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イベントで売れる(手に取ってもらえる)ブース設営を考える

同人イベントにおいては「売れる」に重きを置くことは良くないとされていますが、売れないより売れたほうがいいですし、無料モノでも手に取ってもらえる設営の仕方がわかったのでまとめておきます。

私はアート・ハンドメイド系イベントにも出展経験があり、おそらくそちらにも適応できる気がします。参考になりましたら。

前回(広島コミケ)での反省点

まずは前回2022年4月出展・広島コミケでの反省点を挙げていきます。

こちらの記事にも書きましたが多分10年ぶりくらいの同人イベント出展でした。(パンデミック前まではアート・ハンドメイド系イベントに出展していたので、イベント出展自体は約3年ぶりかと思います)

こちらが前回のブース設営図です。まず、準備がギリギリで設営写真すら撮れなかったところがすでに反省点です。
自分が思っているより準備には時間がかかる
ので、できるだけ早めの会場入りをしておきましょう……。

図にはありませんが急遽作った紙製A3ポスターも設置していました。
しかし大きな会場で、A3ポスターなんて全く目立ちませんでした。

この設営で最も売れたのは「ポストカード」です。
私が一番手に取っていただきたかったのは「本」でした。

もちろん、開催地やイベントの色的に「グッズのほうが売れやすい」ことはあるのですが、それにしてもブース設営がまずったと考えております。

お品書きとブース設営のバランスが合っていない

イベント参加前、SNS発信用に作ったお品書きがこちらです。
 ↓

おわかりいただけたでしょうか。

お品書きでは、「B5の新刊がメイン、ポストカードはおまけ程度の扱い」なのです。
なのに実際の設営では、スペースの約2分の1をポストカード什器が占めています。

お品書きというのは店主の心を最も表すものなので、「何を見て欲しいのか」がはっきり出ています。
まずお品書きを作った上で、それに沿ったブース設営をしたほうがいいと私は考えます。

これはイベント出展に限らず、実店舗などでも言えることですね。
自分が本当に見て欲しいものを1番アピールするのは当たり前です。

試し読み(試用・試着)を全くしてもらえないのは何故か

私は自分の漫画を「とりあえず読んでもらわないと面白さがわからない漫画」だと思っております。つまり、ジャケ買いしてもらえるようなタイプの漫画ではない、ということです。

なのでじゃんじゃん立ち読み(試し読み)して頂きたかったのですが、広島コミケでの立ち読みは「ゼロ」でした。

下記の記事に書いたのですが、これは店主の「話しかけやすさ」にも関係あります。

話しかけやすい人は、何も案内をしていなくても「読んでみていいですか?」と言われます。

しかし私のような外見の人間は非常に話しかけづらいので、私に直接話しかけなくても「試し読み大歓迎!」ということが伝わらなければなりません。

前回の反省点を踏まえた今回(関西コミティア)の設営

これが今回の設営です(一緒に出た友人の星見さんに撮ってもらいました)。

まず開場前に写真を撮る余裕があるだけでもう合格点です。ヤッタネ!

1番の変更点は「ポストカード什器を撤去したこと」、そして「ポスターをA1サイズにして、そこに立ち読み大歓迎の旨を書いたこと」でしょうか。

ちなみに私のような遠方(島根)からの出展者は紙ポスターだとすぐボロボロになるので、布ポスターにしました。

ポストカード什器は撤去しましたが、私の「ネコトバ。ポストカード」はじっくり見て購入を検討する方が多いので、「ポストカードをじっくり見るためのファイル」を用意しました。

これかなり当たりで、ファイルを気軽に手に取ってくださる方や、おすすめしたらじっくり見てたくさん購入してくださる方もいらっしゃいましたよ。

手に取って欲しいものは手前に平置きする

今回はポスター効果のおかげか、そもそもコミティアは本を目当てに来ている来場者さんが多いおかげかわかりませんが、棚から見本を取って読んでくださる方が結構いらっしゃいました。

ただやっぱり気軽に手に取りやすいのは「手前に平置き」という気がします。私はアクセサリー店で働いていたことがあるのですが、やはり什器に綺麗に飾ってあるものってなかなか気軽に手に取りにくいんですよ。

