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知らなきゃ後悔するレベルの名著。「MINDSET 『やればできる』の研究」を子育てにいかしてみる

たぶん私は、この本を知らずに子育てをしていたら、大きな後悔をかかえていたと思う。想像するだけでゾッとする。そのくらいの本です、コレ。

かのビルゲイツ氏も絶賛したことで、その界隈では大きな話題となった、「MINDSET やればできる!の研究」。

タイトルがあやしい自己啓発本みたいなのが気になりますが(笑)、ガチの研究者による科学的根拠に裏打ちされた名著です。

名門大学で教育心理学を専門に研究している、キャロル・ドゥエックさんというかたが書いた本なのですが、ガチの研究者が書いたのにスイスイ読めるくらいわかりやすいのがすごいところ。

育児本ではないので、子どもの教育について書かれているのはすこしの部分なんですが、「子育てするなら知らないとヤバいでしょコレ!」というくらい、内容の濃い本です。

子どものいる親はもちろん、保育士さんや幼稚園・学校の先生など、子どもの保育や教育に関わるかたには、ぜひ一度読んでいただきたいですねー。

かんたんにこの本の内容にふれておくと、世の中には「ひとの能力は伸ばすことができる」と考える「しなやかマインドセット」をもつひとと、「ひとの能力は生まれつき決まっている」と考える「硬直マインドセット」をもつひとがいて、どちらのマインドセット(考え方、思い込み、価値観)をもつかによって、その人の人生は大きく変わるよ、とされています。

2つのマインドセットのちがいがよくわかるのが、4歳児にパズルをといてもらうという実験について書かれた一節。

4歳児に次のように尋ねてみる。「簡単なジクソーパズルをもう一度やる?それとも難しいのに挑戦してみる?」すると、まだこんなに幼くてもマインドセットがこちこちの子 ー能力は変わらないと信じている子ー は、安心してできる簡単な方を選んだ。そして、「かしこい子はまちがったりしないんだよ」とも言った。
マインドセットがしなやかな子 ーもっと賢くなれると信じている子ー はそうは考えない。「なんでそんなこと聞くの、先生。同じパズルをやりたい子なんているわけないでしょ」。そして次々と難しいパズルに挑戦していった。「あぁ、もっと、やりたいなぁ!」幼い女の子が嬉しそうな声をあげた。

つまり、「硬直マインドセット」の子からすると、「パズルをとけること」が何よりも大切であり、難しいパズルに挑戦してとけなかったら、自分は「賢い子」ではないという烙印を押されてしまうのでは…という恐怖心があるんだ、と。

それに対して「しなやかマインドセット」の子は、「新しいことに挑戦する」ことが好きであり大切なので、「もしもとけなかったら…」という考えにならず、どんどん難しい課題にチャレンジしていけるのだ、と。

この両者、どちらがどんどん成長していくかというと、もちろん「しなやかマインドセット」をもつ子どもでしょうね。失敗を恐れず、恥じず、自分を成長させるために挑戦しつづける…なんだよ少年誌のヒーローかよ!まぶしいよ!

私ももともとはゴリゴリの「硬直マインドセット」人間だったので、挑戦する怖さ、って、すっごくわかるんですよねー…

わたし、わりと体が大きい方なので、中学校とか高校とかでは、柔道とかラグビーとかバレーとか、体がデカいと有利な部活からお誘いがあったんです。

でも、「入部したらスポーツできないのがバレてがっかりされるんじゃないか」とか、「経験者とくらべて下手くそだったら恥ずかしいよな…」とかって考えてしまい、ずっと帰宅部だったんです。(笑)

勉強についてもそうで、テストで「勉強したのにその点数?」となるのが怖すぎてテスト勉強から逃げちゃったり、「いやー、全然勉強してねーわー」って友達に謎のアピールしたりしてました。(笑)

そんな考え方が「硬直マインドセット」のせいだったんだと知ったときには、ものすごく衝撃的でしたね。それと同時に、これまでどれだけの挑戦から逃げて、成長のチャンスを逃してきたのか、と愕然としましたし。

まぁ、この本のおかげでだいぶマインドセットがしなやかになって、新しいことに挑戦するのが怖くなくなってきたんですが。サンキューキャロル!

「硬直マインドセット」のツラさを知る父としては、ムスメには「しなやかマインドセット」をもってほしいわけなんですが、子育てをするうえでできることとして書かれているのが、ズバリ「子どものほめかた」なんです。

わたしたち大人は、子どもほめる時についつい「できたね!すごい!」とか、「○○ちゃんはお絵かきが上手だね!」とか、いわば「結果」ベースで「達成したこと」をほめちゃうんですよね。

ただ、このほめかただと子どもは次第に

「むずかしいことをやって、できなかったら褒めてもらえないんだ」「僕は絵が生まれつき上手だから、練習なんかするひつようない!」

などというふうに、マインドセットがどんどん硬直していってしまうんだと。

なので、子どもをほめる時には

「この前はできなかったけど、今日はすこしできるようになったね!」とか、「色のつかいかたがキレイだね!パパはこの色すきだなー」というように、「過程」にフォーカスして「成長したこと」や「絶対的な評価(上手い下手)以外の価値」が感じられるようにすることで、

「少しずつできるようになってうれしい!次もがんばろう!」「パパが好きっていってくれてうれしい!絵を描くの楽しいなー」

というふうに、マインドセットがしなやかになっていくとされています。

このほめ方だけでも、知ってると知らないとでは大違いですよね。この本に出会っていなかったら、ムスメをゴリゴリの硬直マインドセットゴリラに育て上げていた自信がある…

この本には、自分のマインドセットをしなやかに変えるための方法もたくさん紹介されていますし、子どもの教育につかえるような知識が詰め込まれています。

気になる方は、ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうかー。


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ふとやま|地方移住したモノ書き
ここまで読んでもらえたことが、なによりうれしいです!スキをぽちっとしていただくと、30代の男が画面のむこうでニヤニヤします。