俳句281
山吹や
川の流れに
映えてよし
自然の一コマを捉えた静かな風景画のようです。
山吹の花が川の流れに映える様子は、単に美しい春の情景を描くだけでなく、より深い意味合いを含んでいると考えられます。
山吹の花は、その鮮やかな黄色で知られ、春の訪れを象徴する花の一つです。
この花が「川の流れに映える」と表現されることで、移り変わりゆく時間の流れの中で、ある瞬間の美しさが際立っていることを示しています。
川の流れは常に変わり続けるものであり、その中で山吹の花が一時的にでも映える様子は、 ephemeral(はかない)美の象徴とも言えるでしょう。
この俳句が年齢を重ね人生の後半に差し掛かる中で、変わりゆく世界の中での一瞬の美しさや喜びを見出すことの大切さです。
人生という長い川の流れの中で、私たちは多くの変化を経験します。
そんな変化の中で、一瞬一瞬の美しさや幸せを大切にする心持ちが、人生を豊かにする鍵となるのかもしれません。
また、「映えてよし」という部分には、その瞬間を積極的に楽しむべきだという肯定的なメッセージが込められています。
この世界の美しさを受け入れ、その中での自分の存在を肯定すること。
それは、年齢を重ねるごとに、より深い意味を持つようになるのかもしれません。
この俳句は、自然の美しさとはかなさ、そして人生の流れの中での一瞬の輝きを讃えるものとして、深く心に響くメッセージを持っています。
それは、どんなに時代が変わろうとも変わらない、人間が自然の中で感じる普遍的な美しさと喜びの表現なのです。
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