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町のパン屋は今何をすればいいのだろう その2

駄菓子屋が消滅に向かっていくという報道がされたのは、どれくらい前だったでしょうか
おぼろげですが20年くらいからは言われていたと思います

時の謎の専門家やコメンテーターが言っていたことは
「駄菓子屋がなくなることで、子どもの社会性を育む場所が失われる社会問題になる」
というものだった思います

それから時は流れ、令和の世となり
はたして「駄菓子屋がなくなったこと」という事実を因果関係にした、子どもの社会性を育む場所がなくなったという論証がなされているのか
表立って聞いた覚えはないのではないでしょうか

多くの人はそんなことは忘れて、当時はほぼなかったであろう「子ども食堂」あたりがその役割を担っていると言えるのかもしれませんね


今日は2つのちょっとした出来事のお話です
ちょっと前に隣の建物の事務所が破産したらしく、同じ事務所に入った企業は近隣の介護施設の事務所だったとのことです
それでウチのパンを食べて「とても美味しい」と言ってくださり「なにかコラボだとか施設でも注文するかもしれません」とおっしゃっていただけました

こういうnoteという場所に。町のパン屋に対する思うことを書き始めて、その翌営業日にこういったことが起きるというのは出来すぎでは?

とりあえず私の必死のアピールが伝わったかは定かではありませんが、続報を待つか攻めて営業しちゃうか!?と言ったところです


もうひとつはもっと大したことないことです
お客さんが来なくて昼寝をしていたところ、扉を開けては閉めてゴンゴンする人がいましたので、覗いてみると下校中の小学1年生集団でした

外に出たら向こうも驚いたらしく、外のベンチから立ち上がってそそくさと行こうとしたので
「いいからいいから、暑いしゆっくり座っていきなさいな」
と言っておきました

したら、まあ安心したのでしょうか、もじもじしながら
「やきたての パン  あれば たべたいです ください」
なんて言いおる、じつにあつかましいことである

「またお母さんと一緒にきてちょうだいな」
と一蹴し、子どもらを見送った後に気が付きましたが

(もしや今の世の中で家にいるのがお母さんと断ずるのはよくなかったか?)
(というか家でご飯をあまり食べさせてもらってなくて、お腹空かしていた、なんて可能性もあるのか?)


それが正しいかはどうあれ、独身男性37歳、年収100万クラスともなると保護者というか教育者のような鋭敏な視野角で考えてしまうものです


────以上、今日起きたちょっとしたこと

これらやってることが「今、町のパン屋がなにをすべきか」なんて偉そうな題材に敵うかわかりませんが
少なくとも、かつての駄菓子屋でやっていたことのひとつでもあるし、町のパン屋でしかできないことでもある
そういう考えにもなります

────今日のお客さんの数は11人
────────この子らの成長を見る前に、この店が潰れそう

ということは置いておいて
まだまだ「町のパン屋がどうあるべきか」を考えていきたいと思います
多分、現役のパン屋でこんな暇な人間、私しかいないでしょうしね



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