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放射線治療②:乳がんと診断されて【22】

初回の照射後、病棟に戻ると夕ご飯の時間で、看護師さんが食事を運んで来てくれた。

放射線治療の感想(痛くも痒くもなくて不思議…)を伝えると

「初めのうちは何にも無いけど、治療が進むと副作用も出てくるので、何かあればすぐに言ってくださいね。」と優しく言われた。
副作用は人にもよるみたいで、照射された部分(胸、背中)の皮膚がヤケドのようになったり、喉に引っ掛かりを覚えたり…という症状が多いということだった。
私も出てくるのだろうか…と不安になりながら夕食を食べた。

夕食が終わった頃、井上先生が病室に来て、先生も初回の状況確認と副作用の説明をしてくれた。手元には数枚の資料を持っていて、それは私のCT画像だった。
「ここに心臓があって、放射線が当たらないようにこの部分から照射してます。喉に少し被ってしまうから食道に影響が出るかもしれないね。もし痛みとか出てきたらお薬も出せるからすぐに言ってくださいね。」

正直なところCT画像を見てもよく分からない。「はい、はい」と返事はするものの心臓と示された部分も明確には分からなかった。ただ照射部分は色分けされてるし、照射部分がズレないよう、しっかり調整されているのだろう。先生を信頼していたので治療方法については安心して聞くことができた。
先生は次の日も病室に来てくれて、退院するまで毎日声を掛けてくれた。

翌日、2回目の照射は朝イチ8:30からで、朝の検温が終わった頃に看護師さんが時間を伝えに来てくれた。
明日からもこの時間からなのか聞くと、毎日違って当日にならないと分からないということだった。
決まった時間ならテレワーク(病室での仕事)のスケジュールも組みやすいんだけど…まぁ仕方ない。私は入院してるからどの時間でも良いし、外来患者さん優先でいいや。

5分前になったので昨日と同じように治療室へ向かう。
「おはようございます〜。pandaです。お願いしますー。」

ピッ。

「はい、pandaさん、中にどうぞ〜。」

自動扉の中に入ると昨日は誰も居なかった待合い室に数人の患者さんが座っていた。その横を通過して2番の治療室へ向かう。扉が閉まっているので昨日言われた通り前方にある椅子に座って待つ。

2、3分待っていると治療室の扉が開き、中から技師さん(♀)が出てきてそこからは昨日と同じ流れだった。

この後23回、何も起こらないと良いんだけど…。

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