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【"パパの育児参加状況" 実態調査】育児に参加したいパパ97%!男性版産休・半育休を希望する声7割を超える。

一方、「周囲の環境」「育児スキル」「知識」の課題など、立ちはだかる「3つの壁」も浮き彫りに。

「男性版産休・育休応援プロジェクト」は、株式会社 明治と共同で、2021年6月20日父の日を前に、全国の0歳児(0~1歳未満)の子どもを持つパパ590名を対象に、育休取得への意思、育児参加への意識や、実際にどのような家事、育児に参加しているかなど、現代パパの育児意識や育児参加状況を実態調査しました。

男性の育休取得率が伸び悩む中、2021年6月3日に改正育児・介護休業法が成立し、男性が産休・育休を取得しやすくなる施策が導入されることとなりました。一方で、主に平日昼間に開催される行政主体の情報発信や支援サービスだけでは、育児中の男性へ専門的な情報を届けることが難しく、いわゆる「とるだけ育休※」とならないために、経験や知識の面でサポートの必要性が指摘されています。

そこで、全国の0歳児パパの育児意識や育児参加状況を明らかにすることにより、現代のパパが抱える課題や積極的に育児参加できる社会づくりを考える目的で調査を行いました。

当プロジェクトは、これまで産前・産後のパパママへ、オンラインを活用し「両親学級」や「育児相談」等、情報発信を行ってきた団体が集まり発足しました。

※取るだけ育休…ママ向けアプリ「mamari」を運営するコネヒト株式会社が男性育休支援を目的に実態を提起した言葉。

調査結果のポイント 今どきパパは育児に積極的!も、存在する「3つの壁」

1.「育児への参加意向」「実際の関与度」はともに高い一方、職場など「環境の壁」に課題も

  • 64.1%のパパが「育児に積極的に関わりたい」と回答。「できる限り関わりたい」を合わせると97.0%が育児に積極的。育児関与の現状については、57.5%が「希望通り」、21.7%が「希望以上」。

  • 「父親が育児に積極的にかかわる上で何が必要か」の回答をテキストマイニング※で分析したところ「妻」「愛情」「育休」他、あたたかい言葉が数多く挙がった。

  • 一方、希望通りでないパパの理由TOP3はすべて仕事や職場環境によるものとなった。

  • 法改正後、もし次に赤ちゃんが生まれた場合、74.6%が「育休や半育休を取得したい」と回答。環境の壁を乗り越えるための選択肢として、育休中も緩やかに職場や仕事とつながることができる半育休に期待。

2.マニュアルがない作業は苦手!?「スキルの壁」が明らかに

  • 「遊び相手(93.4%)」「オムツ交換(89.7%)」「お風呂に入れる(86.1%)」はほとんどのパパが経験

  • 難しい・難しそうな育児トップ3は「夜泣き対応」「寝かしつけ」「離乳食の準備・支度」などスキルが必要な内容に。手順がマニュアル化されていない、必ず成功するとは限らない育児行動に対する苦手意識が「スキルの壁」として立ちはだかっている様子がうかがえる。

3.パパの育児情報源はほとんどが身内!「知識の壁」

  • 育児のための情報源は、「妻の意見(89.5%)」、次いで「両親・親族の意見(57.8%)」。Googleなどの「ネット検索(53.9%)」を上回る結果に。

  • もっと知りたい情報は「けが、発熱の応急処置(55.8%)」「栄養の知識(52.2%)」などの専門知識のほか苦戦している「寝かしつけ(48.0%)」専門性の高い知識が得られる「医師や助産師など専門家のアドバイス(26.6%)」「地域子育て支援センター(15.4%)」「産院・自治体の両親学級、父親学級(8.5%)」はあまり活用されていない。

【調査概要】
調査対象:全国の0歳児育児中の 25 歳~39 歳の男性
有効回答数:590人
調査方法:インターネット調査
実施時期:2021 年 6 月 4 日~6 月 10 日

※テキストマイニング…大量の文章データを定量的・定性的に分析・可視化するAI分析ツール

特定非営利法人 育児サポートdouce.代表助産師 難波直子氏のコメント

特定非営利法人 育児サポートdouce.では、父親にフォーカスした両親学級を開催しています。
近年、妊娠・出産後も仕事を続ける母親は増加しており、加えて育児、家事をこなさなければならない状況は身体的、精神的な負担が大きく、父親の家庭進出がより重要になってきています。

特に産後2カ月までの母親は、産後うつに代表されるように心身の危機的な状況にあるため、父親は家事を含めた育児期の生活を知る上でも育休を検討するなどして、母親をサポートすることが望まれます。

その一方で、従来型の両親学級では平日開催、内容も母親向けのため男性が主体的に参加しづらく、男性が妊娠や育児について学ぶ場がかなり限られているのが現状です。

さらにCOVID-19の感染拡大によって両親学級自体が軒並み中止になってしまったため、正確な情報がないまま育児に突入する父親・母親の不安が当法人にも多く寄せられました。育児期初期の父親から母親へのサポートは、その後の家族関係や第2子への希望にも影響します。両親学級の内容を見直し、父親も共に出産や育児を学ぶ体制作りが必要だと考えています。

難波直子
特定非営利法人 育児サポートdouce. 代表助産師
東京都文京区を拠点に、育児相談やケアサービスを提供
「お父さんの育児参加のための両親学級再構築への取り組み」が2019年厚生労働省【健康寿命を伸ばそうアワード 子ども家庭局】優良賞受賞

調査結果詳細

1.今どきパパは育児に積極的!「育児への参加意向」「実際の関与度」はともに高い一方、職場など「環境の壁」に課題も

■育児参加への意欲と実際の関与度
育児参加への意向を尋ねたところ、64.1%のパパが「育児に積極的に関わりたい」と回答。
「できる限り関わりたい」を合わせると97.0%が育児に積極的であることがわかりました。

