく、小さな住宅が奥側の山まで続いている、ありふれたおだやかな景色の方に向いてくれていた。ベランダか

(小説)擂鉢

#創作大賞2023 美恵子は誕生日に小さなセキセイインコの雛を手に入れた。可愛がったそのイン…

koucha
1年前
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