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スペインで妊娠〜出産⑥ついに出産

前回から時間が空いてしまいました…出産って突然始まるのですね。入院当日まで車で買い物などしていました。出産の記憶を忘れないうちに書き留めておきたいと思います。

入院から遡ること3日前

この日も毎週恒例となったNSTのため大学病院に向かう。この日は、赤ちゃんが苦しそうだったりすると、もしかしたら内膜剥離もしくは誘発して入院・出産になるかもしれないからと先週言われていたこともあり、一応入院の用意を持って行きました。ここで困ったのが、旦那さんが運転できないこと。これまでも病院へはいつも自分の運転で来ていました。しょうがないのでこの日は友人に病院まで送ってもらうことに。(だから運転の練習をしておいてと旦那さんに頼んだのに、と半ギレ)
NSTでは明らかに子宮の収縮が定期的に来ているのが私にもわかりました。ただ、痛いという程ではなく張ってるな〜という程度。その後、別の部屋で医者との面談。呼ばれると、そこには医者・助産師・看護師・おそらく研修医が肩が触れる距離感で座ってニコニコしていました。家族みたいな距離感に思わず笑いそうになりました。なんかすごい光景だ…と思いつつ対面に座り、NSTの結果を聞くことに。NSTの結果、赤ちゃんは健康で陣痛も定期的に来ていて理想的とのこと。それから赤ちゃんのサイズを測ってもらい、3600gほどで大きいけど問題なし。4kgとかじゃなくてよかった…とホッとしました。
医者は自信満々に数日中に生まれる!という予言。わたしとしては全然陣痛の痛みを感じていなかったし、所謂おしるしなどもなかったので、はて、本当かなあという感じで、その日は家に帰ることになったのでした。
結果的にこの予言はあたることに…医者ってすごいなあ。

破水から入院

いつもどおりに過ごしていると、夜になってたまに痛みがあることに気づいた。ただ、この時点では15分〜20分くらいでまだまだかなあと思っていました。
尿もれみたいな感覚があって、トイレに行くと、止まらない…ただ、破水ってもっと液体が出るものだと思っていたので、閉まりの悪い蛇口みたいに液体が出ているのが破水なのか…?と確信が持てませんでした。ただ、いつもと違う感じなのでやっぱり病院に行ったほうが良いということに。でもどうやって病院に行くの…?旦那は運転できないし。(だから運転の練習をしておいてと旦那さんに頼んだのに、と半ギレ。パート2)
日本ではタブーとされていますが救急車で向かうことに。一応事前に救急車を使っても良いのかと医者に聞いてみて、こういう場合は使っても良いと言われたので、救急車を呼ぶ。15分後に救急車到着。救急車の赤青のライトできっと近所の人は何があったのかと思っていただろう。救急車に乗ったのはいつ以来だろうとか、スペインで救急車に乗るなんて思ってなかったなとか、これで破水じゃなかったら顰蹙だよなとか考えながら、結構冷静に救急車へ。
最初に地域の救急センターに運ばれ、助産師が破水を確認。破水が確認されたので、大学病院へ送られることに。なんだかんだで破水から2時間ほどかけて深夜に大学病院に到着、このまま入院。破水をしたものの、子宮口は1cm程度で子宮口が開くのを待つことに。
夕方には生まれてるのかな〜とかソワソワしてしまってほとんど寝れなかった。でも今考えるとこのときに体力温存のために寝るべきだった。
どこからともなく叫び声(いきむ声)が聞こえて、旦那さんと笑っていたけど、笑い事じゃなかった。

陣痛はじまる

待機していると、だんだん陣痛が強くなってきた。しばらくして湯船のついた個室に移動させられた。振り返ると、この部屋が一番良かったな〜。湯船に浸かると陣痛が和らぐということで、日本一時帰国以来の湯船に浸かる。やっぱり湯船気持ちいい。こんな感じなら余裕じゃんと思っていたのが甘かった…2回ほど湯船に入ったりして子宮口が開くのを待つ。
朝ごはんが運ばれてきた。チーズとりんごとパンとコーヒー(デカフェ)という超シンプルなメニュー。これが退院まで毎日続く…
朝ごはん終わって分娩室に移動させられた。え、もう生まれるの??と思ったがそんなわけはなく、スペインでは分娩室で待機するスタイルのよう。とりあえずここからは痛くて痛くて、時間の感覚がない。
途中でまた痛みを和らげるためにシャワーに行ったり、バランスボールに乗ったりしていた。
もう無理ーという痛みになったので麻酔を入れたいとパートナーに訴えるも、もうちょっと待ったほうが良いんじゃないかと言われる。なんでお前が決めるんだ!!!と思ったが、もう30分もう30分と待っている間に午後4時くらいになっていた。もう絶対無理!!!!と言ってかなり強い口調で麻酔を入れるんじゃーーーー!と言ったら、助産師さんを呼んでくれて、やっと麻酔を入れてくれることに。このときほどスペイン語がしゃべれないことを悔やんだことはない。スペイン語がペラペラだったらもっと早くに入れてたわ。。。
麻酔をしてもらってから痛みがかなり和らいだ。直後の内診ではもう8cm子宮口が開いていると言われて、ほらもっと早く麻酔するんだった!!!!と思った。
ふーこれであとは大丈夫、と思ったのも束の間。しばらくすると痛みがまた強くなってくる。どういうことーーーーー!!!と思いながら、もう帝王切開にしてくださいと5回位思った。
すでに入院してから20時間ほどが経ち、2回ほど医者や助産師のシフトが入れ替わっていた。彼らの引き継ぎはちゃんとされているのかかなり怪しくて、また新しい助産師が来て内診をする。
スペインの助産師は驚くことに比較的男性も多い。わたしの担当してくれた助産師さんも2人ほど男性がいた。最初の人は英語がよく喋れたので、わたしも安心した。他にも、わたしの住む場所の健康センターで研修していた助産師さんが偶然にも担当してくれた。研修していた夏と比べるとだいぶと頼もしくなっていた。

生まれる…!

子宮口が全開になり、待機していたベッドは分娩台に早変わり。
痛くて痛くて意識が朦朧としたのであまり覚えていないが、とりあえずひたすら陣痛に合わせていきみ続けた…どのくらいしたかわからないけどどうにか赤ちゃんの頭が出てくる感覚があった。
実はあらかじめ、パートナーに出産のムービーを撮ってくれないかとお願いしていた。パートナーは医者や助産師に許可をとってくれて、撮っても問題がないことを確認していた。医者や助産師はサービスのつもりか、頭が出てきたところで止めて、「ほらほらもう出るから撮りなよ!」みたいなやりとりが始まった。また、手鏡を渡されて「ほら見てみなよ!」みたいなことを言われたが、こちらはそれどころではない。ここまで来たらいきむのを止めるのも逆に辛い。
わたしは早く終わりたい一心。

どぅるん。

出たーーー!!
きゃーきゃーという泣き声も聞こえた!やっと生まれたーーーー
生まれた瞬間は、生まれたことよりも陣痛から開放された嬉しさが大きかった。
生まれてすぐにカンガルーケアで胸元にでんと置かれた。
めっちゃ温かくてずっしりした塊、これがお腹にいた人ですか!!と思った。思っていたより小さかった。が、近すぎて顔はよく見えない。手はよく見えたので、まじまじと小さい手を眺める。
きゃーきゃー上品な声で泣いているなという印象。
生まれてすぐにわたしの胸の上でうんちをしました。それすら可愛い。

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