二律背反

 そろそろやばいなと思って何とかもう一度複数の企業にエントリーしてやった。取り敢えず出す、これができるようになるのに2年かかってしまった。しかし、まだ面接にすら辿り着けていないためスタート地点ではない。レースの会場に入ったくらいだろう。 
 どっか1個くらいはいけるやろという全能感と合否の前に全ての選考を完遂できる気がしないという無力感が同居している。ただ、これはよくよく人生を振り返るといつものことで、赤点かもと思いつつ赤点回避したと思い込んだり、自分は頭が悪いと知っていながら志望校には受かると考えたり、留年を確信しつつ進級できると高を括っていたりと愚かな思考をしているのが私であった。これらの出来事に共通した事実は喜ぶことのできる状況にならなかったことである。即ち、NNTで前期を終える確率が高いとかいうレベルではない。
 優しい家庭に生まれて、中途半端に学業に向いてしまっていたことで、残りの人生を子ども部屋で何もせず過ごすことになってしまいそうだ。
 このままではいけないと思っている。だからこそ、このままではいけないと思っている。


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