【2021年最新版】香港でドローンを飛ばすには?疑問を徹底解説します!
下から見る高層ビル群も良いのですが、上から見られるようになったのが現代文明のいいところ。
ということで今回は、高層ビル群の摩天楼、離島、そびえたつ山々が魅力的な香港でドローンを飛ばすには?という特集です!香港は日本と比べてもかなりドローンにやさしい国、そう。ドローンフレンドリーなのです。となれば飛ばさない手はありませんね。もちろん危険を伴うこともありますので、ルールはきちんと理解して楽しみましょう。
パンダバス香港支店ではドローンを保有しています、行く先々での経験値もありますのでどうぞ参考にしてください!
海外でドローン空撮を楽しむためには、まずはその対象となる国のドローンに関する法律を理解していないといけません。
「日本から香港にドローンは持ち込めますか? 重さやサイズの制限は?」
「香港ではドローンを飛ばしてはいけない場所などの制限はありますか?」
気になるところではありますが、まとめてお答えしちゃいます!
ここでは、世界ドローン販売シェアNo1のDJI社のウェブサイトに記載されている香港でのフライトガイドから、9つのドローン規制の基本を抜粋するとともに、香港でのドローン空撮の実情も合わせてご紹介いたします。
▶DJIウェブサイト・香港でのフライトガイド
まずは、こちらのウェブサイトから香港でのドローン空撮の際に踏まえておくべきポイントを抜粋します。
① 観光客でもドローンを飛ばすことができる
② 7kg未満の機材は申請せずに飛ばすことができる
③ 高度制限91メートル未満で飛行すること
④ 夜は飛ばさないこと
⑤ 常に視界での飛行とすること
⑥ 群衆から離れて飛行すること
⑦ 航空局のウェブサイトを確認すること
⑧ 危険な場所で飛ばさないこと
⑨ 機材やバッテリーは機内持ち込みで
なるほど、分かるようでわからない部分もありますね。ちょっと長くなりますが解説していきます。
①観光客でもドローンを飛ばすことが出来る
これは何ともうれしいですね!旅行という特別な時間をきれいに記録しておけるのは大変ありがたいです。記憶はもちろん大切ですが、記録もそれ以上に大切なものだと思っています。
趣味でなく、ビジネスの目的、専門的な目的でドローンを操作する場合は、香港民間航空局(CAD)に申請書を提出し承認を受ける必要がありますのでお気を付けください。
また、日本でも機体保険や賠償責任保険などドローン専用の損害保険がいろいろとできてきていて、その海外プランなどもございますので、心配な方はあらかじめ加入しておくことをおすすめします。
② 7kg未満の機材は申請せずに飛ばすことができる
7キロって小さなお米より重いじゃない。え?そんな重いドローンがあるの?と思った方に朗報です。映画撮影などに使われている、DJI社の Inspire 2 という、かなり大型のドローンがありますが、それでも基本重量は3.4kgです。重いカメラやレンズやいろいろなオプションを付けた場合の最大離陸重量でも4.2kgです。 つまり、7kg未満という香港での規制は、簡単に言うと「ほとんどの民生用ドローンは申請無しで自由に飛ばしてもいいですよ」ということです。難しく言っているだけ、というやつです。
③ 高度制限91メートル未満で飛行すること
いまいちメートルで言われてもわかりにくいですね。ちなみに日本の富士山は3,777mです。
300フィート未満=91メートル未満であれば、規制なく飛ばせます。それでは、海抜934メートルのランタオピーク(鳳凰山)の頂上からドローンを飛ばすとどうなるでしょう。 答えは、934m + 91m = 1,025メートル(未満)の高さまで飛ばすことができます。当然、この高度を意識しながら飛ばすことは大切ですが、DJIなどの一般的なドローンでは、離陸ポイントの標高がゼロとして記録され、そこから約90mの高さに達すると、コントローラーが警告を告げますので、自分が忘れていても親切に教えてくれます。
④ 夜は飛ばさないこと
