もう次回のことを考えるべき!? 次回決算に向けて今から考える「良い決算書」の作り方
日本パートナーCFO協会所属、ITコンサル×パートナーCFOのタナショーです!
この記事では、ベンチャー企業や中小企業の経営に役立つ情報を発信していきます。
3月末決算の会社は前期の決算書作成も終わって一息ついているのではないでしょうか。そんな中、今回のタイトルのように「もう次(今期)の決算書のことを考えるの?」と思ってしまうかもしれません。
ただ、前期の決算が終わったばかりの今だからこそ、次回の決算を良くするための計画を立てやすいタイミングでもあります。
今回は「良い決算書」を作るためのポイントをお伝えしていきます。
良い決算書を作るために、今から考えるべきこと
そもそも「良い決算書」とは何でしょうか?
例えば、資金調達を予定している企業なら「銀行が融資しやすくなる決算書」だったり、「投資家が投資をしたくなるような決算書」が当てはまるかもしれません。読んでもらった相手に好印象を持ってもらえるものが「良い決算書」だと思います。
すでに当期の売上目標は立てているところが多いと思いますので、その数値目標と照らし合わせながら「良い決算書」を作るために以下のポイントに気をつけていきましょう。
①黒字かつ、営業利益が業界水準であること
一番重要であることは黒字で決算を迎えることです。売上目標を立てている企業は利益についても考慮済みというところが多いと思います。しかし、棚卸資産の廃棄に伴う「廃棄損」や「減価償却費」など、売上目標ベースでは見落としがちな費用により、結果赤字に陥ってしまうこともあり得ます。前期の決算書をもとに今期どのような費用が発生しそうなのかを見極めながら、決算書の理想形を予想することが大事です。
②資金調達をする場合は、期末のタイミングで自己資本比率や社長の株主持分比率がどんな数値になっているのか予想する
debtとequityの話で、すべての企業共通の話ではなく少し限定的な話になります。自己資本比率の目安は40%程度が良いと言われたり、新株発行による資金調達において無計画な増資は持分が希釈化するので注意が必要です。
debtとequityのいずれも数年単位で検討すべき項目なので、1年間分しか見ない決算の中でコントロールできるようなものではありません。また、融資などは「借りられるときに上限値まで借りておく」という言葉もあるのでなおさらです。決算の中でこの数値を予想したり計算することは意味がないと思ってしまう方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、決算書として記録が残る期末のタイミングで、それぞれの自己資本比率と株主持分比率がどういう数値で着地するのか、着地結果に問題はないのか確認しておくことは重要なポイントかと思います。もし結果が芳しくない場合は、計画を見直すことでリスクヘッジに繋がるのでおすすめです。
③中期経営計画とリンクした決算書となっているか確認する
個人的に一番おすすめしたい項目です。
数年の計画を見込んで作成する中期経営計画ですが、例えば5カ年の中期経営計画があり現在その3年目である場合、「今期の決算書は、5年目の中継を達成できるに相応しい数値が作れそうか」「達成できそうにない場合、その課題は何か。どこにテコ入れが必要か」を検討します。
中期経営計画自体、売上や利益、社員数の伸びなどは考慮に入れて作成するものです。ですが、今期の決算書を予想するタイミングで中期経営計画も見直しをすることで、計画の実現度はぐっと向上していくと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
不況の中、始まったばかりの今期の決算結果を予想するのも困難かもしれませんが、より良い未来を作っていくためにも「良い決算書」を考えることはとても大事なのだと思います。引き続き皆さんのお役に立つ文章を書いていくので、次回もお楽しみにしていただければと思います。
一般社団法人日本パートナーCFO協会
タナショー
タナショーの別アカウントですが、こちらのマガジンでは経営者に役立つIT活用の記事を掲載しています。ご興味があれば読んでみてください↓↓
最後までお読みくださりありがとうございます。感想つきでシェアをして頂けたら一番嬉しいです。また、もしよろしければスキやフォローもお願いします。