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day61 雨に歌えば。

61日目 7月6日(月)

重たい瞼を懸命にこじ開けて起きる、朝7時。今日の私は早い。インターンがあるからだ。

コロナ感染者が増えているけれど、またオンラインに戻ったりしないだろうか。正直、教室内にはソーシャルディスタンスとか皆無。大丈夫かなと心配になる今日この頃。

13時過ぎまでインターンをして、ランチに350円の青椒肉絲弁当を頬張り、ぶらぶらと時間を潰す。16時から歌のレッスンで、それまで暇なのだ。正確には色々とやりたいことはあるけれど。志望する企業のオフィスが近いので、見学に行ってみる。でかい。1階にカフェが隣接されていたので、そこで本を読んで時間を潰すことにする。

菅付雅信という人が書いた『はじめての編集』という本を読む。編集の歴史から仕事に至るまでざっくりと網羅されていて、なかなか興味深い。この本によれば、人生そのものが、編集という行為であるらしい。なるほど、そういう考え方はしたことがなかった。目から鱗だ。

編集とは、「企画を立て、人を集め、モノを作る」ことであるという。そういう意味で人生も、より良い目的(企画)を立て、いろんな人を巻き込んで、小さかったり大きかったりする何かを成し遂げていく。そしてそれを積み重ねていく。そういうことなのかもしれない。

ある意味では人生も結局、本などの出版物みたいに、フローとストックでいうところの、「ストック」なのかもしれない。いろいろな事が流れるように過ぎ去っていくけれど、その中で私たちが経験してきたことや、感じてきたことは消えずに、ずっと残っている。心や、頭や、からだに、残っている。記憶というアーカイブが永遠にストックされていく存在、それが私たちであって、つまり私たちもひとつのメディアであるのかな、なんてことを思う。

私の魂も、そうやっていろんな「私」のストックでできているのだろうか。死んだ時には、今の私もその膨大なストックの内のひとつになってゆくのだろうか。そう考えると、なんだか面白い。もしかしたら私は、1人ではなく、たくさんの私の編集の結果によって成り立っている存在なのかもしれない。

歌のレッスンに向かう。雨が少し降っていて、べとついたこの時期特有の空気を顔に感じながら、強く吹く風に髪を揺られながら、池袋を歩く。悪くない。傘もささずに雨に打たれながら、鼻歌を口ずさむ。気分はメリーポピンズ。

なんていうか、ひとりの時間は嫌いじゃない。もちろん、人といるのも大好きだけど、やっぱり1人の時間は大切だ。自分と向き合うことは大の苦手だし嫌いだし全然好きじゃないけど、でも向き合う時間をくれるのはいつだってこういう時間だったし、自分を好きになれるのもこういう時間だ。そうやって、みんな生きているんだろうなと感じる時がある。

なんていうか、この日記を書いていると、いつも自分の話に帰結する気がする(笑)なぜなのか。自分のことしか考えてない人みたいになっていて申し訳ない。しかも多分それはあながち間違っていない。でも決して自己中ではないと思っている。何者にもなれず、まだまだ自分のことで精一杯のそんなわたしです。明日も頑張ろう。何もないけど。

ああ。今日は、雨に打たれた。

おやすみ。



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