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【芥川賞候補】旅する練習。

どうやったら
サッカーをするために生まれた人間になれる?

芥川賞の発表がある前に、
候補作に挙げられていた乗代雄介さんの『旅する練習』を
何とか20日に間に合わせようと、
勢いで電子書籍で購入。

結果!!!!!

『めちゃくちゃ泣いた。』

主人公は、
サッカー大好き小学生の歩美ちゃん(アビちゃん)
と小説家の叔父さんの(私)

サッカーの合宿で、一冊の本を持って帰ってきてしまった
歩美ちゃんはその本を合宿所まで返しに行きたい。と
叔父さんに伝えます。

叔父さんは小説に風景を描く練習をしたい。
歩美ちゃんもサッカーの練習をしたい。
気持ちが一致した二人は鹿島へと練習をする旅に出かけます。

このアビちゃん、
めちゃくちゃ前向きで明るい!!!
本当に太陽みたいな女の子で、
暗い話も、相談事も何でも明るく前向きに話してくれます。

そのアビちゃんに、何度救われたことか。

読後は、
このアビちゃんの言葉に『ありがとう』って
100%手を合わせてます。(笑)
(スマホや本につぶやいてしまうかも)

キーワードは

カワウ!!!!!!!!

野鳥好きの叔父さんに野鳥の説明をされながら、
アビちゃんが気に入った鳥がカワウ。

カワウは、水に潜って、魚だけをとるために
翼を手入れしながら、じっと待ち、何度も潜り続けるから。

そんな風に、
一つのことに夢中になって、時には辛く、
時には嬉しく、楽しみ続けられるか。


そして、生きる希望になる。

作中、何度も登場するカワウが、
アビちゃんの象徴になって、
このカワウも私たちを助けてくれるのです。

鹿島まで旅する風景の描写が細かく、2人と一緒に旅する感覚が味わえます。
(まるで鹿島に遊びに行った感覚だった)

野鳥もたくさん出てくるよ。

そして、アビちゃんが
おジャ魔女どれみの呪文を唱えたり、
(おジャ魔女世代にはたまらないあの呪文)
念仏を唱えたり、
(これもある種の呪文)
そのシーンにくすりと笑ったり。

泣いたり、笑ったり、
生きる希望が持てたり。

『これから先、どうなるんだろう』という、
コロナ禍での不安にも、効きそうな
読み進めると気持ちが楽になる薬みたいな小説だなぁと思いました。

でも。結末は……
泣いてしまった。


(私の個人的な意見としては、芥川賞とって欲しい!)

本当に文句なしで、受賞して、
たくさんの人に広まって、たくさんの人に読んで欲しい。
それくらい、推したい小説でした。

どうなるのかな!?

起きたら発表されてるかな?

楽しみながら、寝ます😀




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