私たちは必ず壊れる:エントロピーの増大
形あるものは必ず壊れる。これは今のところ覆されない法則だ。
「エントロピー増大の法則」、名前なら誰でも聞いたことがあるはずだ。私たちはこの法則下にある。
私たちの体は、栄養を取り込みながら、身体の組織が壊れないように維持している。
栄養が無ければたちまち壊れていく。生きることは、バラバラに壊れていくことへの抵抗でもある。
エントロピー(無秩序)の増大は、心へも影響しているはずだ。
脳の栄養は刺激である。好奇心や知的欲求などは、無秩序への抵抗であるが、その刺激が消えてしまうと、無秩序の増大によって、脳の機能はバラバラに壊れてしまうだろう。
生物の基本は「刺激と応答」であることは、これまでも何度も述べたが、何もないことを良しとする思い込みは、早々に、エントロピー増大の法則にやられてしまうだろう。
形あるものは必ず壊れることがわかっているからこそ、刺激を欲するのではないだろうか。
人間は早いうちに、無秩序への増大によって宇宙の藻屑になることを覚悟しておくべきではないか。
その覚悟があれば何だってできる。
人間の生きる目的は、生存と繁殖のみに生きているのではないということを言いたいのだ。
参考文献:
ニュートン 生命とは何か ニュートンプレス2013 第33巻7号