こちらは、後述の⑤と合わせて実のところ守られていないケースが散見されます。香港は、ご存知のとおり、「百万ドルの夜景」でおなじみの、夜の顔も大きな魅力。そして、YouTubeなどをみると、夜景のドローン動画もたくさんあがっていますが、すべてがややこしい申請手続きを済ませているとも思えませんね…
それでも、観光で香港に来られる方が夜景を撮影したい場合は、日の入りから15~20分くらいの時間を狙って飛ばすとよいかと思います。この時間には十分に夜景といえる高層ビル群の明かりはついていますし、冬の季節であればイルミネーションなどもすでに華やかになる時間帯。そしてなによりもMagic Hourということですばらしい色相のマジカルな映像を動画におさめるまたとないチャンスでもあります。どう?飛ばしたくなってきましたよね~。
どうにもこうにも、すっかり日の落ちた後の時間のベタな夜景をどうしても撮りたいこだわり派のみなさまには、事前に専門的な目的として香港民間航空局(CAD)の承認を受けることをおすすめします。
⑤ 常に視界での飛行とすること
こちらも実際には守られていないルールとなってしまっています。 どんなに視界のよい日でも、ドローンまでの距離が50メートルを超えてくると、肉眼でとらえ続けるのは至難のわざです。
実際のところは、ほとんどのドローン操縦者が、視界でとらえているわけではなく、地形を把握しつつ、コントローラーの映像をみながら、ドローンのセンサーなどを十分に活用しながら操縦しています。ここでも文明の発達に感謝という感じです。
ただ、例えば視界をさえぎる山の裏側で万一墜落障害事故を起こしてしまったとなれば、ルール違反の自己責任になりますので忘れることなきよう。
⑥ 群衆から離れて飛行すること
CADのウェブサイトには、「UA*の操縦者はUASによって人や財産が危険にさらされないようにする責任があり、安全に飛行できると合理的に納得した場合以外はUASを飛行させてはならない。」とあります。
また、「管理下にない人、船舶、車両、構造物の上空、または、50m以内を飛行してはいけない」「離着陸時には必然的に立ち会う人以外の人の上空または30m以内に飛行してはならない。」とありますので、これらが、CADによる第三者の安全への規定であり立場であると考えられますので理解しておく必要があるかと思います。
実際のところは、「群衆」の定義そのものがあいまいなこともあり、香港では人の多い公園などでトライポッド撮影を楽しむ若者なども多く、まわりの方たちも寛容に受け止めているんですね。また、操縦者が「安全に飛行できると合理的に納得」すればよいのか、どのくらい正確な真上が「上空」となるかなどは個人の感性にゆだねられる部分もありますが、あくまで慣習や一般常識に照らし合わせて考えましょう。
「自分が嫌がることは、人にしない。人が嫌かもしれないと思うことは、自分はやらない。」人にやさしく生きていきましょうね。一方、商用契約が絡むイベントなどでは、主催者側から許可のない空撮は当然許されない行為とみなされ、過去にはコンサート会場やカーレースのコース上などを許可なく空撮したことで問題となったケースもございました。
⑦ 航空局のウェブサイトを確認すること
香港民間航空局(CAD)のウェブサイトには「CAD で許可されている場合を除きドローンを飛ばしてはいけない場所」として、明確なガイドラインの記載がありますので、まずは法規制を理解するためにみておきましょう。
DJIのドローンを使っている方は、DJIのFlysafe-GeoMap をみておくと、機種ごとのルールや禁止区域が理解しやすく便利ですよ!
DJIのアプリ、今では「DJI Fly」 と 「DJI GO 4.0」 の2つが使われていると思いますが、フライトの前にこれらのアプリのデータをアップデートしておけば、禁止エリアや制限エリアに近づいたりした場合に警告がでるので安心です。
※ アプリは日本語でセットしておけば警告などもすべて日本語となるため安心です。これはぜひとも渡航前に準備したいですね!
