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30年ぶりに視聴したドラマ「高校教師」を見て思ったことを書く⑦ 10話

1993年1月期のドラマ「高校教師」を30年ぶりに視聴しました。たまたま眺めていたTverに「昔の名作ドラマ」特集でこのドラマが置いてありました。「高校教師」は30年前のドラマで最終回には視聴率33%をたたき出すほどの話題作であり、中学生の私も楽しんでおりました。

 このドラマは令和時代において「不適切なドラマ」の筆頭で、今ではとても放送できないドラマと言われております。90年代において学校の先生と生徒が恋愛をすることを「禁断の愛」とか言われていました。それだけではなく、レ〇プだの近〇相〇だの、今じゃ絶対ダメだろっていうのも満載で再放送はまず無理だと言われています。

 でも、そんなドラマがTverで見れる。怖いもの見たさでもう一度しっかり見たくなりました。

 相変わらず更新が亀のように遅いですが、ようやく10話に到達しました

 ここまでのストーリーはこちらです

 スピンオフの決着

 9話で高校教師のスピンオフに決着がつきました。京本政樹の狂気の演技から、高校教師が激ヤバドラマと認定され、令和の時代には二度と放映できないとされていますが、このシーンはやっぱりスピンオフなのです。
 
 何度でも言います。高校教師は真田広之の物語なのです。
 
 京本政樹は真田広之のダークサイドという考えもわからなくはないが、私はやはり違う人物だと考えます。それでも、真田広之はかなりの影響を受けてしまったのは間違いないでしょう。

 京本政樹の悪事は桜井幸子の手によって白日の下にさらされ、赤井英和にボコボコにされて決着がついております。30年前に見たときは京本政樹の狂気におびえ、中性的なルックスに嫌悪感に似た嫉妬もあったのか、赤井英和にボコボコにされたのを見て不覚にもスカッとしてしまいました。
 
 しかし、いくら何でもやりすぎでしょう。元ボクサーの赤井英和が無抵抗の京本政樹に10発以上殴ったら死んでしまいます。明らかにやりすぎです。       右腕および肋骨3本を折られる重体です。
 
 「これを法にさばいてもらおう」と京本政樹が病院でお見舞いに来た真田広之に言ってましたが、そりゃそうだよねと納得してしまいました。

 そのあとの「そうじゃなければ、私のやったことは正当化されない」という発言はさすがに狂ってますが、あれだけ必要以上に殴られたら赤井英和を訴えても十分勝てるだろう。

 最終的には告訴を取り下げるのだが、京本政樹の本心はどこにあったのだろうか、謎のままに高校教師の舞台からフェードアウトするのであろう。

 とはいえ、高校教師2003年バージョンではベテラン教師として、日向女子高校の教壇に立ち続けております。赤井英和は教師をクビになり、真田広之は新潟のローカル鉄道で寝たまま行方不明になっている一方で、立派に教師を務めております。

 あれだけの狂気に満ちた京本政樹だったら、天罰が下ればよいと思ってもおかしくないが、2003年バージョンに出てきたときはなぜか嬉しくなったぐらいでした。あの感情は何だったんだろう。

 といっても、2003年高校教師は1話でギブアップしちゃいましたが…… 

 桜井幸子は父親にあまりビビってないのでは?

 京本政樹のスピンオフについてあれだけ語らせていただきましたが、高校教師は真田広之の物語です。

 賛否はあれど赤井英和が京本政樹をボコボコにしたシーン。「教師のまえに一人の人間だ」と言ってますが、明らかにやりすぎです。それでも持田真樹のために後先考えずにとったやり過ぎともいえる漢気に見事に奮い立たされます。

 真田広之は桜井幸子の父親との不適切な関係を実際に見てしまっています。見事に感化されて何を勘違いしたのか、自宅に乗り込んで父親から、強引に連れ出してしまいます。

 最近になってからDVや育児放棄など問題のある親から子供を救い出すという話もあります。DVはもちろん胸糞が悪くなるので、子供を地獄から救い出すシーンは不覚にも胸が熱くなります。モラルを考えるとそれがホントに良いことなのかは悩むけど、暴力をふるう親から引き離した方がよいと思ってしまいます。

 ではあの親子の不適切な関係はどうだろうか?

 想像するだけで気持ち悪くて吐き気がします。私も自慢ではないが、暇さえあればすぐネットに転がっているエロ動画を見てしまっております。いったい何をやっているのでしょうか、我ながら自己嫌悪に陥ります。それでも、近〇相〇ものはなぜか手がでません。父と娘の関係なんか気持ち悪すぎて手に取ることも憚れます。たとえいつもお世話になっている方が主役であってもです。逆はもっと気持ち悪い。年齢を重なるたびにいつの間にか感受性が強くなってしまっているのだろうか。レ〇プものとか近〇相〇ものが全然受け付けなくなってしまってます。

 真田広之が桜井幸子を問題のある父親から引き離したのは、本能の赴くままの衝動的な行動でしょう。桜井幸子を自分のアパートに泊めて、自分はビジネスホテルに泊まることで、教師と生徒という禁断の関係に一定の距離を置いてます。

 とはいえ、真田広之のアパートに一人で寝泊まりするのは、さぞかし落ち着かないでしょう。父親には住所も電話番号も突き止められております。夜中にわめきながら押しかけてきます。散々怒鳴り散らした挙句、泣き落としに掛かります。かと思えば素手で窓ガラスを破壊して開けようとしております。夜中一人でいるときにあんな奴が襲い掛かってきたら、メチャクチャ恐いです。

 しかし、桜井幸子の心中は実際のところどのように感じていたのだろうか?不適切な関係であるとはいえ実の父親です。傍で見ていた私はメチャクチャ恐かったが、桜井幸子はあんまり怖がっていないようにも見えます。相変わらずの無表情でおびえているのかどうかもわかりません。むしろ、父親を憐れんでおり部屋に入れてやるかどうか迷っている感じです。

 さらにいうなら、父親を部屋に入れてしまったら真田広之を裏切っているような感じの迷い方かもしれません。あの父親に恐怖しているのは、私たち視聴者だけかもしれません。

 やはり高校教師は真田広之の物語だ

 真田広之と桜井幸子は遊園地にデートに行きます。桜井幸子は普通に制服で遊園地で遊んでますが、教師と生徒という禁断の愛という設定は忘れ去られております。

 感覚が古いのは私だけでしょうか?

