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30年ぶりに視聴したドラマ「高校教師」を見て思ったことを書く⑧ 最終回

  1993年1月期のドラマ「高校教師」を30年ぶりに視聴しました。たまたま眺めていたTverに「昔の名作ドラマ」特集でこのドラマが置いてありました。「高校教師」は30年前のドラマで最終回には視聴率33%をたたき出すほどの話題作であり、中学生の私も楽しんでおりました。

 このドラマは令和時代において「不適切なドラマ」の筆頭で、今ではとても放送できないドラマと言われております。90年代において学校の先生と生徒が恋愛をすることを「禁断の愛」とか言われていました。それだけではなく、レ〇プだの近〇相〇だの、今じゃ絶対ダメだろっていうのも満載で再放送はまず無理だと言われています。

 でも、そんなドラマがTverで見れる。怖いもの見たさでもう一度しっかり見たくなりました。

 Tverのドラマは時間泥棒ですね。休日つぶして一気に最終回(ネットに転がってます)まで見てしまいました。高校教師も物議を呼んだラストシーンこそしっかり覚えているが、当時は見たり見なかったりでかなりストーリーが抜けてましたね。初めてみるドラマのように楽しめました。

ここまでの感想はこちら

 ここまで7回にわたり時間をかけながら好き勝手に書きなぐりましたが、ようやく最終回です。なかなか書き始めないくせに、書き始めると止まらなく毎回にわたり長文になっております。ここまで読むのは大変だったでしょうが、読んでいただけた方ありがとうございます

 最終回の話を順に振り返ってみましょう

 30年前のドラマ「高校教師」は終わってみれば視聴率33%をたたき出す大ヒットとなり、93年1月クールの話題をさらいました。高校の先生が教え子と恋愛関係になるという禁断の愛から、レ〇プ、同〇愛、近〇相〇と今じゃ放送できそうもないことをてんこ盛りに入れておりました。
 とはいえ、始まりはそこまでの話題作ではなく見たり見なかったりとブツ切りの状態で視聴していて、このドラマはヤバいヤバいと言っていたもののしっかりストーリーを終えていませんでした。
 個人的には全く記憶になかった10話でしたが、視聴率は少なくとも25%ぐらいとっていて注目のドラマとなっていたため、最終回はちゃんと見ようと思いました。

 最終回は、真田広之が成田空港で桜井幸子の父親(峰岸徹)を彫刻刀で刺すところから始まります。

 「????」 なんでこうなるの?

 って状態から始まりました。

 刺された峰岸徹はタクシーで自宅に戻ります。タクシーには刺した真田広之と娘の桜井幸子が一緒に乗っております。

 もともと死期が迫っていることを悟っているためか、自宅につくなり一人部屋にこもってから、自ら火をつけて自殺してしまいます。

 こうして桜井幸子の父親は焼身自殺という形で死亡します。

 桜井幸子はあくまでも自殺ということで、真田広之をかばいます。

 父親が焼身自殺をした後に、行方不明となっているので警察からマークされております。

 最初は持田真樹の家に潜伏していたけど、警察はそこまで突き止めており、追いかけまわされることになります。

 最終的には真田広之のアパートに逃げ込みます。取り締まりを受けるぐらいまでマークされてる人間が真田広之のところに行ったらダメでしょう。

 警察は優秀なのかそうでないのかよくわかりません。

 この時点では、自宅から逃げた桜井幸子が放火の容疑者としてマークされており、たぶん真田広之はノーマークだったのでしょう。それにしても持田真樹の家に潜伏しているところまでは突き止めちゃっているのでしょうか。どこかで見られてしまったと考えるのが妥当ですが、真田広之のアパートまではわからなかったのでしょうか。

