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【和訳】英国国防省:ウクライナ情勢報告

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英国国防省発表のウクライナ情勢評価分析の日本語訳
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#黒海

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 25.02.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 25.02.2024

日本語訳2022年2月にウクライナとの戦争を始めた際、ロシア海軍(RFN)は黒海全域で、そして最も重要な北西エリアで、自由に航行できる状態を維持していた。伝統的な意味での海軍戦力を欠くウクライナがとった非対称的な代替策(各種誘導ミサイル・無人艇の投入)の成功ののち、RFNは自軍のリスク許容度の再評価を繰り返し迫られることになっている。ウクライナは陸上と海上での打撃行動を組み合わせることで、ロシア側

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 15.02.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 15.02.2024

日本語訳

2024年2月14日、ウクライナ軍はロシア軍のロプーチャ級揚陸艦ツェーザリ・クニコフに対して、無人水上艇攻撃を敢行し、その攻撃に成功した。その結果、この艦艇が沈没したのはほぼ確実である。現状、ロプーチャ級10隻のうち3隻がウクライナ軍の攻撃によって撃破されている。

黒海艦隊(BSF)への兵站支援と、ウクライナでのロシアの戦争への兵站支援を行うために、この艦艇はかなり重用されている。こ

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 22.01.2024

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 22.01.2024

日本語訳

2023年12月のウクライナ諸港からの農業生産物輸出は、ロシアによる侵攻開始以来、最も多くなった。このことが、黒海に面するウクライナ側主要港の再開と、ウクライナ側による一方的な海運輸出航路の確立に起因しているのはほぼ確実である。そして、この輸出量は、国連とトルコが仲介した黒海穀物イニシアティヴが有効だった期間の月あたりの実績を上回っている。なお、黒海穀物イニシアティヴは、ロシア側の査察

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 08.12.2023

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 08.12.2023

日本語訳

2023年12月5日、ロシア海軍航空隊のSu-24M“フェンサーD”戦闘爆撃機1機が、ウクライナ領ズミイヌイ島周辺の黒海北西部上空で、ウクライナ軍の地対空ミサイル(SAM)1発によって撃墜された可能性は極めて高い。

2023年の夏以降、ロシアはこの島に対してハイリスクな有人航空攻撃任務の遂行を続けている。このような攻撃の意図が、主に意思を示すことにある可能性は高い。そういえる理由は、

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 07.11.2023

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 07.11.2023

日本語訳:

ウクライナ・ロシア双方の情報筋が報じたように、2023年11月4日、ロシアの新造コルベットが攻撃されて損傷を被ったのはほぼ間違いない。なお、攻撃された際、同艦はロシア占領下クリミアのケルチにあるザリフ造船所内に停泊していた。

カラクルト級コルベット「アスコルド」は2021年に進水したが、ロシア海軍への就役はまだ済んでいなかった。今回の件は、ウクライナ軍によるされる長距離攻撃のなかで

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 14.10.2023

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 14.10.2023

日本語訳:

8月と9月に立て続けに攻撃されて以降、ロシア黒海艦隊(BSF)は、その防衛・対応態勢を強化してきた可能性が極めて高い。BSFはその貴重なアセット、それには巡航ミサイル運用可能な水上艦艇と潜水艦が含まれるのだが、それらをセヴァストポリから、さらに東方の、例えばノヴォロシースクのような作戦運用拠点地域に再配置している。

2022年7月以来、ウクライナは黒海北西部でイニシアティヴを獲得し

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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 02.10.2023

【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 02.10.2023

日本語訳:

ウクライナ戦争の南方方面にも同時並行的に及んでいる脅威への対処に、ロシア黒海艦隊が苦慮するなか、ここ数週間、同艦隊の海軍航空隊所属機が、艦隊作戦任務において、とりわけ重要な役割を担うようになっている。

海軍航空隊は現在、海上空中哨戒任務を重視しており、無人水上艇に対する早期警戒任務が中心となっている可能性が極めて高い。この種の作戦任務において鍵となるロシアの装備が、Be-12メイル

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