積極的に育児に関わりたいと思うか

実際の関与度についても「希望以上に関わっている(21.7%)」「希望と同じくらい関わっている(57.5%)」と、想定以上に高い結果となりました。これはCOVID-19の感染拡大により在宅勤務が増加したことも理由の一つに考えられます。

一方、思うように育児に関われていない人にその理由を伺ったところ、TOP3は「育児に時間を割くと収入が下がるため」「育児のために休んだり、早く帰りづらい雰囲気がある」「自分の仕事を他の人に任せることができない」となりました。

育児に思うように関われていない理由

■育休取得状況
育休取得の有無や、その期間についてたずねたところ40.3%が育休を取得していましたが、その約半分が2週間未満にとどまり、2週間以上の取得をしていたのは全体の17.6%でした。

また、育休を取得しなかった理由として、「取得しづらい雰囲気がある(39.2%)」「職場の人員が不足していた(34.4%)」「所得を下げたくない(34.4%)」が上位となり、「育児に思うように関われていない理由」と同様に、主に仕事関連に「環境の壁」があることが明らかになりました。

育休を取得しなかった理由

一方で法改正によって制度が整備された後、赤ちゃんが生まれた場合に育休や半育休を取得したいと思うか尋ねたところ、58.3%が「そう思う」、16.3%が「まあ思う」と、計74.6%が取得したいと思っているという結果となりました。

制度が整備された後、次に赤ちゃんが生まれた場合に育休・半育休を取得したいか

2.マニュアルがない作業は苦手!?​育児参加の実態と「スキルの壁」が明らかに

■日頃行っている育児、難しいと感じている育児
日頃行っている0歳児の育児について聞いたところ、「(自宅の中で)あやす・遊び相手(93.4%)」や「おむつ交換(89.7%)」「お風呂に入れる(86.1%)」は8割以上のパパが実践していることが分かりました。

日頃行っている育児

一方で、特に難しい・難しそうと思うものについて聞いたところ、「夜泣き対応(57.3%)」、「寝かしつけ(47.1%)」、「離乳食の準備・支度(37.5%)」が大きく差をつけてTOP3となっています。

育児の中で特に難しい・難しそうと思うもの

知識や手順がマニュアル化されていない、必ず成功するとは限らない育児行動に対する苦手意識が「スキルの壁」として立ちはだかっている様子がうかがえました。

3.パパの育児情報源はほとんどが身内!「知識の壁」

育児についてもっと知りたい情報で上位に挙がったのは「けが、発熱の応急処置(55.8%)」「栄養の知識(52.2% )」などの専門知識のほか、苦戦している「寝かしつけ(48.0%)」でした。

育児についてもっと知りたい情報

一方、育児について参考にしている情報源については、「妻の意見」が89.5%と突出しています。次いで「両親・親族の意見」が57.8%、「ネット検索(Google・Yahoo)」が53.9%という結果になり、身内からの情報がインターネット検索を上回っていました。

育児について参考にしている情報源

情報源として専門性の高い「医師や助産師など専門家のアドバイス(26.6%)」「地域子育て支援センター等(15.4%)」「産院・自治体の両親学級、父親学級(8.5%)」は低い結果となり、あまりアクセスできていないことがわかりました。

総括

今回の調査で、97.0%のパパが「育児に積極的に関わりたい」「できる限り関わりたい」と回答し、育児参加に対する意欲は高いものの、「環境の壁」「スキルの壁」「知識の壁」が存在していることが分かりました。

産院・自治体が提供する専門性の高い講座や両親学級は、平日の日中開催されるケースが多く、仕事との調整が課題となっているため、今後はより参加しやすい手段としてオンラインやオンデマンドで「両親学級・父親学級」を開催するなど多様な提供機会の必要性がうかがえました。


また、法改正により2022年から、妊娠や出産を申し出た従業員に対して、制度を周知することと、育休取得の意向を確認することが、企業に義務付けられます。
特に産後8週間のうち4週間を「出生時育休」(いわゆる“男性版産休”)として新設し、半育休の他にも、2回の分割取得や2週間前までの申請で取得を可能とするなどの、育休取得促進策が講じられます。

育休や半育休を取得したいと考える従業員に対して、複雑化する制度を単に周知するだけではなく、取得を後押しする姿勢や管理職への周知・教育、企業主導型「両親学級」など具体的な施策が企業側には求められるでしょう。

最後に、「父親が育児に積極的にかかわる上で何が必要だと思いますか。」という自由記述の質問に対し、590人のパパから寄せられた回答をテキストマイニングツールで分析しました。

「父親が育児に積極的にかかわる上で何が必要だと思うか」

分析結果には、「妻」「愛情」「育児休暇」を筆頭に、「思いやり」「触れ合う」といった、あたたかい言葉が数多くあふれました。当プロジェクトは今後、本調査結果も参考にしながら、パパが積極的に育児参加できる社会づくりのため、多様なかたちで男性が育児を学ぶ機会を創出してまいります。

男性版産休・育休応援プロジェクト について

パパ向け育児情報の発信や、企業へのコンサルティング活動を通じて、男性が産休・育休を取得し、育児に参加しやすい社会づくりを目指す、団体横断プロジェクト。

【男性版産休・育休応援プロジェクト】参加団体(団体名50音順)
一般社団法人 日本こども成育協会
株式会社ママカラ
特定非営利活動法人 育児サポートdouce.
みらい子育て全国ネットワーク
(プレスリリース時点)

※本記事は、2021年6月18日にPRTimesより発信したプレスリリースを転載したものです。

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