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日々よしなしごと~清ちゃん大好き!その1~

清ちゃん大好き!って、いったい清ちゃんてだれ??しかもその1って 笑

はい。清少納言のことでございます。続く、かもしれない・・・
まあ、とにかく古典(というか枕草子に)ハマってしまったいきさつを・・


清少納言とは、実は本名ではなくニックネームのようなものだったらしい。
「清」は、父親の名前が清原元輔であったからだが、「少納言」は、当時の宮中で男子の官職名。女性につくことはないはずこの官職名をつけるというのは、当時の彼女を取り巻く人々にとって、そう呼びたいキャラクターだったんじゃないかとは私の推測。
本名はあっても、女子は名前を出して表にでることなどない時代。
そして、書かれた当時にも一部読まれていたらしいので、作者の素性をぼかす意味もあったのかもしれない・・・


さて、古典の読み解きを始めたきっかけは、お茶仲間で始めた「徒然草」の読み解き。これも大変面白かったので、当店でも別メンバーを募集し、先生は同じ方にお願いし開始。「徒然草」が終了し次に選んだ題材が
「枕草子」だった。
当然「源氏物語」も候補だったが、全部は知らなくても光源氏の女遍歴?の内容は知っているし、同じ時代の古典作品で「春はあけぼの…」の部分は知っていても、そもそも他にどんなことが書いてあるのか知らないよね、
ということで「枕草子」に決まった。
先生は、お茶仲間で元高校の国語の先生だった方。

読み始めると、実に面白い!
はるはあけぼの、のような、いろんな自然やの情景や植物や鳥、暮らしの中で目にするさまざまなことを、清少納言の感性の赴くままに、好きとか嫌いとか、いいとか悪いとかそれぞれ挙げていく段もあれば、宮中の中で繰り広げられる出来事エピソードを書いている段もある。これらは、ほとんどがリアルタイムの日記ではなく、あの頃こんなことが・・・的な感じで「思い出話」として書いたといわれている。


あこがれの宮中に上がって、一番清少納言を喜ばせたのが、中宮定子との出会いだった。中宮定子は、一条天皇の后で大変な美貌と知性と教養を持ってた女性だった。
清少納言は、知性と教養だけではない人間としての懐の深さや、機知とユーモアと思いやりを持った定子にすっかり魅せられ敬慕し、忠誠を誓ったのだ・・・

その定子が入内したのは17歳くらい。年下の一条天皇の姉のような感じだったが終生変わらぬ寵愛を受けた。しかし24歳で亡くなってしまう。

枕草子は、その中宮定子のこと、自分と定子と交わした言葉ややりとりを、できるだけ詳細に、中宮定子の記録として書いていこうという決意をもって書いたんじゃないかと思う。

当時の宮中は、男たちの権力闘争の深謀遠慮渦巻く世界でもあった。
中宮定子も、天皇の寵愛を受けていたものの、後ろ盾だった父親の道隆が亡くなると、ライバルだった道長の世界に取って代わられ、あっという間に凋落する。天皇のそば近くの住まいから追い出され、少し離れたところに移るという屈辱を味わうことになる・・・

男たちの権力争いで、否応なく女性の運命と人生は翻弄され、どんなに頂点を極めていても、栄華と凋落は裏腹な紙一重の中に生きていたのよね・・・・

枕草子の中には、一切そういうドロドロな醜い世界を描かれてないのは、定子に対する配慮や、美しい思い出として残しておきたいという清少納言の切ない思いなのかもしれない。

と、ここまでの説明で、枕草子ってなんだか女の世界の浮き沈みが書いてあって、重い話なのか・・・と思わるかもしれないが、まったく実際は逆。
清少納言がこれを書いたのが27歳と言われてて、今でいうまさに女子!
宮中のキラキラファッション大好き! イケメン大好き! 好奇心旺盛! お転婆でおしゃべりも大好き!
そんな清少納言が見たその頃の世界(といっても宮中やその周辺だけど)の、色鮮やかで、生き生きと人が暮らす様子を、恋も仕事も遊びも目いっぱい楽しむ女子が綴る、思い出の記録でありエッセイなのよね。
なので、私はあえて「清ちゃん」と彼女を呼ぶことにしたい。
そして、枕草子と清ちゃんの魅力、もう少し語りたい・・・・と思うのだ!

つづく

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