見出し画像

おでかけ。

日頃とても口うるさい
叔母さまと
躾に厳しいおばあちゃま
この2人に付き添われ
お出かけすることになった

最もイヤな出かけである

世間では
「最悪」と呼ぶのだろう

イメージしてもらえるのなら
アルプスの少女ハイジが
ロッテンマイヤーさんと共に
出歩く感じである

いや
そんな品のいい感じも無い

大きいおばあちゃまの
母屋に伺った

畳が土間の上り場から
続いてて

一枚屏風がある

既に靴の脱ぎ方から
太ももをペチンと
はたかれた

脱いで上がって
振り向いて
揃えて


素足に草履のボクを
睨みつけ
靴下持ってきた?と

持ってくるはずはない
聞いてないのだから

黙って俯くと
おばあちゃまがサッと
真っ白な靴下を
ボクの前に出す

叔母さまは
膝ぐらいまでの
パンストをはく

おばあちゃまと
ボクは真っ白の靴下をはき
立ち上がる

ボクが廊下めがけて
走り出そうとすると
叔母さまが
ワンピースの裾を引っ張った

囁くような
小さな声で
「何やってんのよ!
走ったらダメよ」

おばあちゃまが
ジロッと睨み
「静かに」

いつも派手派手な
叔母さまは今日は
ブレスレッドもしていない
指輪も無い
香水も無い

おおばあちゃまが
お席についたと
看護師さんが伝えに来た

おおばあちゃまには
訪問看護師さんが
ときどきくる

お部屋にいくと
お座敷に
座布団

おおきいばあちゃま

「ばあちゃん!」
ボクが駆け寄り
抱き着くと
おおばあちゃまが
「よくきたね」
トカゲみたいな
喉のシワをふわふわさせながら
ぎょろぎょろした目で
ボクをみつめて言った

「ばあちゃま~」
ボクが膝にゴロゴロしてると
おおばちゃまが
ニコニコしてる

あっというまに
八寸の膳が並んで
何かの祝いなのか
どう見ても
仕出し屋さんの
お祝い料理

漆塗りの器
駆けつけた
他の叔母さまも
並んだ

叔母さまといっても
1人は大学生
ノースリーブの腕が
隠れるように
羽織を羽織った

「あれ?おねえちゃまも
白い靴下なの?」

「ふふん」
鼻を鳴らしながら
自慢げに睫毛をバサバサして
ボクを見た

「畳が傷むから
素足はダメなのよ」

「え?そなの?」

「スカートもね
短すぎたりタイトすぎても
周りが気遣うから
迷惑になるからね
膝が隠れるような
服装や香りに気を遣うのが
和食の会食のマナーよ」

「けど、おばあちゃまのお家だし
親族はいいんじゃないの?」

「マナーってね
特別じゃないのよ
日頃からなの
「当然」
守るべきルールって
ことがマナーなの
周りを不快にさせないこと」

「そうなの?
高級レストランとか
そういうところだけでしょ?」

「違うわ
気遣いを普段しない人は
特別な時に
できるわけないでしょ」

痺れがキレたので
足を伸ばして
さすりなが聞いた

おおきいおばあちゃまが
正座はしなくていいのよと
ボクを撫でてくれる

叔母さまと
おばあちゃまが
睨んでる

「ぼ、ボク正座が好きなの」

あぁまた嘘ついてしまった

痺れる足を正座する
足がみんなと違うので
5分ぐらいで痺れる

「ばあちゃま。畳のお部屋は
椅子持ち込んだらダメなの?」

叔母さまが
慌てて言葉を遮る

「ダメよ。できないわ」

おおばあちゃまが
トカゲのような
のしのし動きで

声をあげる
「ちょっと!ちょっと!」

看護師さんが走ってきた

「この子ね足が悪いの
車いす普段使うで
畳みにちょっと置ける
椅子用意してあげて!」

「おばあちゃま!
パコのワガママだから
いいんですよ」

「うるさい。私の
生きたいように生きる
邪魔しないで!」

トカゲのような
シワシワの喉が
赤みを帯びる

すると
看護師さんがボクを座布団を
重ねた椅子に座らせてくれた

「おお!ばあちゃま!
これは楽ちんだ」

「そかね。
それは良かった」

「ところで
今日は何のお祝いなの?」

「パコちゃんに会える祝いだよ」

「えええ?それだけ?」

「そうよ。パッとやりましょう!
生きてるうちに楽しみましょう」

「ん。わかったよ
そうしよう」

ボクとばあちゃまは
意気投合して
美味しいお食事をした

★上記名刺記事が自己紹介です★フォロー返しません★フォロー気軽に自由に外してください★コメント返信遅いです★コメント削除する場合あります★スマホもパソコンも保護者らに時間制限で借りるのでフォローしても読み切れません

散歩のとき
緑色の目の周りの白い
小さな鳥の死骸落ちてた

ボクはすぐに
拾い上げ
土のあるところまで
運んで置き直した

アスファルトじゃ
あんまりだ
せめて土に返れるように

たくさん空を飛んだかな
寿命だったのかな
それとも病気かな
家族は心配してるだろうな

考えると
涙が落ちた

おじいちゃまが
後ろから
パコちゃん
また生まれ変わるから
泣いちゃダメだよ

うん
そうだよね

それでも
朝学に行けなくなるほど
ショックだった

生まれ変われたかな?


ね。キミ?
いつもありがとう
スキを押さなくても
ちゃんとわかってるよ
ありがとう


それじゃ
また
あした


追伸
体調は天気のおかげで
またまた逆戻り
しばらくは不調です

読了ありがとうございます 世界の片隅にいるキミに届くよう ボクの想いが次から次へと伝播していくこと願う 昨年のサポートは書籍と寄付に使用しています 心から感謝いたします たくさんのサポートありがとうございました