伊太祈曽 僧兵の道・城址トレッキングコース 日記
そうだ、伊太祈曽、行こう
たま駅長で有名なたま電、和歌山電鉄貴志川線に乗ってみたいと前から思っていたが、特にそっち側に用がないなぁと沿線を見ていたところ、これまたちょっと気になっていた伊太祈曽神社というものがあったのでこれでええやん、となり調べていたところ、貴志川線ナビという公式ページに伊太祈曽駅出発のトレッキングコースがあったのでこれに決定!3時間の登山、したいと思ってたんだよ〜。
たま駅長おすすめ!貴志川線ナビ 僧兵の道・城址トレッキングコース
というか、登山中に自分で作ったおにぎりを食べたいという思いが登山をしたい、よりも先にあったので、ちゃんと朝に起き、ご飯を3合研いで炊き、おかか、なめみそ、わかめご飯の3つのおにぎりを作って出発!
ただ、割と漠然としたマップしかないので、伊太祈曽駅で紙版マップとか手に入るやろ、と気軽に期待して行くことにした(ネタバレ:なかった)。
和歌山電鐵に初乗り
和歌山電鐵って結構独特、というかレトロな乗り方だったような気がしたので念のためホームページで見てみると、二両編成で乗るときはどこからも入れるけど、そのときに整理券を取り、降りるときは一番前のドアから降りる、という、知らないと降りるときに絶対閉じたドアの前でやきもきしてしまうような情報があったので、見ておいて良かった。
それより、スイカとかが使えないというのがまず一番大事。なのでまず改札を通る前に伊太祈曽行き片道切符320円を買うという、だいぶ久しぶりの行動をした。
また、噂のたま駅長は二代目がおり、メイン勤務は貴志駅なのだが、伊太祈曽駅にもよんたまが勤務しているとのことで、伊太祈曽に行けば和歌山電鐵に乗れるしたま駅長にも会えるし伊太祁曽神社にも行けるし登山までできるという完璧計画になった。
早速電車が来ていたので乗り込むが、ドアが開きっぱなしでめっちゃ寒い。そしてなんか他のお客はみんな先頭車両に座っている。わかっている人たち、か。和歌山の電車は結構ボタンでドアを開け締めできるタイプが多いが、和歌山電鐵はそれがないっぽく、発車時間になるまでは閉まらない模様。ただ、これは和歌山などの終着駅だけで、他の駅だとそもそも二両目のドアはずっと開かないので内部は暖かい。
伊太祈曽到着
伊太祈曽駅に着くと、エモい電車がたくさん停まっていて写真撮り放題。でもホームが狭くて撮影に夢中になってると割と危険なので要注意。
よんたま駅長は駅の角にあるガラスエリアの中でずっと寝ていた。今日はやたらと寒いし仕方ないね。
そしてきょろきょろしてみたが、ハイキングコースのマップは見つからなかったのでGoogle mapを頼りにまずは伊太祁曽神社まで行ってみる。かなり大きな鳥居が出迎えてくれて、大変わかりやすい。
池の中間に橋がかかっており、人がいないのもあって非常に神聖な雰囲気がある。神域という感じ。
池にはとても小さな噴水があり、ずっと波紋ができていてとてもエモかった。
ただ、めちゃめちゃ寒かったのでお参りして、御朱印もらったら早々に退散した。トイレがやたらとキレイなのも良かった。
ハイキング開始?
