それ、障害や病気のチェックリストに寄せていってませんか?【ぱりこラジオ第21回文字版】
毎週金曜20時にSpotifyで配信している「ぱりこラジオ」。
第21回は2024年5月24日(金)にアップしました。
こちらの再生ボタンを押すとここで直接聴けます。
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今回も「音声を聴くのが苦手、文字で読むほうが楽」という人のために、文字版をご用意いたしました。
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それでは文字版どうぞ! Spotifyの再生ボタンを押して、音声と文字の両方を同時に楽しむのもオススメです。
(文章版と喋りが違う部分もあります)
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◆それ、障害や病気のチェックリストに寄せていってませんか?
今日のテーマは「それ、障害や病気のチェックリストに寄せていってませんか?」です。
本題に行く前に、なぜこれをテーマにしようと思ったか話をさせてください。
実は先々週、私が10年くらい前から敬愛しており、かつ私の著書「疲れたら休めばいい、ということが何故こんなにもヘタクソなんだろう。」の監修もしてくださった心理カウンセラーの根本裕幸さんにビジネスコンサル的な相談をしに行ったんですよ。
ちなみに正確にはビジネスコンサルじゃなくて「スーパーバイズ」なんですけど、ラジオで細かく説明するのめんどいのでもうそういうもんだと思ってください。
で、そこで相談したことのひとつが「境界性パーソナリティ障害じゃないっぽい人が、私の作ったチェックリストを見て、自分は境界性なんじゃないかと言ってくる」だったのです。
根本さんのお答えは「チェックリストをもう一度作り直したほうがいいんじゃないですか?」でした。確かに!
そうじゃなさそうな人が現れやすいということは、広く当てはまるようなチェックリストを作っちゃってるってことですもんね。
で、今モリモリ作り直してるんですけど、その中でふと思い当たることがあったのです。
チェックリストに寄せていってる人、今までいたよな……? と。
私自身も経験があるので非常にわかるのですが、実際はチェックリストに当てはまらないのに、その障害や病気になりたすぎて、「そういえば私はそういう所があった気がする!」とチェックリストに行動や態度を寄せていってしまう人がいるのです。
これは「精神病になりたがる人、作為症・ミュンヒハウゼン症候群」について解説した記事で書いたんですけども……
文字だと頭に入りにくいというタイプのかたもいらっしゃいますよね?
なので、今一度音声で配信しようと思った次第です。
それでは、ぱりこラジオ第21回、スタートです。
* * *
昔「QUIZ」っていうドラマがあってめちゃくちゃ好きだったんですけど、同世代のかたご存知ですか?
今調べたら2000年放送でした。24年前……。
確かに、見ていた当時高校生だった気がします。
そのドラマの主人公が「精神異常チェックテストでわざとひっかかる回答をしてずっと精神病棟に居続けるめちゃくちゃ頭のいい女性」って設定だったんですよ。
この設定ってバカにできなくて、私も昔メンタルクリニックで精神系のテストを行った時に、「これってちょっと考えたら、自分が異常者に診断される回答がどれなのかすぐわかるよな」と思ったもんです。
頭がいい人は、異常者に寄せることができるんですよね。
じゃあ、なんでわざわざ異常者に寄せなきゃいけないんだって話ですが、私の経験と個人的観測および統計から申し上げますと、
・厳しい家族
・頭が古い家族
・その程度で大騒ぎするなという家族
・見下してくる家族
・そのくせ「先生」と名のつく職業の発言に弱い家族、つまり権威に弱い家族
の近くにいる人は、なんとか彼らをギャフンと言わせようと“障害や病気になりたがる”傾向が高いように感じます。
あ、あと本人が「家族にもっと大事にされたい」という欲求を持っている場合、ですね。
実際にそうであろうとなかろうと、「家族から雑に扱われている」という悲しみを持つ人は、なんとか自分に起きている苦しみが大事(おおごと)だと想わせたくて、障害や病気に寄せようとします。
ただやっぱり「寄せようとしている人」は偽物なんで、本物が見るとすぐ分かってしまうわけです。
実際に境界性パーソナリティ障害だった私が、そういう人を見ると「寄せようとしてんなー」と思うように。
いや私もどの回答を選べば異常者と診断されるかわかる人間なので、そもそも私が境界性パーソナリティ障害に寄せようとしていた人間の可能性もありますけど(笑)。
ただ、寄せようとする人は脂肪が見えるほどリストカットしたり、あと1時間で死んでましたねって言われるほどオーバードーズしたりしないと思うので、一応私は本物だったんじゃないかなと自負しております(笑)。
あと私の子どもの頃は「境界性パーソナリティ障害チェックリスト」とかなかったんで、寄せようにも寄せられないし(笑)。
寄せようとする人は、なんかこう、無理矢理なんですよね……。
重箱の隅をつつくようなことを言うというか……。
これは本人だけじゃなく、周りの人もそうです。
「あの人は毎晩晩酌するほどお酒が好きなんですけど、チェックリストに過剰な飲酒って書いてあったので、境界性パーソナリティ障害ですよね!」みたいな。
もちろんそれ以外に「怒りっぽい」とか「他人を見下す」とかいう傾向があるからそう言っておられるんですけど、毎晩晩酌する人はただのお酒が好きな人で、境界性パーソナリティ障害じゃないですよ。
アルコール依存症の可能性は若干ありますけど。
境界性パーソナリティ障害の過剰飲酒っていうのは、毎回吐くほど飲む人とか、酔っ払ってどうでもいい人とでもセックスしちゃうとか、自分の体に損害を与えるほど飲む人のことを言うんです。
……みたいな話を、新しく作るチェックリストでは盛り込んでいこうと考えております。
お楽しみに。
でもねー、やっぱり、自分は何かの障害や精神病じゃないかとか、あの人は何かの障害や精神病に違いないって無理矢理寄せる人って、やっぱり寂しいんだと思うんですよね。
周りが自分の話を真剣に受け止めてくれなくて。
私もそういうのあったので、すごくわかります。
「その程度で大騒ぎするな」とかねー、言われると悲しいよねー。
「寄せていく人」って、そのまま偽物でいてくれたらいいんですけど、時々本物になっちゃう時があるんですよ。
もっと過激なことをすれば信じてくれるはずだ、もっとひどい状態になれば信じてくれるはずだ、って、最初は寄せてるだけの偽物だったのに、気づいたら本物になってるんです。
そんで念願の本物になっても、結局自分が苦しいだけで、望んでいた「周りから大事にされる」状況は得られません。
あ、「腫れ物に触るように扱う」とかは起きるかもしれませんけど。
でもそれって望んでいたことじゃないでしょう?
だからもう寄せてるだけの人は、願わくばそのまま偽物でいてくれて、本物になる前に精神状態が良くなっていってくれるといいなあ、と思っております。
本物になったってね、時間がいたずらに過ぎるだけで、なんもいいことないですよ。と、24年も境界性パーソナリティ障害だった私は思います。本物になんかならないほうがいい。
では本日はこの辺にしときましょうか。
それではお届けしたのは、漫画家カウンセラー・伊藤巴でした。
ごきげんよう、さようなら。
* * *
次の回は5月31日(金)に配信、現在Spotifyでは第47回まで配信済みです。
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