up-tempowork 第一章 No.1
大学生の時に薬科大に進学した高校時代の友人が、年の離れた医師と学生結婚した。
大人の男性に見初められた友人はトンデモナイ美人だった。
ある夜、その彼女に洒落たバーに連れていってもらった。
カウンターに座り、ふたりでグラスを傾けていた。
もっとも私はアルコールは飲めないので、
ジュースのカクテルを飲んでいた。
彼女はストレスが溜まっているのか、
ウォッカ系の濃いカクテルをガンガン飲みながら、
結婚生活への不満を延々と話し続けているが、
私はずっと頷きながら聞いていた。
ふと、ドアの開く音がした。
誰が入ってきたのか確かめるために私は入口に視線を移すと、
客は男性ふたりだった。
入り口にはスポットライトが当たっているので、
まるで映画の一場面からふたりのスターが登場してきたような錯覚を覚えた。
ふたりとも体格が良く、
スーツをピシッと着こなした男性だったのである。
--続く
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