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漁師さんとの宴と、幸福な二日酔い。

こんばんは。徳島の小さな港町・美波町から「旅するフリーランス」を目指して、ライターやイラストレーターをしているかいりかこです。

今日のテーマは「二日酔い」
久しぶりに二日酔いになるまで楽しんだんですけど、漁師のおじさんたちと飲むお酒や町の小さなスナックでの時間が、わたしの人生でけっこう大事なことなんだろうなと思うんですって話。

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今日は久しぶりに二日酔いday しかも布団じゃなく畳でそのまま寝ちゃっていたからちょっとはしたない。

身体はガチガチ、頭はガンガン。「久しぶりにやりこったーしぃ(散々やちゃったな)やなー」と思いながらも、気持ちは軽くてぽっと暖かい。あー、昨日がとっても楽しかったのねわたし、と再認識する。

昨夜は漁師のおじさんたちと飲み会。

会社としても個人的にもとってもお世話になっているおじさんたちで、町にサテライトオフィスを開設する時や移住する時に、いつも親身になって町や地域の人たちとの橋渡し役をやってくれる、いわば地域の「キーパーソン」。

昨日は東京オフィス配属で入社した社員が本社で研修がてら美波に滞在していたので、「ご挨拶」と称した宴をおじさんたちの集会場で開いたもらった。

漁師のおじさんが用意してくれたサザエにアワビは何度食べても絶品だし、テンポの良い掛け合いと冗談で笑い声と一緒に酒が進んで進んでして、それは楽しい夜だった。

おじさんたちは、漁師や船大工、ゴミ回収業や町の議員さんなど、いくつもの仕事と顔を持っている。さらに「誰かがやらなしゃあないやろ」と言って、草刈りや祭りの準びなど地域の仕事もしっかりこなしている。

いつも忙しく働いて動き回っているおじさんたちを、わたしが心から尊敬している理由は、「それでもしっかり遊んでいる」ということ。

仕事の合間や時間があれば、飲む
暇があれば、釣り
波があれば、サーフィン
大好きなB’zのコンサートは欠かさず大阪まで行くし
どこかが潰れたら大変だと言って何軒も平等に梯子する。
もちろん孫の野球の応援も欠かさない。

いつも、毎日、しっかり生きてるだなって、おじさんたちを見ていて思う。
そしてその生き様がいかにかっこいいか、おじさんたちは知らないし、意識もしてないんだろうなと。

かっこいいからやるのではなく、結果的にかっこよくなってしまった。

そんなおじさんたちとお酒を飲んでいて、楽しくないわけがないでしょう?

昔の女の笑える失敗談、仕事の苦労話、家族とのこと、地域のこと、いろんなことの「経験談」を話してくれるおじさんたちの話はいつもどんな話でも興味深く面白く何かしらの示唆をわたしに与えてくれる。


「好きなことをやったらええねん」


先週末の草刈り中にチェーンソーで腕を何針も縫うケガをして救急車で運ばれたおじさんは、医者に止められてる酒を「薄い水割りにすれば大丈夫」と言ってグビグビ飲みながらそう言う。

自分で会社を起こして従業員を雇って事業を何個もつくって「家族と従業員を養わなあかん」と思い続けながら毎日仕事に遊びに全力でやってきたおじさん。

まさに好きなことをとことんやってきた人の代表のようなその人が発する言葉は、単純だからこそ刺さるし響く。そしてそれがわたしの血となり肉となっていく。そんな感覚がとっても嬉しいのだ

自分は自分の人生しか生きられないし、一度きりだからこそ全てが新しいことで全てが挑戦なわけで、そんな生きることに関して、ちょっと先を行く経験者の話は、わたしの人生でけっこう重要な道標になっている。そんなことを昨日改めて感じた。


集会所での宴が終わった後は町の中に移動して、スナックでカラオケ。地域のおじさんや移住者の若者たちが集まってごちゃ混ぜになって一緒に歌いながら、ママがつくる濃いめのハイボールをひっかける。

平日だけど、二次会は深夜まで続いた。


今日出社したら、みんな顔がパンパンで「大丈夫?」「いけた?」と声を掛け合う。なんだか共に試合を戦ったチームメイトみたいな、清々しさと一体感があってちょっと笑ってしまう。

二日酔いでも幸せな朝って、人生でどれくらいあるんだろう。

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