しかし、ハイキングコースだと思っていたがだいぶ普通の道だ。農村の畑の脇道をひたすら歩くルート。こういうのがトレッキングなんだっけ。これはこれで楽しいが、今日は風がやたらと冷たくて強いのでだいぶ寒かった。そしてこんな道端でおにぎりを食べるのはさすがになんかアレだぞ。
そして、公式ページにあるマップとGoogle mapが似てるようで似ておらず、というかややこしい。でも伊太祁曽神社から南に降りていくと、ハイキングコースの看板があったのでそれに沿って歩けばなんとかなるか。めちゃめちゃボロボロで不安になったけど。
亥の森を通り抜けて、ところどころハイキングコースの看板を見つけて安心しながら進んでいると、森を抜けた先で明らかに北に進んでしまうことに。
…これって、公式ページだと今進もうとしているルートはトレッキングコースで、もう一つ「竹の里・みかんの里ハイキングコース」というのがあり、今はこっちのハイキング用の案内しかないってことか。なので、まだ歩き始めたばかりだがさっそく案内を無視して南に進み続ける。Google mapと地図がなんとなく似てるので一応途中まではわかる。が、観音寺というところがわからない。
かなり大事な目標でありそうな右下にある観音寺をググってみると、だいぶ先の街中を指し示してしまい、どう見ても違う。仕方なく、Google mapと地図の地形を見比べながら進んでみると、ちょうど池ふたつに挟まれているところあたりで脇道があり、そこを曲がると先にはお寺っぽい建物が… これが観音寺、なのか?
しかし、どう見ても誰かの家の敷地内に不法侵入してるようにしか思えないんだが…
と、恐る恐る歩みを進めてみると、なんと地図通りに山に入っていくつづら折りの道が!形的にも完全に一致。ただ、それでもやっぱり人んちの裏庭感が強い。どうにでもなれ、とそのまま先に進むと、そこそこちゃんとした山道になったので、あとはこれをずっと進んでいけばいいし、なにより森のおかげで風の冷たさがだいぶ和らいだ。
でも、絶対他の人わからないと思うので写真撮っておけばよかったなぁ。地主に不法侵入者として通報されないか不安で、急いで山の中に入ってしまったのだった。
ちゃんと登山している、が…
一気に登山になって楽しいのだが、なんかだいぶ… 荒れてる。枝や落ち葉がすごいのはどこの登山道も一緒だが、ここは倒木や落石がゴロゴロしている。倒木ももはや跨いだりくぐったりしないと進めない、というか普通なら進入禁止になってそうなレベル。
道の端も結構崩れていて、ずっと斜めになってて油断すると滑り落ちそうになる道も多く、ここで滑落したら見つからないだろうな…とゾクッとしてしまったり。
自分は正しい道に進んでいて、目的地にたどりつけるのだろうか、と結構不安になりながら進んでいた。スッキリするためにハイキングしてるはずなのに、いや、歩いていて実際スッキリはしてるのだけど、頭の隅に残る不安がすごい。
一応、他の人達が歩いたっぽい跡があったので先に進んでみたが、倒木に出会うたびに「…マジかよ」と呟いてしまうほどヒドイ。落石の方は岩というほどでもないが、小さめの石が転がっていてちょっと歩きにくい、くらいなのでマシだが、油断すると足をくじきそうになる。
序盤は道もわかりやすかったが、進むにつれ倒木が激しくなってきたり、登山道がどっちかもわかりにくくなってきていた。
これまでの経験などから、以下の場所はちゃんと登山道だろうというアタリをつけてがんばって進んだ。
普通に足跡がある
足跡はないが、みんな歩いていて土が掘り返したみたいになってる
落ち葉が踏みしめられている
地面の落ち葉が変に沈み込まない
落ち葉がない地面がある
白や赤の杭が地面に打ってある
木に赤いテープが巻いてあったり、枝に紐が巻かれて垂れ下がったりしている
倒木の表面が削れている(登山者の足場になってる)
登山でよくやるが、手頃な枝を拾って杖代わりにして、その枝で落ち葉のたまっているところや倒木の間をツンツンしながら進んだ。こないだ雨が降ったようで、ところどころ湿っていたので下手すると落ち葉が溜まっている水たまりや穴かもしれないし。(幸いそういうのはなかったけど)
特に赤いテープが助かった。見渡す先にテープがなくて、振り向いたらつづら折りの下り道があったというのも何度かあった。普段メガネかけないが、今回はなんとなくメガネ登山してて助かった。
途中にあったらしい峠の眺望は見逃したものの、城址っぽいものは見つかった。でもすぐそばにお寺の案内があったからお寺の跡かも。このあたりはだいぶ荒れ果てていて、コースがわからないくらいだったけど、赤い紐を頼りに登ったり降りたりして先に進んだ。
たまーにある案内板や、コース案内矢印を見かけるたびに凄まじい安心感があった。
念願のおにぎりブレイク
そして大旗山の頂上という、あんまり頂上感のない開けたところで、持ってきた椅子を置いておにぎりブレイクを開催。
まずは… おかか!このためにちゃんとノリも買っていたので、大変美味い。このために登山しとるんや!
