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大切な人が境界性人格障害をひどくする発言をしてくる時の対応

オリジナル記事の投稿日:2020年2月7日

境界性パーソナリティ障害の
特徴のひとつとして、
「親やパートナーなど、
大切な人ほど怒りを
ぶつけてしまう」

があります。

しかし、症状として
それが起きるだけでなく、
親やパートナーが
「境界性人格障害を
悪化させるタイプの人」

の場合もあるのです。

この記事では、
境界性パーソナリティ障害の
診断を受けた方・
自分はそうじゃないかと
心配している方が、

「自分の症状を悪化させる人が
身近にいる場合どう対処するか」

について解説していきます。

一番いいのは、距離を置くこと

境界性パーソナリティ障害の
症状を悪化させる人は、

「無意識の発言・行動で
当事者の症状を悪化させている」


場合がほとんどです。

そもそも
「普通じゃないのは
そっち(当事者)だ」
「自分はおかしいことは
何もしていない」
という意識が強いので、

いくら当事者本人が
「そういうことはやめて欲しい」
と説明しても、
ほとんど聞いてもらえません。


話が通じない相手と
何度も話をするのは、
精神障害でなくても
非常に疲れます。

境界性パーソナリティ障害であれ、
うつ病であれ、精神的な問題を
悪化させる要因のひとつは
「疲れ」です。

近くにいると疲れを感じるような
相手とは、距離を置くのが
一番手っ取り早くていいです。

とはいえ、
「お金がないので
実家を出られない」とか
「好きだから離れたくない」など、
距離を置けない理由がある人も
いますよね。

そういう場合は、次の対処法です。

症状をひどくするタイプの人と離れられない時

親やパートナーに怒りを
ぶつけてしまうのは、
まず「ぶつけやすい
(相手に甘えている)」

からです。

しかしそれ以前に、
「わかって欲しい気持ち」
が心にあるからです。

自分が一番大事な人に、
自分がずっと抱えている
寂しさ・苦しさ・つらさを
わかって欲しい。

しかしうまく伝えられなかったり、
わかってもらえなくて、
「猛烈な怒り」を
使ってしまうんですね。

では、怒りを使わずして
「わかって欲しい気持ち」を
伝えるにはどうしたら
いいのでしょうか。

100%同じ価値観になろうとする自分に気づく

境界性パーソナリティ障害の英名は
Borderline personality disorder
通称「ボーダー/ボーダーライン」と
呼ばれています。

元々は神経症と統合失調症の間くらい、
という意味の「境界(ボーダーライン)」
なのですが、

その名が表す通り
「他人との境界線に問題がある
(境界線があやふや・作れない)」

という特徴があります。

そのため、
「他人が自分と100%同じ
価値観にならないと我慢できない」
という思考傾向になるんですね。

まずは自分がそういう思考を
持っていることに気づくことです。

親やパートナーなど、
大切な人にだけ
怒りが噴き出すのは、
「大切な人だからこそ、
自分と100%同じ価値観で

いて欲しい」からです。

しかし、たとえ血を分けた
肉親であっても、
100%同じ価値観で
あることは不可能です。

元々他人であるパートナーなど
なおさら無理です。

と、頭でわかってはいても、
すぐ感情はついてこないん
ですけどね。

それでも、
訳も分からず親やパートナーに
怒りをぶつけている時より、
「100%同じ価値観に
なって欲しくて
怒っているのか」
とわかっているほうが、
少しでも冷静になれるのでは
ないでしょうか。

そう、まずは冷静になるのが大事なんです。

怒りで相手を思い通りにしようとする自分に気づく

境界性パーソナリティ障害は
「相手を自分の思い通りにしたい」
という強い欲求があります。

結局のところ、それも
「100%同じ価値観になって欲しい」
からなんでしょうけどね。

そうか、本当はそんなこと
現実には無理だとわかっているから、
「無理やり相手をコントロール
しようとする」
のか…。
(わが身を振り返って、
改めて理解しました)

さて、手っ取り早く相手を
自分の思い通りにしようとしたら、
何を使うのが一番でしょう?

「怒り」や「暴力」ですね。
暴力は「言葉の暴力」も含みます。

精神障害じゃなくても、
怒鳴り散らして
言うことを聞かせようとする
タイプの人っていますよね?

