限界が分からなかったのは、分かりたくなかったから。
自分の限界がわからなくて、がんばりつづけたら休職することになったのは30代半ばのことだった。精神科医には「死ぬ寸前です」と言われた。臨床心理士には「体力気力を前借している状態です」と言われた。
とっくに限界を超えていたのに、私は体を動かしつづけていた。その理由は、すごく単純。動けているから。なんとか起きれるし、なんとかご飯食べれるし、なんとか歩けるし。
今現在、お世話になっている鍼灸師さんには「こんな体の状態で、なんで動けているの? 普通の人だったら、家でずっと寝てるよ、コレ… 」と不思議がられる。もともとの体が丈夫なんかしらんけど、私の中では、なんとか動けている=まだ大丈夫って認識なんだなあ。
それがダメなんだよと、頭では理解したのが休職の経験。「まだ、大丈夫」なんて言っている時点で、もう休めよって話なんよね。まだじゃないし、大丈夫でもない。それは、わかった。対処法は早めに休むこと。なんだけど、休みたいと思う時点で時すでに遅しの私は、どどどどうすれば。休みたいとは全然思わないのに休むの?
鍼灸師さんに休みをとる目安を聞くと「パジャマさんが思っている3段階下のレベルで休みたいと思うのが、平均的な人ですね」…え? 私、そんなにしんどいのを我慢してるつもりはないですけど。私は普通の人より3倍ツラさに強いってこと? しんどいなー、横になりたいなーって思う平均的な状態って、どのレベルですか(汗)
体が悲鳴をあげてるのを、私は無意識で「なにか聞こえるような気がしなくもないなー。ま、いいか」ってスルーしちゃってるのかしら。はたまた、そもそもその悲鳴すら、脳の方でナイことにしているのか。
私の長所ってなんだと思う? って両親に聞いたことがあって。「忍耐力がある」ってそのときは返ってきたんだけど。もしかしてそれって、辛いことや苦しいことに ”鈍い” だけ? 鈍感力ではなく、鈍麻? なぜ鈍くなってるんだい。どーなんだい。
子どもの頃から、いつも体に力が入っていた。奥歯をギューッとかみ続けているのが、普通だと思ってた。大人になってから上の歯と下の歯は離れている状態が通常だと歯医者さんに聞かされて、目ん玉飛び出そうになった。病院で触診されるときに「力を抜いてください」って言われて、私は抜いてるつもりでも全然抜けてないらしくて怒られることもある。ゆるめ方がワカラナイごめんなさい。
私には、ある日突然ぶっ倒れる癖がある。癖が治らず、限界突破して本当に倒れてしまってから、早いもので5年目。この先も、まだ大丈夫と思いこんだまま動き続けるのか。健康を害してまで働こうとするのか。それを是とするのか。
小さい頃からずーっと緊張状態で日中を過ごしていたんだろう。自分の部屋から一歩でも出ると、生存をかけたサバイバルが始まる。いつ攻撃されるかわからない。常に臨戦態勢。外に対して自分を大きく見せて威嚇する。威嚇するのに必要な自信は、内への攻撃から湧く。自身に対して、私はもっとできる、できない自分は嫌いだ、できない自分を認めたくない、気づきたくない… ってことだったんだろう。
そうしなくちゃと認識した4歳が、そのまま×10=40歳になっちゃう。心と頭と体が、つながっていない感覚。いやいやいや、さすがにこの癖は治していきたい。もう、いいんじゃないかな。できなくってもさ。卑下するんじゃなくてね。ありのまま、等身大の自分を受け入れるってことね。自分に厳しくしたり、大きく見せようとしたところで、なにを得られるって言うんだろう。
まずは、自分が思っている3段階下のレベルで、休みたいとは思ってなくても休むようにしまーす。