このあとは下りルートになり、ところどころ紐が張ってあったりした。結び目って偉大だなぁと思うくらい、足元がサラサラの土で滑落上等だったが、なんとか一度もこけずに済んだ。一度足首グキッとしたけど、捻挫にもならず、ラッキー。
久しぶりの人間発見
地図の右端くらいで西に戻るようになってるが、実際は普通に東に進むルートもあって、油断するとそのまま東に行ってしまうところだった。どこにたどり着いていたのやら。
記憶の限りでは、分かれ道にちゃんと案内板があって、「ビオトープ孟子>こっち」となってたので、一見全然下山ルートには見えなかったが、少し進むとテープ付きの木があったのでそのまま進み、ちゃんとビオトープを発見。
ギリギリ廃墟ではないという感じで、男性がひとり木工仕事をしていて久しぶりの人間を見れて安心。だがルートがわからん。Google mapを見ると、自分はどうやら西側からビオトープに降りてきたみたいなのに、地図だと行き先はまた西のはず…
よくわからないので男性に「鶴者峠ってどっちですかね…」と聞いてみたが、いまいちわからないっぽく、たぶんあっちやと思うで、くらいの返答。
ともかく来た道をちょっと戻り、でも更に降りるルートを進んでみると、地図にあるような池があり、道もしっかりしていたので安心。池は枝がたくさん沈んでいたが水はとてもキレイで、でも魚はいなさそうだった。こういう小さな池にめだかとか在来種を放して育てるとかありなんじゃないだろうかと思ったり。
そのままそこそこ順調に進めていたが、足元にどうも最近人が歩いたような足跡、というか轍があるのを見かけ、そのまま先に進むとまた誰かが竹を切っているエリアにたどり着いた。が、その先のハイキングコースが見当たらない。もしかして単に伐採エリアに行くだけの道だったのか?
左に降りると前述の広い竹伐採エリア、右にも道っぽいものがあるが、また倒木や金網っぽいもので塞がれているように見える…
男性がこっちを訝しげに見ているので、また聞いてみようかとも思ったが、とりあえず右の道を進んでみてダメだったら聞こう…
すると、だいぶ荒れてはいるが、どうも正しいコースっぽかった。
しかしこのあたりは前半の登山道と違って、倒木は少なめではあるが草が生い茂っていてヤブになっていてこれはこれで結構足跡が見つけづらく、難易度がずっと高い。また杭やテープ頼りのトレッキングに。
ヤブというか、後で調べたところフユイチゴという野草らしく、食用でもあったらしい。今度見かけたら食べてみるかな。
登山道終了
地図の黄色いハイライト部分を終えたあたりで久しぶりの舗装された道に出て安心。ただ、どう見てもみかん畑のど真ん中に出て、誰かの土地の敷地内なのではとまたもや不安になる。ただまあ、これでもう山岳事故の心配はないという安心と、段々のみかん畑の美しさに心休まった。
みかんの段々畑を見てると思ったより高傾斜で、段々もしっかりした階段ではなくだいぶなだらかな感じ、というかもはや斜めの土地。ここで収穫するのってかなり技術と体力がいるのでは。下手したら転がり落ちそう。みかん農家、大変だな…
一応畑の間をレールが走っており、モノレールで収穫できるから激しい上り下りはしなくても済みそうではあるが、それでも左右の移動は必要だし、果実の詰まった箱を運ぶのは手作業という感じがする。
舗装道路ではあるが車の往来はほぼなく、ごく偶に原付が通り過ぎていくくらい。なので気軽にキョロキョロしながら進み、更にこの先にはもう登山道はなさそうだったので歩きながらおにぎりを食べる。今度はなめみそ。食べたことのない具だったが普通に美味い。
食べ終わった頃に久しぶりにハイキングコース案内矢印を見かけたが、どうもまた山の中に誘導しようとしてくる。でもどう見ても地図のルートから離れて、鶏冠山あたりに入っていく雰囲気だったので、ジュンサイの池とかも気になったが、天気もちょっと良くないし疲れたし諦めてルートを追っていくことに。