でも手前に平置きしているブレスレットとかは、みなさんけっこう気軽に試着していました。それと同じです。
「ざっくり置いてあるものほど、手に取りやすい」のです。

あと私は前回も今回も「#同人誌こうしたら手に取ってもらえたよ選手権」を熟読していまして、そこに
「1番左手前においてあるものは何故か売れやすい」
「逆に無料配布モノとかは右手前がいい」

と書いてありました。

ということで一番売りたい本を左手前に、気軽に持って行って欲しい無料冊子とかを右手前に置いたところ、本当に左端の本が一番売れました。
というか左手前に置いていた本はほぼ均等に売れました。

そして無料配布冊子は前回も今回も右端に置いていたのですが、「無料ですのでどうぞ〜」と案内するとサッと手に取ってくれる方が多かったですね。

途中で変更して改善された点

イベント中、「こうしたらもっと良くなるのでは?」と思って変えた点があります。

友人が撮ってくれた写真の切り抜きしかないので、画像が小さくてすみませんが……

変更点は
・おじねん1と2がシリーズものだとわかりやすいよう、手前横に並べた
・ポストカードを立てて設置した
・名刺を手前センターに移動した

です。

最初置く場所がなくて、「おじねん」というエッセイ漫画を上下に配置していたのですが、続き物だとわからなくて2だけ手に取る方が多かったんですね。

でも横並びにしたら「1と2ください」と言われる方が圧倒的に増えました。
シリーズものは横並びにしたほうがいいです。

また、ポストカードは立てて置いたほうが売れやすいです。
(絵が見えやすくなるからですかね)

そして名刺は置く場所がなくて最初は棚の空きスペースに置いていたのですが、場所を変えたところ、持っていく方が圧倒的に増えました。

今はゆっくり見る時間がないけど、とりあえず名刺だけ取って情報だけ知っておきたい、という方もいらっしゃるので、名刺を取りやすくするのは大事なんじゃないかと思います。

今回来てくれなくても、また次回参加した時に来てくださるかもしれないですしね。

今回はお品書きもわかりやすくしました

おとといの記事にも貼りましたが、今回はお品書きもわかりやすくしました。こんな感じです↓

前回は1枚の画像に無理やりすべての作品一覧を載せたので、説明文が小さくて読みづらかったんですよ。

特に最近はスマートフォンで閲覧する人が多いので、字が小さくて読みにくいのは致命的です。よほどのファンじゃないといちいち拡大して読んでくれませんし。

私の作品は特に「パッと見と中身のギャップがある」ものが多いので、詳しい内容を説明するのは必須だと思っております。
お品書きでもやっていますが、当日設営のPOPにも「こういう内容だよ!」という説明文をちょこちょこ書いておきました。

特にエッセイ漫画は絵が可愛いのに中身が途中から激重(げきおも)になるので、読んでくださった方に「このPOPは確かに必要だ!」と言われました。
褒められてんだか褒められてないんだかわかりませんが、ありがとうございます(笑)。

ブース設営も心理学だ

私は現在イラストレーター・漫画家と心理カウンセラーを兼業しておりますが、売れる(手に取ってもらえる)ブース設営というのも結局は心理学ではないかと思いました。

高い位置にあるものは見てしまうとか、左にあるものを重要視して右にあるものを軽視するとか(これは何故かわかりませんが調べておきます)、話しかけづらい人でも「話しかけて大丈夫だよ!」と文字に書いて貼っておけば話しかけてもらえるとか(笑)。

私はどうも声を出すと「あっこの人、大丈夫な人だ!」と思ってもらえるらしくて、喋った途端にみなさんが安堵する感じがめちゃくちゃ伝わってきました(笑)。コワクナイヨ! 猛獣ジャナイヨ!

ともあれ関西コミティア64、また新たに色々なことを学びましたし、非常に楽しかったです。
スペースに寄ってくださった方々、お買い上げくださった方々、お話ししてくださった方々、一緒に出てくれた星見さん、ありがとうございました。

9月の関西コミティアも出展検討中です。
お会いできたらまたお会いしましょう。
ごきげんよう、さようなら。

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