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「人類を上から目線で見下ろすようになった」

人類を上から目線で見下ろすようになった。自分の気まぐれ次第で相手に寄り添ったり離れたり。どんなに好意的に思ってくれている人だとしても、触れてほしくない時には誰かれ構わず遠慮なく威嚇する。感情のセルフコントロールが上手くいかず、どうしても反射的に思わず手が出てしまう事もある。こればかりはどうしようもなく、僕に接する際には何とぞタイミングを察していただけると幸いである。

人生の正解を問うと答えは闇の中にあり、いくつになろうが未だ正解には辿り着けず。この世から自分の存在が消滅する瞬間に答えが見つかると聞いたことはあるがそれもいささか疑問である。

「楽しければええんか」
「それともお金があったら幸せなんか」

時間やお金の価値を理解していないと、仮にそれらを手に入れたとしても幸せを実感する事すら出来ないのではないか。

「今がしあわせとちゃうんか」
「生まれ変わってやり直したいんか」

実際そんな悲観的な毎日を過ごしているわけでもない。過去に戻ってやり直す事が出来たとしても幸せになるという確証などひとつもないのだし。

「幸せとは何ぞや」
「知らんがな」

何度も自問自答を繰り返し、考えれば考えるほど闇は深くなる。どこまでも続く長いトンネルの中を微かに目に映る光線を一途に追いかけている。自分がただ闇雲に走り続けるだけの負のスパイラルの循環に陥っている気さえしてくる。

「もう疲れたわ」

胸の中を埋め尽くした虚無感。これ以上は考えるのはよそうの決めた直後に深い眠りに落ちたようだった。

翌朝目覚めると花粉症のせいだろうか目がとても痒くて思わず両手で目を擦る。何度も何度も目を擦っていると自分の爪で顔を引っ掻いた。苛々が鬱積して辺り一面をガリガリと伸び切った爪で掻きむしる。やり場なのない苛立ちを抑えようと、側に感じるモフモフであたたかな感触に身を寄せてみる。昨日まで分かり合えなかった言葉や関係性が少しだけ緩和されたように思える。

「とりあえずもう一回寝るわ」
「これが夢やったらええのにな」

〜パンくずよりも小さな事をカタルヒト〜

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