 遊園地やら水族館やらで普通にデートをしていることに何のためらいもありません。挙句果てには夜中に学校に忍び込んでバスケをする暴挙に出ております。

 ひねくれたことばかり言ってますが、それでも鎌倉デート時よりも楽しそうにしております。

 しかし、真田広之のご乱心が発動し、暴言を吐いてしまいます。

 あの不適切な関係を見て、父親から無理やり引き離したりした挙句、「気持ち悪い」とかとんでもない暴言を吐きます。

 あの関係が気持ち悪いのは同感ですが、当の本人に言うのはいくら何でもダメでしょう。

 でも、真田広之の精神は崩壊しているのです。正論で突っ込んでも何も響きません。赤井英和にアドバイスを求めたって何一つ刺さりません。

 思えば、真田広之が高校の先生に赴任してから3か月しか経過してませんが、いろいろあり過ぎです。

 いつか研究者の道に戻れるかと思っていたが、女子高の先生という片道切符だったこと。
 定められたレールに沿って生きている途中で、はじめから決められていた結婚相手がかなりのクソ女であったこと。自分から婚約解消したつもりが、なんか負けたような気分になったこと
 赴任した女子高で1週間も経過せずに塩酸をぶっかけられたこと。(実際に被害にあったのは桜井幸子だが)
 
 片道切符の女子高の先生になることが人生のどん底に落ちたと勘違いもしたくなるだろう。そんなときの唯一の希望がやたらと付きまとう桜井幸子だが、教師と生徒との禁断の恋だった

 禁断の恋に対して理性を保とうとしていたが、桜井幸子の攻勢にあっさりと陥落したところまでは良かったが、かなりの地雷案件だと知ってしまう。

 京本政樹のスピンオフになぜか強い影響を受けてしまい、勘違いした正義のヒーローを気取ってしまう

 教師としては割り切れても「一人の人間」としては、あの不適切な関係は気持ち悪くて受け入れられない。

 真田広之が随分と身勝手に見えるが、女子高に赴任してからの3か月、彼の精神は崩壊していることでしょう。

 よくもまあ、いろいろと詰め込んだものだ。ここまでやられたら私も耐えられません。手遅れになる前に女子高から逃げた方がよいです。

 京本政樹が言うように「人を本気で愛したら狂います」というのは見事に当たっています。狂っているクセに理性やら正義感とかを持ち出すから余計に苦しいのでしょう。

もしかしたら10話はリアルタイムで見ていなかった?

 傑作とよばれるドラマは最終回よりも一つ前の話が一番面白いと私は思っています。あの父親の狂気や真田広之のご乱心などかなり見ごたえのある回でした。クライマックスまで一気に駆け抜けたくなります。

 30年前にリアルタイムで見たときは、10話がごっそり抜けた状態で最終回を見てしまったようです。

 10話を飛ばしてしまうと、真田広之が成田空港でなぜか桜井幸子の父親を彫刻刀で刺してしまってます。それを娘の桜井幸子が無表情で見ているのが最終回のスタートです。

 「???」いったい何が起きた。

 といった感じで最終回を迎えております。物議をかもしたあのシーンもいまいち消化不良に終わってました。

 そういう意味でも10話は最も重要だったと言えます。

 真田広之がご乱心の間に、桜井幸子は正気にもどります。

 一人で舞い上がっている真田広之にとってあの関係は不適切で気持ち悪いが、娘の桜井幸子にとってはやっぱり余計なお世話だったんですよね。

 真田広之が好きなのは本当だろうし、不適切な関係が嫌なのも間違いないだろうけど、それはそれとしてなんでしょうね。真田広之は赤井英和に影響されて正義のヒーローになってしまってるけど、ありがた迷惑も良いところです。

 法律のことはよくわからんけど、あの関係は気持ち悪いけどホントに罪なのだろうか?
 いろいろ問題あっても、やっぱり実の親子だぞ。やっぱり戻ることを選ぶのが普通ではなかろうか?
 真田広之のアパートに父親が押しかけてくるのはホラーでしかないが、間違いなく桜井幸子はビビっていない。部屋に入れてやるかどうか迷っていただけではないだろうか?

 こうして正気に戻った桜井幸子はお別れの手紙を残して、アパートを去り父のもとへ戻ります。そして、二人でアメリカに逃げます。航空券は手回しよく用意されていたみたいだが、この先どうするつもりなんでしょう。

 それにしても、真田広之は完全に狂っています。置手紙をみて成田空港まで追いかけます。そして、父親を彫刻刀で刺してしまいます。

 いやいや、お前は振られたんだよ。

 いつのまにやら真田広之の優柔不断さに感情をメチャクチャに揺さぶられているから、不適切な父親を敵視するようになっているけど、別に刺される覚えはないはずだ。京本政樹だったらあれだけ殴られて当然だと思わせておきながら、あの父親も同類だと錯覚させられている。

 しかし、どう考えても真田広之が悪いです。何一つ正当化できません。

 こうして、30年前の激ヤバドラマとして最終回に向かいます。


 

 


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