 真田広之は何食わぬ顔して教壇に立つことはできたみたいだが、親が両方ともいなくなってしまって家も無くなってしまった桜井幸子が学校に行くのはもう無理でしょう。

 しかも放火による父親殺しの容疑者となっております
 
 この状態で真田広之のアパートに駆け込みます。この時、実際に父親を殺そうとした真田広之はさすがに自首するつもりでおります。

 しかし、最後まで桜井幸子は真田広之をかばい続けます。

 「もし自首をするなら、私と父親の不適切な関係」をしゃべる

 こうして観念したかのよう自首をすることをあきらめ、アパートで一夜を共にした後、真田広之の地元の新潟にもどって2人でやり直すことを約束します。

そして夜が明けた

 その日は「高校教師」の舞台である女子高の卒業式です。赤井英和は傷害事件でクビになっているので卒業式に参加することはできません。ボコボコにされた京本政樹は完治していないものの卒業生を見送っています。持田真樹はともかく、卒業生のなかでも毒牙にかかった生徒もいるでしょう。何食わぬ顔で出席しております。

 この後の2003年度版「高校教師」にも出演しているぐらいなので、一方的にボコボコにされたということになっているので、スピンオフは闇に葬られていることでしょう。

 桜井幸子は2年だから、別にサボってもあんまり問題ありません。一時的にバスケ部に所属していましたが、帰宅部なので先輩に対する思い入れもありません。告白してきたバスケ部のキャプテンはどっかに転校しちゃいましたしね。

 というわけで、当事者でもなんでもない卒業式が行われます。

 サボるつもりでいる桜井幸子が目覚めた時には、真田広之はもういません。せっかく赤い糸で拘束したのに、見事に外されて逃げられてしまいました。全然気が付かなかったんでしょうね。

 そして、赤井英和に見送られてから特急に乗り、エンディングを迎えます

物議をかもしたエンディング

 不覚にも桜井幸子が警察に追いかけまわされるところは、完璧に抜け落ちてましたが、もちろんエンディングは覚えております。あのエンディングはどう解釈すればよかったのか。

 野島伸司の狙いは視聴者にいろいろ考えさせるラストを狙ったようです。

 30年を時を超えて私はどのように解釈するのか追っかけてみましょう

① 上野駅の時計は9時50分を指していた。
② 真田広之の乗る電車は「特急あさま」で上野から新潟県の直江津行きである。
③ 94年の時刻表を見たら、10時30分上野発の直江津行きがあった。

 桜井幸子にばれないように早起きしたはずだが、随分おそい出発ではないだろうか。しかも赤井英和が見送りに来ている。

 真田広之のアパートは下北沢のはずだ。最もオーソドックスな経路は、小田急で新宿にでてから、中央線か山手線で上野に行くだろう。なんだかんだで1時間ぐらいかかるかな。それでも8時ぐらいに出発すれば十分間に合う。

 見事に赤井英和が見送りに行くことができるのは結構凄いことではないだろうか。当時は携帯電話なんかないので、赤井英和の家に家電をかけたことになる。9時50分上野発だったらまだ余裕はあると思うけど、ポイントは桜井幸子にばれてはいけないことだ。

 ところで桜井幸子が目覚めたのは何時ぐらいだったのだろう。卒業式はさぼる気満々だったとはいえ、8時じゃ遅刻だろうな。3月時点だと明るくなるのは7時ぐらいだろうか。このぐらいに目覚めたとして、真田広之はもういない。

 7時前に家を出たとしたら随分とのんびりしている。行き先を知っているのかどうかはわからないが、9時50分上野発だったら桜井幸子は十分に追いつける。

 とはいえ、見事に桜井幸子を置き去りにして、赤井英和に餞別をもらって特急あさまに乗ることに成功しました。

 93年当時の特急あさまは、上野から直江津に向かいます。もちろん北陸新幹線なんてありません。特急あさまのルートは上野→高崎→軽井沢→篠ノ井→長野→妙高高原→直江津のようです。上野から妙高までは北陸新幹線と同じようなルートで妙高から直江津までが異なるようです。

 真田広之は物思いにふけりながら直江津にむかっていると、途中で桜井幸子が現れます。いったいどこで現れたのか全く分かりませんが、たぶん別の車両に潜伏していたのでしょう。なんで知っているのかわかりませんが、時系列を追ってみると同じ電車に乗るのは別に不可能ではありません。


 そのまま同じシートに乗って駅弁を食べながら「青海川」まで行きます。「青海川」という駅は日本海が目の前に広がる大変フォトジェニックな駅なので、一緒に見ようという流れになったかもしれません。第5話の鎌倉デートの時に真田広之は湘南の海は地元の日本海と比べて汚いと自慢するので、連れていけと言われたところです。こうして二人で青海川の駅で海を見ることができました。

 一方で警察は東京で取り逃がした二人を新潟で指名手配をします。警察は「越後川口」駅まで追い詰めます。「ん?越後川口?」なんでそんなところで張るかな?

