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蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・訂正

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2020年4月の記事一覧

69.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 55

PONTOON  2015年1月号 No.196  P156-160
歓びの島
P400-406

 一次審査で感じた絶望とは全く異なる感
情。
 一次予選で感じた絶望とは全く異なる感情。

 こんな馬鹿なうぬぼれ女を見捨てずに、
辛抱強くつきあい、信じてくれてきた奏た
ちの人の好さときたら、本当に、馬鹿がつ
くお人好しとしか言いようがない。
 こんな馬鹿な自惚れ女を見捨てずに、辛抱強くつ
きあい

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70.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 56

PONTOON  2015年2月号 No.197  P132-138
歓びの島(承前)
 本 P406-414

 第三次審査の最後のコンテスタント、栄
伝亜夜が出てきた瞬間、期せずして奇妙な
どよめきのようなものが起きた。
 第三次予選の最後のコンテスタント、栄伝亜夜が
出てきた瞬間、期せずして奇妙などよめきのような
ものが起きた。

 これまでの二度の審査もそうだったが、
観客は亜夜が出てきた

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71.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 57

PONTOON  2015年3月号 No.198  P144-148
歓びの島(承前)
本 P414-420

観客も同じ。曲ごとの拍手はなし。彼女
の前の演奏者と、なんと対照的なことだろ
う。
観客も同じ。曲ごとの拍手はなし。
*連載の太字部分が削除された。

ああ、我々は、自分をこの音楽家に託し
てよいのだ。
我々の思いを、声を、預けてよいのだ。
*前後に空白行

だが、再び彼女を戻ってきた。

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72.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 58

PONTOON  2015年4月号 No.199  P174-178
歓びの島(承前)
本 P420-425

これまでにない、音楽家としての歓び
が、全身から伝わってくる。
これまでにない、音楽家としての喜びが、全身か
ら伝わってくる。

 一次審査の時も、二次審査の時も、その
実感はあった。
 一次予選の時も、二次予選の時も、その実感はあ
った。

あの扇情的な演奏を耳にした時から。
あの煽情

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73.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 59

PONTOON  2015年5月号 No.200  P126-130
『仁義なき戦い』のテーマ
本 P425-431

 彼は泣いている。なんの涙だろうか。三
次審査に残れなかったという悔し涙だろう
か。もしかしたら、今頃になって悔しさが
湧いてきたのかもしれない。
彼は泣いている。なんの涙だろうか。三次予選に
残れなかったという悔し涙だろうか。もしかしたら、
今頃になって悔しさが湧いてきたのかも

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74.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 60

PONTOON  2015年6月号 No.201  P142-148
『仁義なき戦い』のテーマ
本 P431-440

本来のスケジュールならば、八時過ぎに
は第三次審査の結果が発表になっているは
ずだった。
 本来のスケジュールならば、八時過ぎには第三次
予選の結果が発表になっているはずだった。

 第三次審査が終わって、審査結果が出る
までと駅の近くでのんびりお茶を飲んでい
たら、のんびりしす

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75.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 61

PONTOON  2015年7号 No.202  P78-84
『仁義なき戦い』のテーマ(承前)
本 P440-448

 風間塵。残った。失格じゃなかった。
*前後に空白行

 ありがとう、ありがとう、ありがとう、
風間塵を残してくれて。
*前後に空白行

「実は、もう一人、点数からいえば本選に
遺すかどうかで協議の対象になったコンテ
スタントがいたのですが、第三次審査のあ
と体調を崩して、急遽

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76.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 62

PONTOON  2015年8月号 No.203  P120-126
オーケストラ・リハーサル
本 P450-458

 三次審査までが行われた、客席千人規模
の中ホール。
 三次予選までが行われた、客席千人規模
の中ホール。

 今年の本選出場者が選んだコンチェルト
は以下のとおり。
 今年の本選出場者が選んだコンチェルトと演奏順
は以下のとおり。くじ引きをして演奏順を決めたが、
マサルとフレデ

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77.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 63

PONTOON  2015年9月号 No.204  P74-78
熱狂の日
本 P459-464

これまでの二週間、通い慣れた大ホール
ではなく、彼らは赤い絨毯の敷かれたゆっ
たりした広い階段を上がってゆく。
これまでの二週間、通い慣れた中ホールではな
く、彼らは赤い絨毯の敷かれたゆったりした広い階
段を上がってゆく。

ひたすらシビアな緊張感に溢れていた三
次審査までの雰囲気とは異なり、まだコ

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78.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 64

PONTOON  2015年10月号 No.205  P134-138
熱狂の日(承前)
本 P464-469

 コンクールというのは、とても忙しいも
のだ。そこに至るまでの準備と事務手続き
が膨大なので、ようやく入口に辿り着いて
も、逆にしばらく実感がない。分刻みのス
ケジュールに乗せられ、気がつくと舞台に
あがっている。
 コンクールというのは、とても忙しいものだ。そ
こに至るまでの準備と事

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82.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 68

PONTOON  2016年2月号 No.209  P158-162
熱狂の日(承前)
本 P482-488

 えーっ、マー君てば、昇天しちゃった
の?あ、ひょっとして、マー君、カトリ
ックだったわけ?
 えーっ、マーくんてば、昇天しちゃったの?あ、
ひょっとして、マーくん、クリスチャンだったわけ?

 ううん、僕は信者じゃないよ。ママはカ
トリックだったけど。
 ううん、僕は信者じゃないよ。マ

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79.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 65

PONTOON  2015年11月号 No.206  P124-127
熱狂の日(承前)
本 P469-474

なし。

残6回

80.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 66

PONTOON  2015年12月号 No.207  P134-137
熱狂の日(承前)
本 P474-478

 ピアノが入る。
*前後に空白行

 縦横無尽に天駆ける感じからか、独特の
浮遊感がこの曲全体に漂っているのだ。
 縦横無尽に天翔ける感じからか、独特の浮遊感が
この曲全体に漂っているのだ。

 少な。

残5回

81.蜜蜂と遠雷 連載からの加筆・修正 67

PONTOON  2016年1月号 No.208  P130-133
熱狂の日(承前)
本 P478-482

ためいきのように奏が呟いた。
溜息のように奏が呟いた。

今回も少ないですね、ページ数も少ないけど。

DVD、Blue-Ray 明日15日発売。
Amazonだと、今日届くらしい。

残4回