スペイン流バスケ 〜蝶のように舞い、蜂のように刺す〜

〜蝶のように舞い、蜂のように刺す〜

米国のボクシング選手、モハメド・アリのボクシングスタイルを形容した表現と言われ、その軽やかなフットワーク、および、鋭く的確なジャブを表している。

 この有名な言葉をご存知でしょうか。ぼくはスペインのバスケを学んだ際、その流れるようなパスワークでディフェンスを翻弄し、チーム全員で体現する美しいバスケットボールに魅了されました。

 流動的に動き、美しいスペーシングを取り続け、突如リングに襲いかかるドライブと3Pシュート。まさにこの表現がピッタリだと思って勝手に拝借しています。

 この記事ではそんな美しいスペインのバスケについて、「プレースタイル」「練習」「選手起用」の3つの観点を踏まえながらざっくりと説明しています。比較できるところは日本のバスケとの違いを踏まえながらお伝えしています。

 私自身、2018年9月から2019年3月までの6か月間、スペインはバルセロナにてバスケのコーチング留学をしていました。
 最低でも週5日はバスケクラブの育成カテゴリの練習見学をして、みっちり練習メニューやコーチング方法を教えてもらってきました。

 初日から「日本とは指導レベルが全く違う・・・」とカルチャーショックを受けてしまいました。実際に練習を見ることが出来ればこの上ないのですが、スペインまでは片道飛行機で20時間弱(乗り換え有)。気軽に行けるような場所ではありません。なので、ぜひこの記事を読んで、少しでもスペインのバスケを理解していただくことが出来ればと思っております。

1.プレースタイルについて

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