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30年ぶりに視聴したドラマ「高校教師」を見て思ったことを書く ②

 Tverで昔の名作ドラマ特集 に「高校教師」があったので、30年ぶりに視聴しました。このドラマは最高視聴率が33%とかなりの人気ドラマで、中学生の私も視聴しておりました。

 このドラマは令和の時代の「不適切なドラマ」の筆頭であり、レ〇プ、近親〇姦、同〇愛などコンプライアンスを完璧に無視したドラマで、回を重ねるごとに何か不穏な空気をまとっておりました。

 30年ぶりに視聴したら先が気になりすぎて1話から最終話まで一気に見てしまいました。思ったことを書こうとしたものの、1話だけで3000文字くらい書いてしまったので、少しずつ小分けにして感想を書いていきたいと思います。

 

第一話の感想はこちらです

 1話は真田広之が女子高の先生に赴任し、桜井幸子と出会うまでです。1話は「不適切な」描写はなく、静かなスタートですがこれから何かが起きそうな雰囲気をまとっています。どのようにして2人が出会うのか?これから何が起こるのか、静かにスタートさせます

 第2話から4話まで思ったことを書く

  「高校教師」は大前提として真田広之の物語です。桜井幸子は脇役です。加えて言うなら、京本政樹と赤井英和を含めた3人の高校教師の物語です。2話から4話までが一区切りとなります。

 真田広之はもともと大学の研究室に所属しており、将来は大学教授として将来が期待されております。恩師である大学教授の娘と婚約しており、結婚が約束されております。なぜ大学の研究員が女子高の生物教師として赴任することになるのかわかりませんが、期間限定で井の頭公園近くの女子高の先生となります。

 真田広之はあくまでも研究者として生きているので、女子高の先生は腰掛にすぎません。それを赴任先の高校で公言してはばからないので、何ともプロ意識に欠けた高校の先生です。赴任初日に駅員と揉めていた桜井幸子を助けたことをきっかけに、付きまとわれるようになるのですが、小娘に付きまとわれたぐらいにしか思っていません。私があんなにかわいい子に言い寄られたら一発でやられてしまうのですが、あくまで高校の先生は腰掛で婚約者もいるので、あからさまにウザいと思っていたでしょう。

 2話から4話で描いているのは「高校の先生なんてコリゴリだ」ってことです。真田広之は運動もできないくせに、強豪の女子バスケ部の顧問になります。全くバスケができない奴が顧問となったら部員は不満たらたらです。背が高くて髪が短く男みたいなキャプテンを中心に真田広之への陰湿ないじめが始まります。腕立て100回やらされたり、部室に閉じ込められたりと散々な目にあいます。そして最後は塩酸ぶっかけ事件となります。塩酸ぶっかけの凶行はまた別の理由があるんだけど、女子高の先生なんかなるもんじゃないねって思うのも無理ないでしょう。当時は先生が生徒に舐められているぐらいにしか思いませんでしたが、大人になって見たらやっぱりおっかない。

 もう一つのポイントは真田広之の婚約者がまあまあのくそ女で、婚約が決まっているのに普通に別の男とラブホテルに行きます。闖入者の桜井幸子でもわかるような派手な車乗り回していたら、一発で特定できちゃうでしょう。隣の喫茶店で張り込みを続けます。その後、婚約者と桜井幸子が1on1で対峙します。この二人の1on1はなかなかにピリピリするものがあります。婚約者はメチャクチャな結婚観をぶっちゃけます。デート中に「ペンギンの生態」を淡々としゃべってる真田広之もツッコミどころ満載で、「つまんねー男」認定されるのも正直だと思いますが、女の本音はメチャクチャ怖い。一生知らないまま、無邪気に過ごしたいものです。
 こっから桜井幸子の真骨頂であり、無表情で婚約者をエスカレーターから突き飛ばします。ぶっちゃけ話によほどムカついたのでしょう。これまでのドラマでサイコパスキャラは何人も見たことありますが、セリフ無しの無表情での突き飛ばしは怖かったです。

こっからネタバレになります。気をつけてください

 婚約者の浮気相手は真田広之の同僚の研究者であることを真田広之は知ってしまいます。さらには、女子高の先生は期間限定でいつかは研究室に戻り将来は約束されていると無邪気に思っていたが、実際は片道切符で研究室でのポストはなくなっていたのです。教授の娘との結婚は餞別代りだったということでしょうか。平然と同僚と浮気をし、結婚相手をつまらない男呼ばわりしておきながら、独特の価値観を持つ女。やっぱり婚約解消となります。 こんな女張り倒してやりたいぐらいでしょうが、真田広之は優しくも優柔不断な男でしょうね。静かに別れを選ぶことになります。

 というように2話から4話までダラダラと書きましたが、真田広之にとっての女子高の赴任は、ブラック企業への左遷という片道切符に乗せられたってだけです。女子バスケ部のキャプテンに陰湿な嫌がらせをされ、くそ女との婚約解消となって、この1週間ですべてを失ってしまったと考えたということです。これが思い通りに研究者に戻ることができたら、桜井幸子は闖入者の一人としか思わなかったでしょう。すべてを失ったと被害妄想している真田広之にとって唯一残っている希望が桜井幸子であるということです。

不適切なサイドストーリー

 高校教師は真田広之の物語で、高校の先生が片道切符であることを4話まで描いておりました。ここまではぶっちゃけよくある人生の話で、当人にとっては理不尽ではありますが、このストーリーで視聴率33%も取れると思えません。まだまだ普通のドラマでしょう。

 なので野島伸司はサイドストーリーに激ヤバシーンを入れてきます。サイドストーリーの主人公は持田真樹です。「高校教師」は3人の先生の物語のうち京本政樹と赤井英和はサイドストーリーのメインキャラクターとなります。桜井幸子は脇役でもありません、持田真樹のストーリーにおいてはセリフのあるモブキャラです。京本政樹は中性的な顔立ちで女子高の生徒からの人気は絶大です。持田真樹も京本政樹に憧れているミーハーな女子高生です。一方で赤井英和はこわもてで、パーマをかけた女子高生に髪の毛を引っ張って容赦なく水をぶっかける体育教師なので、生徒からかなり嫌われております。教育熱心なのは結構ですが、女子高生に体罰って昔も今もアウトでしょう。

 持田真樹が京本政樹のためにお弁当を作ってあげたことがスタートで、そのあと補講でLL教室に来るようにと、京本政樹に呼ばれます。そのあと持田真樹の身に何かが起こります。それを2話のクライマックスでぶち込んでくるので、野島伸司の激やばドラマとして認定されます。

 高校教師はあくまで真田広之の物語であり、クライマックスに向けて目が離せなくなるのは確かです。一番やりたかったのは物議を醸しだしたラストシーンですが、4話までのシーンは説明臭くてとても33%も引っ張れるとは思えません。なので対照的な3人の先生をつかいながらサイドストーリーをぶち込んできたのでしょう。

 5話以降へ続く


 

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