カレーは美味しくて, 研究は楽しい

小さい頃から, 些細なことに
気を取られてしまう子どもだった。


例えば, 夢中で積み木をしていても

目の前を通り過ぎる人がいれば
つい目で追ってしまう。


それだけではなく, 気づけば

あの人は, なぜあんなことをしているのか。

他にも選択肢がある中で
どの文脈でその行動に至ったのか。


1度気になるとぼんやりと考え続け,
手に持った積み木のことも忘れてしまう。

そんな変な子だった。


今でも作業に集中できることは滅多にない。

僕の日常は, 無駄に溢れている。



大学院に入ってからも, 
その傾向は治らなかった。

むしろ加速していった。


本格的に土壌汚染の研究を始め,
院生としてそれに熱中するべきなのに,


学生団体に入り, イベントの運営をし始めた。

特に理由はない。誘われたからだ。


その途中で出会ったエンジニアと起業をし,
サービスを作り始めた。 

元々情熱があったわけではない。誘われたからだ。


でも, 右も左も分からないので,
ビジネスの知識や経験を吸収したくなり,

起業家育成事業や, サポート事業に参加し始めた。

なんとなく面白そうだったからだ。


プロダクトが形になってきたとき,
ふと, 起業以外の選択肢を知りたくなり,

就職活動を始めた。


焦りも熱意もなかった。

ただヘラヘラと就活という特異なイベントを楽しんでいた。


その途中で, 大きな組織で仕事をするという
経験を積みたくなり,

長期インターンを始めた。


ここまでを去年の4月からの1年間で消化した。


最初は週5日研究をしていたが, 

次第に週3でプロダクト作り,
週3で長期インターンという日々に遷移していった。



しかし, 修士二年生になり,
研究室でも先輩の立場になった。 


そろそろ研究をやらないと,
後輩に示しがつかなくなってくる。


そこで毎週のゼミを運営する係になり, 
毎回研究進捗を共有するようにした。 


今週はこんな実験をした。
そのためにこんな論文を読んだ。

こんなことが分かった。
今週はこのスケジュール感で動く予定だ。

修士論文にはこんな示唆が出せそうだ。


最近やっと分かってきたが, 
進捗を毎週出すのは結構大変だった。


大学院に入って二年目でようやく気づいた。

研究って大変なんだなぁと。


と同時にもう一つ学んだ。

やってみると研究は楽しいのだ。



院生である以上,
最も優先すべきは研究でしかない。


そこで週4日を研究に割き, 
週3日を長期インターンに割くことにした。

エンジニアと協力していたプロダクトからは
一時的に離脱する形になった。


変な道筋を辿って,
ようやく収まるところに収まったのかもしれない。



近くにあるものの魅力は, 
不思議なタイミングで見つかるものだなぁと

夕飯を食べながら思った。


その日のカレーライスは,
いつもより美味しかった。

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