境界性パーソナリティ障害に限らず、
「カッとなってついやってしまう」
人は、病気や性格のせいで
怒りが制御できない
訳ではありません。

「それを使えば相手が
自分の思い通りになる」
と理解しているから、
「怒り」を使用しているのです。

「制御できない怒りなんだから
仕方ない」という
言い訳にもなりますね。

「私は、怒りをコントロール
できないのではなく、
怒りで相手を思い通りにするために
自ら望んで怒っているのか」


そう認識できるだけで、
またひとつ冷静になれるはずです。

「ついカッとなってしまった」は
ありえません。
怒りたくて怒っているのです。

冷静に自分の状態を伝える

親やパートナーに
「頭がおかしい」と思わせる
一番の理由は、
「異常な怒り」です。

そうして怒りを使っている限り、
親やパートナーが
当事者の話をまともに聞くことは
ありえません。

この病気を寛解する
(和らげる)にあたり、
わたしが一番気をつけたのは
そこかもしれません。

境界性パーソナリティ障害の
傾向を強くしないために、
寛解した現在も
わたしが気をつけているのは
「冷静に自分の状態を伝える」
です。

怒っている状態でぶつけても
何も解決しません。

なのでまず相手の言葉に
イラアアアアッ! としたら、
他の記事でご説明した
「怒りを紙に書き出す」を
やります。

※こちらの記事で詳しく解説しています
 ↓

また、怒りがわき出る理由は
次の状態も考えられます。

1.仕事のイライラや
睡眠不足・疲れが
たまっている

2.やりたいことをできない
不満を抱えている

3.(女性の場合)
単純に生理前など
ホルモンの関係で
イライラしている


これら、
「怒りの原因になりそうなもの」を
あらかじめ振り返っておきます。

そして解消できそうなものは、
できるだけ解消しておきます。

生理の場合は、
生理が終わるまで
相手にぶつけるのは
ガマンする、とかね。

怒り・精神的負担を解消し、
冷静になってから、

「ああいう言い方をされると、
こういう風に考えてしまって
すごく悲しくなるから、
できればやめてほしいのだけど…」


と相手へ事情を説明
&お願いします。

出来るだけ弱い言葉を使います。
「寂しい」とか「悲しい」とかね。

強い言葉(腹立つ、とか)を使うと
「正しさの争い」
生まれてしまうからです。

そもそも相手は
「お前の方が頭がおかしい」
「あんたは異常だ」
と思っています。
口で言わなくてもね。

それはつまり、
「自分が正しい」という思いです。

でも、当事者本人も
「自分の言っていることが正しい」
と思っているじゃないですか。

その状態でぶつかり合うと、
「私が正しい!」
「いや、俺の方が正しい!」
と、正しさの争い
発展してしまうのです。

これでは絶対に
「自分の気持ちをわかってもらう」
ことは不可能です。

だから、冷静にならなければ
ならないんです。
お互いにね。

* * *

上記の方法をとっても、
やっぱり自分(当事者)の
気持ちをわかって
もらえないことはあります。
人間だもの。

頑張って怒りを対処して、
できるだけ冷静に
自分の気持ちを訴えたのに、
わかってもらえなかった。

そういう時って、
すごく悲しかったり、
腹が立ったりしますよね。

でもね、自分は
「やれるだけのことはやった」
んです。
まずはそれだけの努力をした
自分を、ねぎらってあげましょ。

「頑張った頑張った!」
「ま、しゃーない!」
「もっと違う言い方したら
次はわかってもらえるかもよ!」

そんな風に、がんばった自分を
めちゃくちゃ励ましてあげてください。
上のメッセージを
どこかに保存しておいて、
そのまま音読してもいいですよ(笑)。

そもそも今までは「怒り」を使って
めちゃくちゃやってた自分が、
できるだけ怒りを抑えようと努力して、
冷静に話をしようとしたんですよ?

すごくない????????
めっちゃすごくない???????


すごいです。
すごいので、自分で自分を
むちゃくちゃ褒めちぎりましょう。

ストレス解消に歌を歌ったり、
好きなゲームに没頭したり、
おいしいお菓子を食べたり、
思いっきり寝てもいいかもですね。

自分がんばった〜!
お疲れ〜い!
ってやってあげましょ。

それができるようになったら、
だんだん、自分の思いが
受け入れてもらえなくても

「相手はそういう性格なんだなあ」
「わたしの〇〇な所を受け入れて
もらっているんだから、
わたしも相手の〇〇な所を
受け入れるか」

とか思って、
乗り越えられるようになりますよ。

というか、わたしはそうなれました。
あんなにもギャンギャンと
ブチ切れまくってたのに……
(遠い目)。

というかこの域まで来たら、
境界性パーソナリティ障害の
症状はかなり和らいでいると思います。
もう寛解してるんじゃね?

この記事を読んでも解決しなかった方は、
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それでは本日はこの辺りで。
ごきげんよう、さようなら。

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