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12月24日「フラれた」|取り立てて特徴のない19才フリーターと、彼の日記

フラれた。



オレの人生初の、失恋…。
失恋したよ。マジで。
ツラくて、ツラくて、泣いた。
少しだけど、泣いたよ。

フクダから今 電話がきて、めずらしく。オレが「フラれた」ってラインしたからなんだけど。アイツ、やっぱ優しいやつだよな。
言われた通り、詩でも書いてみるか?


今日のこと書き留めておきたい。なるべくサラッと。

もともと、オレ、祥くん、長江さん(女)、ヨシーでランチに行く約束をしてた。集まって、二時間くらいかな、ダベって、さぁ帰ろかってなって、まずヨシーを家まで送っていった。

3人になって帰り道ーー
オレが、「アノ話は出なかったね」って言って。オレ的には、ヨシーの返事待ちのつもりだったから こっちから急かすようなマネをするのは野暮だろうって思ってた。でも事情を知る長江さんから聞いた。

ヨシーは、オレの告白で結局何を求められているかよくわかってないって。どう返事をしたらいいかわからないって。オレはやっと、自分の告白の仕方が間違っていたことに気づいた。その瞬間、戻ってヨシーにちゃんと伝えなきゃって思った。
すぐに電話して、さっきヨシーと別れた場所で再会した。

少し歩いて、公園のベンチに二人で座った。
そして、オレの気持ち、ちゃんと ちゃんと伝えた。
もうすんごくヨシーのことが好きだって事。んで、今度はちゃんと「こんな状況だけど、よかったら付き合ってください」って。

ヨシーは…  ヨシーも緊張してるみたいだった。
彼女も一生懸命に気持ちを伝えてくれた。


その後は、しばらく真空だった。
本当に、そのあと なに喋ったとか全然 覚えてなくて。
心がからっぽ、真っ白、放心… そんな、歌詞とかドラマのセリフみたいなのが、実感としてそこにあった。

本当に何も考えられない。なにも喋れなかった。


思いっきり歯を食いしばって、たっぷり時間かけて。立ち上がって、強がった。
ヨシーを家まで送って、その姿が見えなくなるまで。
ひとり、力無くその場で座り込み、泣いた。
でも、自分のために涙流すんじゃない、って自分に言い聞かせて、すぐに止めた。

そのまま、ひたすら落ち込んで、考えて、苦しんで、迷って、どうしようもなかった。一時間かそこら、そこから一歩も動かなかった。
一時間も? たった一時間?

出口なんかなかったけど、体が芯からガチガチに凍えているのに気づき、このままだと死ぬかも、と思って家に帰ることにした。


人間てのはスゴイもんで、立ち上がって歩くと、ちゃんと少しだけ心が動くんだ。帰り道、オレはまだボトムにいたけど、
「自分のことばっか考えてちゃだめだ。とりあえず風呂に入ろう」
と思った。



「風呂は命の洗濯よ」
ゆっくり湯舟に浸かり、鏡で自分の顔をじーーーっとみつめる。
酷い顔だ。でもまだ生きている。

心が乱れた時の自分なりの対処法。
鏡で自分の顔をずっと見ていると、ゲシュタルト崩壊のような感じになって「アレ?こいつ何だ?」ってなって自分の事を客観視できるようになる。するとだんだん理性的に物事を考えられるようになる(効かない時もある)。


すると、ちゃんと答えは出た。

この、ボトムでグチャグチャの状態から抜け出したいなら、簡単なのは、ヨシーへの想いをスッパリ切って、悲しみを早く忘れてしまえばいい。
でも、それだけは絶対したくなかった。
だって大好きなんだもん。好きで好きで仕方ないんだもん。忘れたくなんかないもん!

じゃあ、どうすればこの悲しみから抜け出せる?
そこに、希望があればいい。そうだ、希望だよ!

付き合うのは×って言われたけど、好きでいるのを×って言われたワケじゃない。この気持ちを原動力に、この先 自分を磨いて磨いて、ヨシーに認められる、好かれるような男になってやる。

日本に帰ってきて、またいつかヨシーに会う時、成長した姿で、もう一度告白する。
希望さえあれば、まだ頑張れる。

よし!そうと決まれば、この決意をこの note に書き留め、
そうして今日が、
この長い一日が
終わる。

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