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「子供の頃の特技が役立つ瞬間」

少し前から左足の親指の下の周辺が痛み出した。念力でも使って痛みを和らげたいと思ったが習得までにかなりの時間を要することに気づき早々に諦めることにした。白目を剥いて意識を遥か上空への浮遊を試みるも、その方策でも痛みが消え去ることはなかった。何とも憂鬱で厄介なおやつ時間になってしまった。

その痛みに加え、大好物の源氏パイを手を滑らせて床に落下させるという大事故まで発生したのである。開封前の袋の中で悲惨な失恋でもしたかのように、美しいハートの形が無惨にもセンター部分で真っ二つに分裂してしまった。生地の表面は落下の衝撃で体の一部が剥がれて粉々になり、痛々しい残骸が生まれ落ちた。もしかして源氏パイの損傷のショックで、足の痛みを闇の向こうへ葬れるのではという淡い期待も叶うことはなかった。

痛みの原因を調査すべく、先ずはインターネットを活用することにした。検索を繰り返し、さまざまなサイトを閲覧していると、もしかして外反母趾ではないかと恐怖に打ち震る精神状態に陥ってしまった。

希望的観測のある記事に目が止まった。足の指のすべてを開く(グー、チョキ、パー)ような、外反母趾体操を毎日行うと改善されるという記述である。早速、近所の100均一ショップに立ち寄ることにした。

しかしそれらしきものを発見出来ず、足の指の間が広がれば良いという安易な発想で

「これでもええか。知らんけど。」と

とりあえずペディキュアを塗る際に使用する商品を購入することに決めた。この商品をそれなりのオヤジが勇気を持って購入するとなると周囲の目線が気になるもので、他の商品の下に潜らせてレジへと足を運ぶことにした。よくよく考えるとセルフレジなので、自意識過剰になる必要など全くいらなかったのである。

自宅に戻り足指セパレーター(そう命名されているそうだ)を装着してみることにした。こそばさに耐えながら足の指を精一杯開いた。たしかに装着してみると指と指の感覚が広がり、少しではあるが痛みが軽減されているような気がする。そして足の指をグー、チョキ、パーにする外反母趾体操を試みる。その時に過去の同じような経験が頭をよぎったのである。

それは中学生の頃に会得した特技である。足の指を素早くグー、チョキ、パーの形にする事が出来たという記憶。たしか難易度が高いのはやはりパーであった。僕はそのパーを自由自在に操ることに長けていたのである。それが故に足の指を器用にパーの形にして物を拾い上げる大技まで出来たのである。

中学生当時に会得したこの特技がかなりの成果を発揮したのがプールの中であった。更衣ロッカーのカギをプールに投げ入れ、水中に顔をつけずに足の指だけでカギを遠隔で発見する瞬間であった。それはUFOキャッチャーで商品を掬い上げるようなイメージである。その特技が今になって外反母趾かもしれない痛みの改善に貢献すると夢にも思ってはいなかった。もしも過去に戻る事が可能でならば、中学時代の自分を思い切りハグをしながら褒めちぎってやりたいと思う。足の方は相変わらず痛いのだがという報告を添えて。

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