⑧ 危険な場所で飛ばさないこと
どこが危険でどこが危険でないか?は、操縦者の技量も合わせて判断すべきことですし、グレーな場合が多いのですが、、、(そんなんばっかりだね、と言わないでください)
CADのウェブサイト記載の禁止エリアは、
①航空機との接触の可能性のある場所
②混雑した地域の上空
③特定の施設の上空
の3つの明確なポイントを踏まえて定義されています。
また、その場所が危険でなくとも、気象警報が発令されるような強風や豪雨の中のフライトはコントロールを失いやすいく危険なため禁止されています。
さらに、濃い霧などの場合は視界がなくなることに加えドローンのセンサーが過剰反応したり迷ったりして操縦が難しくなるため注意が必要です。上空だけが強風であるような場合には離陸前にはわかりづらいものですが、機体が受けている風力が規定値を超えた場合コントローラーに警告が出ますので安全な操縦の判断材料になるでしょう。
もちろんこれも身をもって感じた経験値です。霧はとても危険!
⑨ 機材やバッテリーは機内持ち込みで
ほとんどのエアラインの規定では、100Wh未満のバッテリーは20個まで機内持ち込み荷物として運ぶことができます。逆に、チェックイン荷物にバッテリーを含めることはできないので注意が必要です。
DJI Inspire2 クラスの大型ドローンでもバッテリーは100Wh未満なので、ほとんどの民生機種のドローンのバッテリーには問題ないと思いますが、念のため該当の航空会社のHPをよく見ましょう!機材も周辺機器も予備のバッテリーも、日本から香港への飛行機での持ち込みに問題はないということです。
(画像は日本航空のものです。航空会社によって変わる場合がありますので随時ご確認ください)
それでもちょっと不安が残る…。広東語分からない…。保険も分からない…。ということもあるかと思います。そんな時はPandaBusにお声掛けください!言葉、法律、賠償責任などの不安要素は、ドローンを熟知したスタッフたち、ネットワークを使ってお困りごとを解消します!
▶最後に
この記事を読んで「香港へ行きたくなった!」「ドローンデビューは香港で!」となっていただければとてもうれしいです。
香港では、離島や山々の景色のよい場所に行くと、常に2~3人は趣味のドローンを飛ばしているように感じます。週末の比較的混んでいる時間帯ではさらに多くの方々がドローンを飛ばしている様子を見ることも出来ますよ!ほかの人が飛ばしている様子を見ているのも結構面白いものです。これを書いている中の人は、もっぱら見る&映る専門です(笑)
登山やトレッキングの想い出にトライポット撮影や「自撮り」空撮を行っている初心者から、かなり手の込んだ操縦での撮影をマニュアルでやっている上級者まで、それぞれの用途で楽しんでいます。旅先でのドローン仲間に言葉はいらず、機種を言い合ったり、コントローラーをみせあったりして、笑顔で行き交います。これもまた旅の醍醐味ですね。
日本では事故などばかりが大々的に取り上げられ、ドローン = 危険、人騒がせ、迷惑、といったイメージが強いように見受けられますが、香港では、興味を持って寄ってくる人はいても、空撮を誰かにとがめられるようなケースはほとんどないのではないでしょうか。
ルールを守り、安全なフライトをすることで香港がいつまでもドローンフレンドリーな国であることを切に願います。
※ この記事に掲載した内容は2021年1月5日時点のものとなります。
※ 実際の香港でのドローン空撮にあたっては、記事中の関係機関の各ウェブサイトの最新情報を確認ください。
▶用語集|便利なウェブサイト集
・UAS : Unmanned Aircraft Systemの略で、無人航空機 = ドローンの専門用語です。
・CAD : Civil Aviation Department の略で、ここでは香港民間航空局のことです。
・UASに関するCADの取り決めが記載されたウェブサイトはこちら
・DJIのフライトマップ :地域、機種で絞込、飛行制限空域、高度制限空域、許認可空域、警告空域、強化警告空域など色分けされた地図をみることがでできます。
※ urlが英語・広東語環境の場合は翻訳アプリなどでご参照ください。
パンダバス香港ドローン動画たち(⇩)
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