 「越後川口」駅は上越線の浦佐と長岡の間にある駅です。そのため、特急あさまではかすりもしない駅です。なぜここを拠点にするのでしょうか?

  

 いよいよ最終回も終わりに近づきます。高2の桜井幸子がさぼっている卒業式も始まっています。持田真樹はちゃんと先輩たちが卒業証書をもらっているところを見届けています。「ぼくたちの失敗」をBGMにエンドロールが流れております。

 一方で青海川で海を堪能した後は二人を乗せた電車は走り出します。

 さすがにぼやけて見にくくなっておりますが、二人の乗った電車は信越本線で長岡に向かっています。二人で爆睡していても長岡でたたき起されます。青海川から長岡だったらどのくらいだろう。ひと眠りはできるかな。

 問題のラストは「お客さん、コートが落ちてますよ」と駅員に声をかけられます。ちなみに電車は動いております。コートが落ちていることでイチイチ声をかけるなんてお節介もいいところですね。

 駅員が声かけても寝ている二人というのが、30年経っても物議をかもし続けるラストとなるのです。

ドラマをあれこれ考察するのは実に楽しい

 心中説とか妄想説とかいろいろと考察されておりますが、単純に寝ているだけじゃないの、というのが私の考えです。

 単純に電車が動いているから、長岡にたどり着く前なので普通に寝ていると考えられなくもありません。寝る前に窓に猫の絵を書いてますが、全く崩れていません。長岡にもたどり着いていないでしょう。

 本当に二人が乗っているとなると警察は長岡でしょっ引くのだろうか。桜井幸子はともかく、真田広之も指名手配されています。殺人未遂もばれてしまっているのでしょうか。刺した後のタクシーにも血がべっとりついているので、それでばれてしまった可能性があります。

 罪状は真田広之は「殺人未遂」で桜井幸子は「犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪」といったところでしょうか。そもそも桜井幸子は未成年(ホントは当時19歳)だけど指名手配されるのでしょうか。越後川口にいる警察はこのまま長岡まで捜査を広げて、2人を逮捕しちゃうでしょうね。

 問題の電車のシーンを追いかけたら、以上が私の結論となります

 しかし、桜井幸子が本当に電車に乗っていたのかはやはり疑問です。

 だいたい、学校サボって新潟に行くのに制服着るのか?まずこれが引っかかります。自宅が全焼して服がないのはわかるけど、普通は私服で学校サボるでしょう。

 やっぱり不可能ではないとはいえ、都合よく同じ電車に乗れるのは引っかかります。といっても前日に真田広之が新潟で二人でやり直そうと調子のいいこと言っているので新潟に行くことは想像できたと思います。それでも都合よく乗れるのでしょうか。見事に同じ電車に乗るには真田広之がのんびりしすぎでしょう。

 そうなると妄想説が有力ですかね。何度も申し上げる通りこの物語は真田広之が主人公です。一人寂しく電車に乗っているときに桜井幸子を思い浮かべて妄想していたのでしょう。そして青海川で海を自慢することを夢見たことでしょう。

 実際は一人で青海川を見てから、そのまま長岡でしょっ引かれて終わるのでしょうかね。

 一方で桜井幸子はどうするんだろう。こっちは全然わかりませんが、普通に真田広之のアパートで寝てたりしてるのではないでしょうか?

 警察は新潟で二人で逃げたとされているけど、案外東京で逃げ切ってるかもしれません。といっても持田真樹のスナックはマークされてるし、しっかり犯罪者になってるからなあ。



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