そしてここらへんからは最初看板を見つけたハイキングコースと合体するのでまた看板を追いながら帰るだけ。いやー、トレッキングコースもこれをしてほしかったわ。
トレッキング終了
帰りの駅である大池遊園に近づいてきたらもう完全に町。足もだいぶ痛くなってきてたし、なにより山の中のルートがかなり不安だったからか、肩が凝ってしまって山を降りた頃には頭痛がしてきており、なかなかしんどかったので、大池遊園の公園で休憩を取る。
池に囲まれた公園でのどか。なにより人がいなくて快適。まあ、ド平日だしな。池に囲まれているだけではなく、公園の端に和歌山電鐵が通っており、たまに電車がガタゴト通ってとても良い空間。
とりあえずこれでトレッキングコースは終了だな。あの荒れ具合は3時間じゃ済まないだろと思ってたが、神社からここまでちょうど3時間くらいだった。3時間にしてはかなり濃密な冒険だったな…
と、走馬灯のように振り返りながら公園の真ん中のベンチに座って、もくもくとわかめごはんおにぎりを食べる。荒れ果てたトレッキングコースを無事に生還できた勝利の味は美味しい。でもやっぱり寒い。
駅で帰りの電車を待つが、ベンチはあるのだが吹きっさらしで壁もなく、めちゃめちゃ寒いのでホットコーヒーを買って、時刻表が貼ってあるちょっと凹んだ壁の場所で風を避けながら20分ほど凍えながら待ってた。
帰りの電車
帰りの電車はいちご電車!聞いたことある!いちご柄の座布団が敷いてあるシートエリアがあり、観光客がめっちゃ写真撮ってた。テーブルも設置してあったので、さっそくそこを確保。思いっきりカメラの射線に入っていたが、知らん!こっちは疲れとるんじゃ。
行きはそうでもなかった気がするが、帰り道はめちゃめちゃ揺れた。あれ、電車ってこんな縦揺れするんだっけ?構造的に可能なのか?と思うくらい揺れる、というか跳ねる。
そして帰る時間が下校時間だったのか、学生たちがわんさか乗ってきて、それと合わせて中国人観光客もわんさか乗ってきてだいぶ混んでいた。良いじゃない。儲かってくれ、たま電車。そして自分は疲れと頭痛と車酔いでぐったりしており、テーブルに突っ伏して寝ていた。
感想
和歌山電鐵は乗れて大変満足。グッズとか欲しいなら貴志駅まで行かなきゃならないっぽいのでまた次回かな。伊太祁曾神社も雰囲気が良すぎた。
そして肝心のトレッキングコース、個人的には大変満足したが、家族連れで来てしまったりしたらケンカになるくらいならまだしもケガや遭難というのも余裕であり得るので、ホームページで注意するか、もはやトレッキングコース案内を取り下げたほうが良いのではないかと思うレベル。
実は自分が気づいていないだけで普通に閉じられたりしてないか、と軽く検索してみたけどそもそも今では知名度も低いのか情報そのものがない。
ただ、つい数ヶ月前に同じルート(ただし大池遊園発の逆方向)を歩いた人がいたようで、より詳細なレポートを書いていたが、この人も「初心者・ソロでの入山はおすすめできない」としていた。って、あれ、ソロはおすすめできない…?ま、まあいいか。
とある関西人の外遊び - 「大旗山(楊柳山)に登山!僧兵の道を辿り南北朝時代の城跡へ!」
倒木を片付けるのはもう重機が必要だろうから整備はかなり大変、というか無理そう… 登山道の整備ってどこからお金が出るんだろうか。自分の選ぶ登山道って荒れてることが多い気がする。単にメジャーどころが嫌いだからなのか、どこも荒れがちなのか…
しかし、トレッキング用の看板がなかった時点で、もう使ってないルートだったりしたのかも知れない。
まあとりあえずこのルートは全くオススメしないので、大人しく「竹の里・みかんの里ハイキングコース」を回るのが良いと思う。
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