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2月後半

某日。

結局、忙しすぎる2023。
2月の前半についにパンクした。さらに祖母の葬儀なども重なり、スケジュールが完全崩壊した。それでも寝て起きて仕事をして風呂に入って寝てだけを繰り返す生活がルーティンのように続くので、めちゃくちゃに腹が立ってきて、なんだこの生活!!!と部屋の中でブチギレてしまった。愚痴を聴いてくれる誰かが部屋にいるわけでもなく、ただ大きいムーミンのぬいぐるみが部屋の虚空に浮遊した叫びを吸収してしまったので、諦めてまた椅子に座ってiMacに向かった。


某日。

配信でアニソン派を見た。数ヶ月に1度だけ夜更かしをする日だ。
やしきんさんが冒頭で「ロマンの大きさが作品の器を決める」と言っていてその言葉がこのアニソンを総括する言葉ともなっていた。全くその通りだと思った。最初からこの程度で大丈夫だろうと仕事をすると、その程度にしかならず、作品に魔法がかかることはない。とはいえ物理的に時間は有限なのでロマンを広げすぎて最終的な完成度まで到達できない恐れがある。仕事をする上で何よりも優先されるのは完成させることだ。そうなるとロマンを大きくすることを優先できない瞬間が起きてしまうのが何度もあった。猛省。もっと何かやり方や工夫でロマンを最優先できる方法があるはずだ。
星さんが打ち上げ配信で言っていた「あの頃の自分を喜ばせたいから曲を作っている」という言葉にも頷きすぎてうっかり首がもげてしまった。自分が絵を描いている理由が全く同じだったからだ。いつだってあの頃の自分みたいな少年少女の人生を変えたくて創作している。だから数年前から自主制作は題材として学生だけを描くことにしている。と思うと同時に仕事をしている時にその思いで仕事をしてない自分にも気づく。やはり今やってる仕事は自分が本当にしたいこととは違うのかもしれない。


某日。

星空関係の仕事をすることになりプラネタリウムを描くことになったので、今までほぼ触れてこなかったプラネタリウムに実際に行ってみようと思い多摩六都科学館へ。東京で一番何もないでお馴染みの清瀬市出身なので小学生の頃に遠足的な行事や家族で何度か行ったことがある場所だったし、作品的にも田舎のプラネタリウムのイメージだったためぴったりだなと思って電車とバスを乗り継いで向かった。子供の頃の記憶は周りの人と比べると圧倒的に覚えてない方なのだが、多摩六都科学館はなぜか記憶に残っており、夢にも何度か出てきたことがある。ということは子供の頃はもしかして科学が好きだった少年だったのかもしれない。今じゃ文系中の文系を自負しているほど理系に対しての苦手意識が強いがやはり宇宙のロマンを大いに感じていたのかもしれない。(唯一見てる仮面ライダーがフォーゼだし)プラネタリウムは40分ほどの上映で心地よい声のお姉さんが子供向けの優しい口調でゆっくり星座の説明をしてくれるので、わかりやすいのと同時に眠気を誘ってくる。睡魔って意外と擬人化したら悪魔みたいな見た目じゃなくて20代後半のやさしそうなお姉さんの姿をしているのかもしれない。周りは子供連れの家族だらけで一人で来てる人なんて自分しかいなかったが、ど真ん中の席を陣取り、なるほどなるほど頷きながら鑑賞した。星空を見てるだけで癒されるし、今まで星座なんてアニメや曲の歌詞に出てくるモチーフの単語としてしか認識してなかったので、かなり解像度が上がってよかった。オリオンってなんなのかを初めてちゃんと認識したかもしれない。これでようやく僕もオリオンをなぞったと言えるだろうか。


某日。

会話が下手である。
普段自分の中に芽生えた感情はZIPファイルに圧縮して、脳みそにあるdropboxに保管してあるとする。例えば会話の中でとある話題が出た時に、あっそれ前に自分もその話題について考えたことがある!と思うのだが、ZIPファイルにしてクラウドにあるので、まずファイルをオンライン同期してダウンロードし直してから解凍するという2つの手順が必要になる。自分はこの時間がとても長いので、気がついたらその場が違う話題に移行してしまったり、解凍を待てなくて半解凍の状態で話し始めて果たして自分が考えてたことってこれだっけ?と本当に言いたいことではなかったこと言ってしまうことがある。リラックスして話せる相手であれば、この解凍時間も臆することなく待つことができるのだが、初対面や2、3回しか話したことない相手だとそうもいかない。これのせいで誰かとご飯を食べたり、飲み会に行った時には帰宅してから風呂の中で長々と脳内反省会をしてしまう。やはり通信速度を早める努力が必要なのだろうか。脳みそも光回線に契約できたらいいのに。


某日。

フライヤーなどのデザインをお手伝いした、澤田氏のワンマンライブを観に下北沢へ。前の用事が早く終わってしまったので、下北沢をのんびり散策しながらおしゃれな個人経営カフェにでも入って有意義な時間を楽しんじゃおうかな~と思いライブの2時間前に下北沢に着いた。しかしその考えがいかにのんきだったかをすぐさま思い知る。改札を降りるとここは渋谷なのか?と見間違うほどの人の数。いつから下北沢はこんな騒がしい街になったんだ…?17時という中途半端な時間にもかかわらず、カフェに入ろうとしても行列に阻まれてしまってサブカルおしゃれタウンの洗礼を浴びてしまった。何より街全体をまとっている空気が若いのが辛い。渋谷は人種が多様すぎて特に気にならないのだが、下北沢にいる人間は見渡しても、うちら服が好きなんすよ顔をしたカップルや飲み会は必ずデカジョッキハイボールでしょ顔をした大学生しかいなくて歩けば歩くほど肩身が狭くなってくる。早くどこかに避難しなくてはと思い、なんとか妥協して星乃珈琲の行列に並ぶことにした。15分ほど待ち無事に席に着いて落ち着くことができた。持ってきていたMacBookを開いたら充電が1%もなくて作業すらできなくて嘘だろ…?と思ったが、たまたまリュックに入っていたノートを開いて脳みそを整理したりアイデア出しをしたりして何とか持て余した時間をしのいで、ライブに向かった。ライブ会場で関係者に挨拶するタイミングを伺いすぎて四苦八苦するのはまた別の話。