見出し画像

修練について

「磨礪は当に百煉の金の如くすべし、急就の者は遂養にあらず。施為は宜しく千鈞の弩に似たるべし、軽発の者は宏功なし。」

(修養を志すなら、何度も練り鍛えた金のようにじっくりとするがよい。速成では深い修養は得られない。また、事業を行うなら、強い石弓を発するように慎重にするがよい。軽々しく発して大きな成果は得られない)

成功や成果を焦るあまり簡単な方法を探してしまうものだ。
ぼくはこの戒めを10代の終わりか20代の初めあたりに、本中の文章に赤線を引いた。

現在は即席が流行りなので、赤線を引いたこのことが正しかったかどうか疑わしい。
しかし、自分が求めるものは即席ではなく練られたものだ。そのことは今も変わりがない。
何かをしようと思えば、時間をかけることが必須だということを実感している。簡単に出来て質の良いものなど見たことがない。

ぼく自身は、今も自分に合格点が与えられずに、練り鍛えようと時間だけが過ぎている。
いつになったら「軽発」と言われなくなるだろう。