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春のあはれ

ひさかたの 光のどけき 春の日に 
しづ心なく 花の散るらむ

紀友則

こんなに日の光がのどかに射している春の日に、なぜ桜の花は落ち着かなげに散っているのだろうか。

桜の季節になるとよく頭に浮かびます。

青空と美しい桜色、世の中は人々の笑顔と喜びの空気に溢れ、なんだか浮き足立っている。

でも自分の心の中では、美しさを喜ぶ思いとともに、散っていく花びらのように一筋の哀しみがハラハラと舞っている。

美しく煌めく季節だからこそ、心の中に舞い散る虚しさや哀しみが際立つのは、きっとあなただけじゃない。

そしてその哀しさこそが、儚い桜の美しさなのだから。


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