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長時間化する上映時間と我慢しうる尿意との攻防についてのささやかなる考察

ただの雑文です、

十年振りに映画好きの仲間と会う、
50代後半のオヤジ達との白熱した議論は、上映中の話題の最新作や、若かりし頃胸躍らせた作品では無く

長時間化する上映時間の尿意対策である

①長時間の基準
上映時間は、統計から検証はしていないが、ここ十年で明らかに長くなっている
事由は諸説あろうが、今回はそれが本題ではないので割愛す

では長時間の基準値はどこか、
年齢により感じる差違はあろうが、ここは一番わかりやすく、
『120分』とした

現在の上映作品は、この基準時間の±10minuteが多数を占めている

そしてその時間は、我々の年代が、尿意との攻防においてもっと警戒すべき時間帯である

所謂、活動限界点と認識頂くと幸甚である

上映時間の見た時の、個人的見解
・90分  →多少物足りなさを感じる
・100分→危機感は持つに及ばす
・110分→取り敢えず無為の境地で
・120分→決意決めて戦いの場へ
・130分→鑑賞すべきか内容再検討
・150分→天に委ね決死の挑戦
・180分→完全回避Netflix待ち

120分の±10minuteは、鑑賞するかを深く検討するゾーンであり、
プラス幅の増加に応じ、その葛藤は長期化する

②傾向と対策
・水分摂取量の調整
簡単な解決案と思われるが、そこには大きな障壁がある
年齢と共に深刻化する、高血圧とLDLコレステロール問題。動脈硬化による心筋梗塞、脳溢血である。その予防策として医者より十分な水分摂取を推奨されている。その量は、1日2L、500mlのペットボトル4本分に相当する。
日々その量を確保することで、トイレ頻度は比例して増加する。夜間のトイレも厭わず、外出先でも常時トイレの所在を確認、新幹線はトイレに近い車両の通路側

日々、苦悩と戦いながら水分補給を必須としている者が、映画のためにその生命線となろう水分を控えることができようか

とは言え、その監督、その俳優、その作品のため、前日から水分補給を徹底的に抑える、
我々は、ある意味、命をかけて映画館での戦いに挑むのである

ちなみに、カフェインなど論外です

・トイレに行く頻度
上映開始時間の6.3.1時間前は必須とし、劇場に入る前、入った直後、そして更に最終的にホールに入る直前に絞り出す
強者に聞くと、シートに座ると強迫観念から尿意を催すとのことで、つまらぬCMや予告編上映時に再度トイレに赴き、本編開始と共に着座するとのこと

・何かを食し気をまぎらわす
これら議論の余地など無い、
上映中、何かを食すなど、その作品への冒涜である
敬愛するクリエーターの作品であれば、本来正座し、スクリーンに全神経を集約して観るべきものと、古い因習を引き継いでいる
それが、「何かを食し気をまぎらわす」などは、掟に叛くものである
そのため尿意を何か食べて気を紛らわす行為には、とても賛同出来ない

もっとも、劇場で販売されているポップコーンなど高価で手が出ない


・シート位置の調整
最期は残念ながら敗北を認めた逃避である
関ヶ原の戦いの島津軍の如く、みごとな撤退をしなくてはいけない
それは、他観客に迷惑をかけることなく退出すること、
そのため、出口に近いシートの確保が必須となる、
敗者とて敗者の美学がある
間違っても、左右を塞がれる真ん中のシートで鑑賞しようなど、畏れ多いことを考えないことである

ここで大きな問題は、退出するタイミングである
多くの同士はエンドタイトルが流れ始めると堰を切ったのごとく出口に向かう
待て今じゃない、と心で叫ぶ

最近のシリーズ化されてアニメなどは、エンドタイトルが完全に終了したあと、敢えて次回作への布石を付けてくる、それを見逃してしまう

排尿の解放感と安堵から、そのまま劇場を退出し、帰宅後その事実を知り、七転八倒の後悔を味わうことになる

・ひたすら耐える
これは論外
映画のラスト近く、主役が何やら、やたら葛藤したり苦悩し、上映時間を引き伸ばす

「いやいや、おまえ、さっさと腹括らんかぃ!こちらとは尿意が限界やねん!」 と、ガラの悪い短気な関西人になりスクリーンにツッ込み、それまで味わってきたプロセスは無為と化す


③今後の方向性
遠い昔、遥か彼方の銀河では、上映時間の長い映画は、intermission (休憩)が設けられ、安心して鑑賞ができた

それはデジタル化によるリールの交換が不要になったことにより、存在しなくなった

私が一番最初にintermissionを経験したのは、ベン・ハーであり、直近ではリバイバル上映された大脱走である

ベン・ハーのチャールトン・ヘストンが宇宙飛行士になって猿の惑星に行ってしまったことや、
大脱走で目が不自由になったドナルド・プレザンスが特殊潜航艇プロテウスに渡船し白血球と戦ったことは、今はもう遠い昔なのである

④ここらで結論、
YouTubeで、上映中にトイレに行くヤツを揶揄したり批判するYouTuberは見当たらなかった、
Yahoo!知恵袋では、生理現象として比較的好意的にコメントしてくれている

世間は、そして天は我々を見捨ててはいない、
同士オヤジよ、劇場に行け

何より、恐れず、胸を張って!
出口近くの座席を確保し、限界が来れば自己の状況判断を信じ躊躇なくトイレに駆け込め、

まずは、覚悟決め、前日より水分摂取量を減らし、トイレには納得するまで行き絞り出せ、
但し、日々トイレを掃除してくれる清掃員への感謝は忘れずに


劇場には、まだ観ぬ未来がある


つまらぬ雑文で大変恐縮でした









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