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【コロナ引きこもり日記】37日目

37日目 6月12日(金)

1週間、あまりにも早い。

月曜が来たと思えば、もう金曜になっている。そんなきもち。

10時頃にゆっくり起き上がる。日課の豆乳コーヒーが品切れ。どうも調子が狂う。そんな金曜日のあさ。

パソコンを開き、授業を受ける。この流れにもだんだん手慣れてきた。

大学4年生と言う大学生最後の年にこういう経験ができたのは、とってもラッキーだと、最近思っている。普通の大学生は、オンライン授業やオンライン就活なんか経験せずに、4年間キャンパスに足を運び、友人と話しながら適当に授業を受けて、適当に酒を飲んで恋人を作って卒業していく。それがどうだ。今年はこんなにも家に引きこもっている。滅多に経験できることではない。これもきっと、私の運命だったのだろう。面白い。なんてラッキー。何事も発想の転換が大事だ。まだ生きてるじーちゃんがそんなことを言ってた。気がする。

わたしは、運だけはいい方なのだ。今までの人生も、ほぼ運だけで切り抜けてきたといっても過言ではない。だから、きっとこれからも私はついている。運を味方につけて、この限りなく透明に近い人生に色をつけていくのだと思う。きっとたぶん、そんな感じ。

ランチはカレー。具は少ないけど美味しい、でもちょっと辛い。鼻水をそっとティッシュで拭う。そんな昼下がり。

本を読む。『死にたい夜に限って』という爪切男さんの著作。なかなかユーモアに溢れていて面白い。というかこの著者、凄すぎる。高校時代、外面はパーフェクトな可愛い人気者の女の子に毎日呼び出されてビンタをくらっていたらしい。しかも嬉々としてビンタされに行っていたらしい。女はサイコパスだし、彼はドMだ。どんなポジティブシンキングだよ。どんな辛いことも面白おかしく書いてしまうのだから、化け物だ。私だったら死にたいレベルで辛いことのオンパレードなのに、なんでこうも強く生きれるのか。不思議である。

「笑った顔が虫の裏側みたい」なんて言われたら、私なら一生笑わない人生を送っていると思う。同棲している彼女がうつ病になり、毎朝首をしめて殺されそうになった時点で私なら別れを切り出していると思うし、彼女が風呂に入らなくなって異臭を放ち始めたらもう確実に別れていると思う。

でも、この爪さんはそうじゃない。どんなに辛いことも、発想を切り替えて、前向きに乗り越えていける。どんなに死にたくなっても、最後には笑っている人。それが、この著者だ。凄すぎる。人間として、すごい。私は、どんなにカッコ悪くても、彼のように強く生きていけるだろうか。自信はない。でも、こう言う人はきっと人を惹きつける。そんな気がする。いつか、私もなれるだろうか。

夕方。母が表参道に美容院へ行くというので、ついていく。久々の外出。明日は特に用事もないし、引きこもりにも外の空気は必要だ。

母御用達のビーガンの店でキヌア料理を食べて、リンツの店で誘惑に負け、丸くて舌の蕩けるチョコを買い、母を待たずに帰る。都会は疲れる。何より暑い。マスクが暑い。

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東京の梅雨は、いつ明けるのだろう。

ああ。今日は、外に出た。

おやすみ。

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