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わたしの朝ごはんのラピュタパン

実家にいたころ平日の毎日の朝ごはんは、あの、ラピュタパンを食べていた。トーストに目玉焼きを乗せたものだ。映画の中では先に目玉焼きを食べてからトーストを食べていたが、わたしはトーストと目玉焼きを一緒に食べる。結構コツがいる。

昔はよく失敗して黄身をぼたぼたこぼしたり、目玉焼きをそのまま制服のスカートに落としたりしていた。いまはかなりうまく食べられる。黄身は最後まで傷つけないようにして、最後に溢さないよう丁寧に食べるのだ。ほどよい半熟具合に焼くことも大切だ。

付き合っていた人に朝ごはんで作ったりすると、別々の方が食べやすい、と言われたりしたものだったが、わたしからしたらトーストと目玉焼きは、このスタイルしかありえないのだ。時にマヨネーズで土手を作ったり、豪華にハムやベーコンを乗せたりする。この豪華バージョンは、より食べづらいので、注意することだ。

今でも、毎日ではないがよく食べている。うちで目玉焼きを焼くのに使ってるフライパンには、蓋がない。蓋があれば、早く作ることができる。いちばんおいしい作り方は、弱火で蓋をせずにじっくり焼くことらしい。そのほうが白身がぷるぷるで、見た目もおいしそうに焼けるそうだ。蓋をすると、黄身の表面が白くなってしまい、見た目に損なのだ。

目玉焼きには、両面焼きというものも存在する。おばあちゃんの家に行った時、作ってくれた目玉焼きは両面焼きだった。いつも焼いてる目玉焼きを、お好み焼きのようにひっくり返して表側も焼くのだ。自分の母が両面焼きを作ってくれたことがなかったので、かなり衝撃だった。両面焼きだと、蓋をしたとき以上に黄身のところが真っ白で分厚くなってしまうのだ。小さい頃のわたしは、これを目玉焼きとはちょっと納得ができなかった。

ところが、最近家で目玉焼きを作っていた時に、ふと両面焼いてみようかな、と思った。理由はひとつ、さっさと焼いてしまいたかったからである。黄身は半熟が好きなのだけど、白身より火が通るのが遅く、じーっと待つのに飽きてしまったのだ。裏返して、両面焼いてみた。早くて、いいな。両面にしっかり火が通るのでぷるぷるというより、ぷりぷりという感じだ。

ちょっと早く焼けてしまったトーストにぷりぷりの両面焼きの目玉焼きを乗せて、ラピュタパンの完成である。


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