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大切なもの
男は、薄暗い部屋で古ぼけた鏡の前に立っていた。神のお告げによると、この鏡には、命を懸けても守りたいものが映るという。
男は息を呑んだ。鏡面は、何も映し出さない漆黒の闇だった。自分の姿さえも。
「これはどういうことだ?」男は神に問いかけた。
神の声が響いた。「自分さえ映らぬとは。呆れた価値観だ」
男はハッとした。自分は、一体何を大切に生きてきたのか。
目が覚めると、男は自宅の洗面台にいた。顔を洗い、鏡を見ると、そこには笑顔の家族が映っていた。
男は安堵の息を吐いた。そして、鏡の中の家族に誓った。
「これからは、君たちのために生きる」
教訓:本当に大切なものは、常に自分のそばにある。それに気づかないのは、自分自身をないがしろにしているからだ。